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MBA住宅ローン申請件数指数は急伸、金利低下で借換が支え

by • July 7, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1275

Mortgage Loan Applications Surge With The Help Low Rates.

MBA住宅ローン申請件数指数と米5月製造業受注をおさらいしていきます。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、7月1日週に前週比14.2%上昇し580.8だった。前週の2.9%の上昇から反転し、過去5週間で3回目の上昇を示す。借換が20.8%も急伸し2579.9と、前週からプラスに反転。新規も4.3%上昇の234.6と4週ぶりに上昇に転じた。英国民投票後に世界同時株安の様相を呈したが、米10年債利回りが過去最低へ向かうなかで金利低下に反応し株価も持ち直したため需要を刺激したようだ。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は66.2%上昇し、前週の37.6%から加速。新規が22.6%の上昇(前週は12.9%の上昇)、借換も113.5%の上昇(前週は63.4%)と、それぞれ大幅に上げ幅を広げた。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の3.76%から3.66%へ低下した。1年前の4.23%以下にとどまり、過去3年間で最低近くを保つ。15年固定金利型(平均)は前週の3.02%から2.96%へ低下。FHAのローン金利も、前週の3.61%から3.56%へ低下した。

MBA住宅ローン申請件数指数、低金利を支えとし連休明けに大幅反発。

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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は61.6%と、前週の58.1%から上昇した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

▽米5月製造業受注、予想以上に減少も速報値から上方修正

米5月製造業受注は前月比1.0%減となり、市場予想の0.8%減を下回った。前月の1.8%増(1.9%増から下方修正)に反し減少し、過去6ヵ月で3回目の減少を示す。民間航空機など輸送機器を除く場合は0.1%増と、3ヵ月連続で増加。米5月耐久財受注の0.3%減から上方修正された。コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)も0.4%減と、速報値の0.7%減から下げ幅を縮小している。前月の0.9%減(修正値)を含め、過去6ヵ月で4回目の減少となった。

国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財出荷は0.3%減と、速報値の0.5%減から上方修正。前月の0.3%増(修正値)を打ち消した格好だ。製造業出荷は±0%で、増加を2ヵ月で止めた。製造業在庫は0.1%減と、減少トレンドを保つ。在庫相当は在庫が減少で出荷が横ばいだったところ、前月に続き1.36ヵ月だった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「非耐久財が振るわず、耐久財もコア資本財が5月こそ上方修正されたものの4月分が引き下げられた」と指摘。米4~6月期GDP予想を「2.0%増で据え置き、上振れリスクは後退した」とまとめた。

――MBA住宅ローン申請件数指数が低金利をバネに急伸した半面、米5月製造業受注は米4~6月期成長見通しにはネガティブとなり、引き続き住宅投資は堅調というまちまちな状況が浮かび上がります。世界同時株安が再びマーケットを直撃した場合に住宅投資が鈍化する懸念がくすぶるも、2015年8月や年初に米株が調整入り局面を迎えた当時は住宅販売件数も含め変動が激しくなる程度。GDPでも住宅投資は2016年1~3月期まで8期連続で増加し、2014年7~9月期以外は10%近くあるいはそれ以上の伸びを遂げていました。BREXITによる相場の波乱が比較的短期間にとどまれば、住宅市場への影響は限定的となりそうです。

むしろ、MBA住宅ローン申請件数指数で言えば、新規の伸びがさえない点が気掛かり。BREXITを受けてリスク資産からの資金流出に伴う原油安で、鉱業並びに製造業のドミノ効果が雇用へ及べば、金利低下でも住宅ローンの新規需要を押し上げるか疑問が残ります。

(カバー写真:Max/Flickr)

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