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エンパイアとフィリー、製造業景況指数は強弱拮抗

by • September 23, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1765

Empire State Manufacturing Index Falls, Philly Rebonds.

米9月NY連銀製造業景況指数、同フィラデルフィア連銀製造業景況指数、同カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。

米9月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)はマイナス1.99となり、市場予想1のマイナス1.0より弱い結果となった。前月のマイナス4.21からは下げ幅を縮小も、2ヵ月連続で分岐点割れを示す。項目別では、ヘッドラインより悪化が著しい。新規受注や出荷がそれぞれ分岐点を割り込んだほか、雇用も下げ幅を広げ年初来で最低を示すなど弱い数字が目立つ。詳細は、以下の通り。

エンパイア、現況指数が低下も見通しが上昇(ブルーが現況、赤が見通し)。

empire
(作成:My Big Apple NY)

・新規受注 マイナス7.45、6ヵ月ぶりの低水準<前月は1.04、6ヵ月平均は1.38
・出荷 マイナス9.38、4ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は9.01、6ヵ月平均は2.98
・在庫 マイナス6.25、7ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4.12、6ヵ月平均はマイナス2.40

・雇用 マイナス14.29、3ヵ月連続で分岐点割れで年初来で最低<前月はマイナス1.03、6ヵ月平均はマイナス2.62
・平均労働時間 マイナス11.61、年初来で最低<2.06と4ヵ月ぶりに分岐点乗せ、6ヵ月平均はマイナス4.43

・仕入れ価格 16.96>前月は15.46と5ヵ月ぶり低水準、6ヵ月平均は17.56
・販売価格 1.79<前月は2.06、6ヵ月平均は0.61

・入荷時間 マイナス12.50<前月はマイナス4.12、6ヵ月平均はマイナス8.80
・受注残 マイナス11.61、5ヵ月連続でマイナス<前月はマイナス9.28、6ヵ月平均はマイナス8.40

6ヵ月先見通し指数は34.53と前月の23.74から改善し、2015年4月以来の高水準だった6月の34.84を意識した。

▽米9月フィリー、2015年1月以来の高水準も見通しは鈍化

米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は12.8となり、市場予想の1を上回った。前月の2を超え、2015年1月以来の高水準を遂げている。

主要な項目の内訳をみると、新規受注が分岐点を回復した一方で出荷が分岐点を割り込むなど強弱ミックスとなっている。雇用は分岐点割れを継続しつつ、2009年7月以来の低水準からは回復した。詳細は、以下の通り。

・新規受注 1.4>前月はマイナス7.2と年初来で最低、6ヵ月平均は0.2
・出荷 マイナス8.8、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は8.4、6ヵ月平均はマイナス1.3
・在庫 マイナス26.2、15ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス9.2、6ヵ月平均はマイナス12.1

・雇用 マイナス5.3、8ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス20.0と2009年7月以来の低水準、6ヵ月平均はマイナス9.9
・週当たり平均労働時間 マイナス11.7、6ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス11.5、6ヵ月平均はマイナス11.9

・受注残 マイナス10.8、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス15.0と年初来で最低、6ヵ月平均はマイナス8.6
・入荷時間 マイナス9.3<前月は1.3と4ヵ月ぶりの分岐点乗せ、6ヵ月平均はマイナス7.4

・仕入れ価格 20.6、2014年10月以来の高水準で6ヵ月連続の分岐点乗せ>前月は19.7、6月平均は17.0
・販売価格 9.7、4ヵ月ぶり高水準で7ヵ月連続にて分岐点乗せ>前月は7.1、6ヵ月平均は7.2

6ヵ月先見通し指数は37.5と、2015年1月以来の高水準を達成した前月の45.8を下回った。

現況(オレンジ)は大幅上昇も、見通し(グレー)は低下。

Microsoft Word - ManBOS Sep 2016 FINAL.docx
(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

▽米9月カンザスシティ連銀製造業景況指数、分岐点を回復

米9月カンザスシティ連銀製造業景況指数は6となり、市場予想のマイナス3を上回った。前月のマイナス4を超え3ヵ月ぶりに分岐点を回復し、2014年12月以来の高水準を遂げた。

――エンパイアが分岐点割れを維持した一方、フィリーとカンザスシティは改善を遂げています。とはいえ、フィリーは6ヵ月先見通し指数が下振れし、必ずしも好結果とは言い切れず。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られ、2017年の利上げペースも下方修正されるなか、10月は楽観的な結果をもたらすのか。米大統領選を控えるなかでは、不透明性が漂います。

(カバー写真:Chris Goldberg/Flickr)

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