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米5月フィリーは2ヵ月連続で分岐点割れ、3月の急伸は嘘のように

by • May 20, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2410

Philly Manufacturing Index Stays Negative In May.

米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)はマイナス1.8 となり、市場予想の3を下回った。前月のマイナス1.6より下げ幅を拡大し、2ヵ月連続で分岐点割れ。約1年ぶりの高水準を遂げた3月の12.4を下回り、2015年9月以降から続く分岐点割れに戻している。

主要な項目の内訳も、軒並み軟調だった。今回は新規受注が3ヵ月ぶりにマイナス圏へ突っ込み、出荷や雇用は下げ幅を縮小したとはいえ分岐点割れを保った。詳細は、以下の通り。

・新規受注 マイナス1.9、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月はゼロ、6ヵ月平均はマイナス0.7
・出荷 マイナス0.5、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス10.8、2012年9月以来の低水準、6ヵ月平均は3.5
・在庫 マイナス2.5、分岐点割れを維持>前月はマイナス20.5、2013年4月以来の低水準、6ヵ月平均はマイナス12.4

・雇用 マイナス3.3、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス18.5、2009年7月以来の低水準、6ヵ月平均はマイナス4.6
・週当たり平均労働時間 マイナス15.1、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス16.2、2012年7月以来の低水準、6ヵ月平均はマイナス4.6

・受注残 マイナス8.8<前月はマイナ6.3、6ヵ月平均はマイナス9.4
・入荷時間 マイナス14.6<前月はマイナス9.9、6ヵ月平均はマイナス9.0

・仕入れ価格 15.7、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は13.2、6ヵ月平均は2.7
・販売価格 14.8、3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は7.4、6ヵ月平均はマイナス1.5

6ヵ月先見通し指数は36.1と、2014年12月以来の高水準を達成した前月の42.2に届かず。項目別をみると、軒並み上昇。新規受注(39.9<前月は48.7)をはじめ、出荷(37.9>前月は34.2)、雇用(12.0<前月は14.2)、在庫(マイナス12.0<前月はマイナス3.9)となる。また、仕入れ価格(24.8<前月は36.7)、販売価格(10.5>前月は22.6)は低下した。入荷時間や受注残も、前月を下回る。一方で設備投資(12.7>前月は13.3)と上向いた。

現況(オレンジ)は急低下、見通し(グレー)は、そろって低下し楽観ムードが後退。

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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

今回の特別項目は、価格見通しについてで回答は、以下の通り。

1年先
・販売価格 2.0%上昇
・賃金 3.0%上昇

10年先
・最終消費財 2.5%上昇

――米5月NY連銀製造業景況指数と同じく、米5月フィリーも分岐点割れをたどりました。米4月鉱工業生産が回復した割に、さえません。原油先物が約7ヵ月ぶりの高値へ戻し、中国経済も落ち着きを見せ、ドル高が一服したものの、需要に跳ね返らなかったようです。今後は6月利上げ警戒の台頭で、再び下振れの懸念が募ります。

(カバー写真:Peter Miller/Flickr)

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