NFIB Small Business Optimism Edges Up To The Highest This Year.
米7月NFIB中小企業楽観度指数は94.6となり、市場予想と前月値の94.5を若干上回る程度だった。4ヵ月連続で上昇し、年初来で最高に。ただ、2006年10月以来の高水準でありリセッション前の平均値100を回復した2014年12月の100.4でピークアウトした状況が続く。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。
発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、堅調な結果を受けながら「中小企業の楽観度は前月とほぼ変わらず、メンテナンス・モードに変わりはない」と指摘した。不透明性が高く「将来に向けた設備投資などは弱含んだように見える」ともコメント。同指数が「大きく上振れする見通しにはない」と語り、引き続き慎重な見解に終始した。
楽観度指数、リセッション前の平均値を回復した後は伸び悩み。
内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は前月に続き7項目だった。今回は「賃金」、「賃上げ見通し」、「雇用を増加させる」など米7月雇用統計が示したように雇用関連で上向きが目立つ。一方で「求人件数」や「設備投資を拡大させる」などは前月から低下。マイナス圏では「経済が良くなる」がマイナス幅を縮め、1年ぶりの水準を回復している。以下は、項目ごとの変化。
「求人件数」26%→ 前月の29%から低下、6ヵ月平均は27%
「設備投資を拡大する」25%→前月の26%から低下、6ヵ月平均は25%「賃金」24%→前月の22%から上昇、6ヵ月平均は23%
「賃上げ見通し」15%→前月の14%から上昇、6ヵ月平均は14%
「雇用を増加させる」12%→ 前月の11%から上昇、6ヵ月平均は11%
「事業拡大に良いタイミング」8%→ 前月の8%で変わらず、6ヵ月平均は8%
「売上の拡大を予想」1%→ 前月の2%から低下、6ヵ月平均は1%
「在庫を増加させる」0%→ 前月の−3%から改善、6ヵ月平均は−1%
「販売価格の上昇」−2%→前月の2%から低下、6ヵ月平均は−1%「在庫満足度」−4%→ 前月まで3ヵ月連続で−4%、6ヵ月平均は−4%
「経済がより良くなる」−5%→ 前月の−9%から改善、6ヵ月平均は−14%
「信用状況が緩和する」−5%→ 前月の−6%から改善、6ヵ月平均は−6%
「黒字トレンドにある」−21%→ 前月の−20%から悪化、6ヵ月平均は−21%
――GDPの46%を担うとされる中小企業のセンチメントは、過熱感こそありませんが堅調な推移を続けています。雇用関連の項目も文句なしの結果で、下半期に成長改善に期待が掛かる。BREXITの影響も波及せず、7~9月期成長率3%乗せに望みをつなぎます。
(カバー写真:dubofadubofadub/Flickr)
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