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米新規失業保険申請件数、4月以来の低水準を維持

by • July 15, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1655

Jobless Claims Holds Steady At Mid-April Low.

米新規失業保険申請件数と米6月生産者物価指数をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は7月9日週に25.4万件と前週値と変わらず、市場予想の26.5万件を下回った。4 月23日週以来の水準を維持している。米労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは71週連続で1973年以来の最長とのコメントを寄せた。4週平均は25万9000件と前週の26万4750件から減少し、4月30日以来の低水準。1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件に迫った。

米新規失業保険申請件数、レンジ下限を快調に推移。

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(作成:My Big Apple NY)

7月2日週までの継続受給者数は214.9万人と、前週の211.7万人から増加した。被保険者に占める失業者の割合は前週の過去最低の1.5%から修正されたため、4週連続で1.6%だった。

7月2日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・ケンタッキー 5386人増
・ニューヨーク 4670人増(前週は1943人増、2週連続で増加)
・オハイオ 1508人増(前週の660人減から増加へ反転)
・イリノイ 1423人増
・サウスカロライナ 937人増

(減少が顕著だった州)
・カリフォルニア 937人減(前週の5163人増から減少へ反転)
・ニュージャージー 1859人減(前週の6715人増から3週ぶりに減少へ反転)
・コネチカット 1694人減
・メリーランド 1307人減
・オレゴン 1230人減

――米新規失業保険申請件数はBREXIT後も低水準を維持し、雇用削減が行われていない状況が示唆されています。米5月雇用動態調査では新規採用数が3ヵ月連続で減少、米6月労働市場情勢指数(LMCI)は6ヵ月連続で低下中ながら、米新規失業保険申請件数のみは快調なペースで走り続ける状況。7月からは、モデルチェンジやメンテナンスを受けた自動車工場閉鎖を挟むだけに、季節調整が変動を激しくさせる場合に注意しなければなりません。

▽米6月PPI、エネルギーと金融関連が支え2015年5月以来の高水準

米6月生産者物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.3%を上回った。前月の0.4%から加速し、3ヵ月連続で上昇しただけでなく2015年5月以来の高水準となる。コアPPIは前月比0.4%上昇し、市場予想の0.1%を超えた。前月の0.3%を上回り、5ヵ月ぶりの高水準を示す。PPIは前年同月比で0.3%上昇し、市場予想通り±0%より強い。前月の0.1%の低下からプラスに転じ、2014年12月以来の水準へ加速した。コアPPIも1.3%上昇し、市場予想の1.0%を上回った。前月の1.2%を超え、4ヵ月ぶりの水準へ並んだ。

内訳をみると、全体の6割を超えるサービスが前月の0.4%上昇し、3ヵ月連続で上向いた。サービスのうち3割を占める貿易が0.7%上昇し、2ヵ月連続で上昇。1割弱を占める輸送・倉庫も0.5%上昇し、5ヵ月ぶりに上振れした。サービスのうち6割を占めるその他サービスは0.4%上昇し、前月の0.2%の低下から反転させている。

モノは0.8%上昇し、4ヵ月連続でプラス圏をたどるなかで最も伸びが加速した。食品は0.9%上昇し、2ヵ月連続でプラス。エネルギーは4.1%の上昇と、4ヵ月連続で上昇するなかでこちらも最大の伸びを示した。

BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受け「エネルギーが予想以上の伸びを示したほか、サービスも加速した」と振り返る。エネルギー関連がCPIを押し上げる余地を残すが、サービスをめぐっては「証券仲介業務や取引価格が押し上げ7.7%上昇しており、消費者物価指数(CPI)に反映される公算は小さい」と指摘。医療・製薬関連はまちまちとなっており、「コア個人消費支出(PCE)デフレーターにはまちまちな内容」と結んだ。

――米5月コアPCEデフレーターは前年同月比1.6%の上昇でした。2月に1.7%と2014年8月以来の高水準だった後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値2%を前に足踏み中。エネルギーが牽引しつつあるとはいえ、コアPCEが6月に2%に乗せる気配は感じられません。

(カバー写真:Bromford/Flickr)

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