Housing Starts Construction Permits Rebound In June.
米6月住宅着工件数は年率118.9万件となり、市場予想の116.5万件を超えた。前月の113.5万件(116.4万件から下方修正)を4.8%上回り、4ヵ月ぶりの高水準。前月値が下方修正された影響で力強い伸びを果たした。
内訳をみると、一戸建てが前月比4.4%増の77.8万件、複合住宅も5.4%増の41.1万件とそれぞれ前月から増加に反転した。前年比での住宅着工件数は2.0%減と、前月の6.8%増から転じている。一戸建てが13.4%増と3ヵ月ぶりに2桁増を回復した半面、複合が22.0%減と前月の5.7%増からマイナスへ振れた。
4大地域別では、前月と同じく2地域で増加した。今回はIT産業が集まる西部が17.4%増の31.7万件と2ヵ月連続で2桁増だったほか、北東部も46.3%増の11.7万件と反発に転じている。一方で中西部は5.2%減の18.4万件と2ヵ月連続で減少。石油生産地で知られる南部は3.4%減の31.7万件だった。
米6月建設許可件数は115.3万件となり、市場予想の115.0万件に沿う数字だった。前月の113.6万件(113.8万件から下方修正)を1.5%上回り、4ヵ月ぶりの高水準。ただし、件数自体は住宅着工件数以下となる。内訳をみると、一戸建てが1.0%増の73.8万件と前月の減少をほぼ打ち消した。複合住宅は2.5%増の41.5万件と、3ヵ月連続で増加した。建設許可件数の前年比は13.6%減と前月の10.1%減から下げ幅を拡大し、3ヵ月連続で落ち込んだ。一戸建てが5.1%増(前月は4.8%増)と加速し、複合住宅も34.3%減(前月は28.1%減)と下げ幅を広げた。
米6月建設中件数は前月比0.2%増の101.5万件となった。5ヵ月連続で増加し、件数ベースでは2008年2月以来の水準を遂げた。一戸建てが±0%の43.2万件と増加トレンドを15ヵ月連続で止めた。複合住宅は0.3%増の58.3万件と5ヵ月連続で増加した。
住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。
――米6月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、58.4万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米5月新築住宅販売件数を上回り、米7月NAHB住宅市場指数と合わせ在庫ひっ迫が緩和する期待を残します。ただし建設許可件数が伸び悩んでおり、金利低下でも需要を喚起できなければ建設活動自体が減速する懸念をはらみます。MBA住宅ローン申請件数指数が金利低下局面でも新規購入で上振れしていないだけに、今後は雇用鈍化が住宅市場の伸びを抑えるシナリオに注意したいところです。
(カバー写真: Geoff/Flickr)
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