Durable Goods Orders Suggest Q3 Growth Comeback.
米7月耐久財受注、米8月カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。
米7月耐久財受注は前月比4.4%増となり、市場予想の3.4%増を上回った。2014年8月以来の減少率を示した前月の4.2%減(3.9%減から下方修正)から改善し、3ヵ月ぶりに増加。過去6ヵ月間で3回目の増加となった。防衛財が35.7%増と前月の23.2%減から転じ3ヵ月ぶりに増加している。
輸送用機器は10.5%増となり、前月の11.4%減(修正値)をほぼ打ち消した。3ヵ月ぶりに増加。民間航空機が改善を引っ張り、自動車は逆に前月から弱含んだ。
・民間航空機 89.9%増>前月は59.7%減、6ヵ月平均は10.9%増
・自動車 ±0%<前月は2.0%減、6ヵ月平均は0.3%減
輸送用機器を除く場合は1.5%増となり、市場予想の0.4%増を大幅に上回った。前月の0.3%減(0.4%減より上方修正)から転じ3ヵ月ぶりに増加。過去6ヵ月間で2回目の増加を示す。
コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は1.6%増と、市場予想の0.2%増から加速。前月の0.5%増(0.4%増から上方修正)に続いてプラスとなり、過去6ヵ月間で3回目の増加となる。内訳をみると、米7月鉱工業生産が改善したように、製造業や鉱業で増加を確認した。
(増加項目)
・コンピューター/電子機器 3.6%増、直近で最高>前月は1.1%減、6ヵ月平均は0.6%増
・電気機器 2.6%増、直近で最高>前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.3%減
・機械 1.6%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.6%減
・一次金属 1.4%増>前月は1.0%減、6ヵ月平均は0.2%減
・組み立て金属 1.5%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.2%増
(減少項目)
なし
耐久財出荷は前月比0.2%増となり、前月の0.5%増(修正値)に続きプラスを迎えた。過去6ヵ月間で3回目の増加となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.4%減となり、市場予想の0.3%増のところ減少に。前月の0.5%減(0.2%減から下方修正)を含め、過去6ヵ月で4回目の減少を迎えた。
コア資本財の受注、出荷とも前年比ではマイナス続く。
(作成:My Big Apple NY)
耐久財在庫は0.3%増となり、前月の0.1%減から転じ年初来からの減少基調から脱した。在庫がの伸びとほぼ同じ程度で、在庫相当は前月の1.64ヵ月で変わらなかった。
バークレイズのロブ・マーティン米エコノミストは、結果を受け「全般的に力強さをみせ、(GDPで設備投資を表す)機器投資が改善する可能性を強めた」と振り返る。在庫も年初来からの減少トレンドに歯止めを掛けたこともって。「米7~9月期GDP予想を従来の2.0%増から2.3%増」へ引き上げた。
▽米8月カンザスシティ連銀製造業景況指数、再び分岐点割れ
米8月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス4となり、市場予想のマイナス2を下回った。前月の6からは下げ幅を縮めつつ、16ヵ月ぶりに分岐点を回復した6月の2にまだ距離を残す。
――米7月耐久財受注でまた一歩、米7~9月期GDPの改善へ近づきました。コア資本財の出荷が減少を続けたとはいえ、受注が強含み在庫もプラスに転じたとあれば下押し余力は小さい。米4~6月期GDPでは企業の設備投資である構造物投資が再び減少に転じたほか、同じく企機器投資も3期連続での減少を示しましたが、原油先物の反転もあって製造業・鉱業は復活への期待が掛かります。
(カバー写真:Ekkasit Chaingam/Flickr)
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