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米6月チャレンジャー人員削減予定数、2ヵ月連続で3万人台と低水準

by • July 8, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1784

Job Cuts Signal Better Jobs Report In June.

米6月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比14.1%減の3万8536人だった。2ヵ月連続で減少している。削減予定数自体は5ヵ月ぶりの低水準だった前月の3万157人に近い。前月比では27.8%増に転じた。産業別ではこれまでリストラを押し上げてきたエネルギー産業の人員削減が縮小。全体のうち5.1%と、前月の25.1%から大きく低下しただけでなく、年初来で最低を示す。

雇用統計と相関関係が今回も継続すれば、米6月雇用統計は好転へ。
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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別では、前月比ベースにて3地域で増加した。5月のゼロから増えている。今回は、IT企業が集まる西部のみ7.2%減の9893人だった。一方で石油生産州が集まる南部が97.3%増の1万3048人、中西部も95.3%増の8658人増とほぼ倍増。北東部は28.7%増の6937人だった。

1~6月期での削減予定数は、前年同期比9%増の31万3743人だった。1~3月期に18万920人だった一方、4~6月期は前期比27%減の13万2834人であり、前者に集中していた。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「6月の数字は2015年平均値の5万3049人を26%下回る」と評価した。背景として「原油価格の反発」を挙げる。2015年の7月は10万人を超える増加を示したものの、「米軍関連が押し上げた」とあって特殊要因で今年は上振れする可能性は低いという。今後をめぐっては「米大統領選、BREXITを受けて採用も雇用削減もともに様子見スタンスに入る可能性がある」と予想した。

年初来の州別では、原油安を背景に石油生産地を抱えるテキサス州が1〜5月に続きトップに立った。2位も前月と変わらず、カリフォルニア州が入っている。1〜2月や4~5月と同じく、シェール関連産業が並ぶアーカンソー州も上位に。前月4位だったイリノイ州が5位に転落し、代わりに4位にノースカロライナ州が入った。前月4位だったニューヨーク州は、圏外に落ちている。

1位 テキサス州 7万3491>前月は7万1787人、前月も1位
2位 カリフォルニア州 4万3526人>前月は3万7558人、前月も2位
3位 アーカンソー州 1万8784人>前月は1万7284人、前月も3位
4位 ノースカロライナ州 1万6838人、前月は圏外
5位 イリノイ州 1万4427人>前月は1万1515人、前月は4位

年初来で人員削減が多かったセクターのランキングは以下の通りで、%は前年同期比を示す。1位は前月に5位だった金融がエネルギーに取って代わり、2位は3ヵ月連続で小売が入っている。3位は前月の圏外から化学がランクイン、1〜5月まで3位だったコンピューターは4位に転じた。5位は食品が入り、前月まで1位だったエネルギーは7位に終わった。

1位 金融 7万7211人(全体の25%)
2位 小売 4万2095人(全体の13%)
3位 化学 3万9589人(全体の13%)
4位 コンピューター 2万342人(全体の6%)
5位 食品 1万5802人(全体の5%)

6月の人員削減数ワースト5は、こちら。今回は3月に2位だったエネルギーが4月に続き1位だった。2位は前月5位だった産業財、3位は前月2位だったコンピューターが並んだ。以下はそれぞれ圏外からのランクインとなる。

1位 エネルギー 7572人(全体の26%)
2位 産業財 3650人(全体の12%)
3位 教育 3359人(全体の11%)
4位 コンピューター 2836人(全体の10%)
5位 製薬 1348人(全体の4%)

リストラ実施の理由、今回の単月ランキングは以下の通り。

1位 再編 2万1655人(全体の56%、前月も1位)
2位 閉鎖 5097人(全体の13%、前月は4位)
3位 コスト削減 3945人(全体の5%、前月は3位)
4位 需要低下 1165人(全体の3%、前月は圏外)
5位 契約終了 1113人(全体の3%、前月も5位)

セクター別の採用動向は、以下の通り。全体では1万3564人となり、2015年9月以来で最高を示した前月の2万4732人から減少した。

1位 小売 8020人 前月も小売
2位 コンピューター 2350人、前月もコンピューター
3位 サービス 550人、前月は通信
4位 自動車 435人、前月も自動車
5位 電化製品 300人、前月は産業財

――ようやく、原油安の呪縛から解き放たれエネルギー関連の人員削減が改善しました。油田サービス大手ベーカー・ヒューズの石油リグ稼働数をみても、一目瞭然です。

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(作成:My Big Apple NY)

米6月ADP全国雇用者数も堅調で、6月は梅雨明けの夏空のようにスッキリとした数字が飛び出しそうです。問題は、BREXIT明けの7月。米10年債利回りが過去最低を更新するなど資金調達には追い風が吹くなかで採用活動を後押しするのか、あるいはBREXITに絡む不透明要因で採用見送りとなるのか。米新規失業保険申請件数は低水準にあり巡航速度を保つ気配が漂う一方、求人数と新規採用数の乖離が表すように新規採用が頭打ちとなるリスクをはらむ。少なくとも雇用は、20万人超えを連発するようなステージは終了した感があります。

(カバー写真:Steve Petrucelli/Flickr)

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