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米5月消費者信頼感指数、6月利上げ警戒再燃で6ヵ月ぶり低水準

by • June 1, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1660

Consumer Confidence Falls To 6-Month Low.

米5月消費者信頼感指数は92.6となり、市場予想の96.1を下回った。前月の94.7(94.2から上方修正)以下となり、2015年11月以来の水準へ落ち込んだ。3ヵ月平均は94.5と、前月の94.9を下回り、2014年12月以来の低水準を示す。内訳をみると、見通し指数が79.0と前月の79.7以下となっただけでなく、テーパリングの開始やウクライナ問題に揺れた2014年2月以来の低水準を示した。現況指数も112.9と前月の117.1から低下し、直近で最低を迎えた。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果に対し「見通し指数が下振れ、企業活動や労働市場に対し慎重な見方が強まった」と指摘した。現況指数も低下し「信頼度が前月から後退した」との見方を寄せる。

消費者信頼感指数、リセッション前の平均値103.5が遠ざかりけり。

cc

(作成:カンファレンス・ボードよりMy Big Apple NY)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス0.1だった。前月は1.5と2008年1月以来の高水準を遂げたものの、3ヵ月ぶりにゼロを割り込んでいる。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」がそろって上昇
「良い」25.9%→前月の24.2%から上昇、前年同月は24.7%
「悪い」21.6%→前月の18.2%から上昇、前年同月は17.9%

労働市場については「豊富」と「困難」が上昇し、DIは2008年1月以降続いたマイナス圏へ3ヵ月ぶりに戻す
「職が豊富」24.3%→前月の24.2%から上昇、前年同月は20.6%
「あまり職が豊富ではない」51.3%→前月の53.0%から上昇、前年同月は52.2%
「職探しが困難」24.4%→前月の22.8%から上昇、前年同月は27.2%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」と「悪化する」が上昇し後者は1年前の水準を超える
「良くなる」15.1%→前月の13.8%から上昇、前年同月は16.0%
「悪化する」11.6%→前月の10.8%から上昇、前年同月は11.3%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が低下、「減少」は上昇し「減少」が9ヵ月連続で「増加」を上回る
「雇用が増加する」12.8%→前月の12.7%から上昇、前年同月は14.7%
「雇用が減少する」18.1%→前月の16.7%から上昇、前年同月は16.6%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」が上昇、「減少」は変わらず
「増加する」16.2%→前月の15.8%から上昇、前年同月は17.6%
「減少する」12.4%→前月の12.4%と変わらず、前年同月は10.7%

購入見通しは、住宅と自動車で上昇した。利上げ観測が浮上し金利も上向きつつあるが、悪影響は及んでいない。住宅は6.0%と、8ヵ月ぶりの低水準だった前月の5.3%から改善した。自動車も12.6%と、前月の11.8%から上向き3ヵ月ぶりの水準へ戻している。主要機器のみ50.3%と、前月の51.6%から低下し3ヵ月ぶりの低水準だった。

――米5月消費者信頼感指数は見通し指数をはじめ、購入見通しを除いて低下しています。4月26-27日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受け6月利上げ観測が浮上しており、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値とともに下振れした格好。購入見通しは追加利上げ前の金利上昇を控えた駆け込み需要を掘り起こした可能性がちらつきますが、センチメントは米雇用統計が改善しない限り弱含む懸念がくすぶります。

▽米3月S&P/ケースシラー住宅価格指数、値上がり再燃の兆し

米3月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比5.43%上昇の184.5となり、市場予想の5.16%を上回った。前月の5.43%(5.38%から上方修正)に並んだ。2年10ヵ月連続でプラス圏を保ちつつ、2013年2月以来の10%割れは維持した。季節調整済み・20都市別の前月比は0.85%の上昇と、市場予想の0.77%超え。前月の0.71%(0.66%から上方修正)も上回り、7ヵ月連続で上昇した。

季節調整済みでは、19都市で上昇。前月まで2ヵ月連続での20都市から減少した。上昇率トップはミネソタ州ミネアポリスで1.32%となり、前月のトップ3圏外からトップをさらっていった。2位はミシガン州デトロイトで、こちらも圏外からランクイン。3位はワシントン州シアトルで前月と変わらず、1.04%だった。最下位は全て圏外から登場し、オハイオ州クリーブランドで0.13%低下した。2位はアリゾナ州フェニックスで0.09%上昇、3位はノースカロライナ州シャーロットで0.11%上昇した。

発表元のS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ビルザー会長は、結果に対し「前年比で2015年初めにみられた5%の水準を保ち、経済のほか労働市場、住宅市場が住宅価格の上昇をサポートしているのだろう」と振り返る。さらに「在庫ひっ迫」を挙げ、「住宅在庫は全米世帯を2%下回り、1980年半ば以来の低水準」と結んだ。

――住宅価格は2月の鈍化から一転し、力強さをみせました。中央価格が過去最高に急伸した米4月新築住宅販売件数と、整合的です。今回の上振れは追加利上げ前の駆け込み需要で数字が歪められた可能性を残すだけに、好調なペースを継続できるか注目です。

(カバー写真:Karen Borter /Flickr)

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