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米9月NY連銀製造業景況指数は高水準を維持、鉱工業生産は低下

by • September 20, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off754

NY Fed Manufacturing Index Elevated While Industrial Production Declines.

米9月NY連銀製造業景況指数、米8月鉱工業生産をおさらいしていきます。

米9月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)は24.4となり、市場予想の18を上回った。2014年9月以来の高水準だった前月の25.2を下回りつつ、高水準を維持している。項目別では、新規受注や出荷、在庫、雇用が上向いたものの、仕入れ価格など全般的に前月を上回った。ただし平均時間が下振れしていた。詳細は、以下の通り。

各連銀が発表する製造業景況指数、NYは前月に続き幸先良いスタート。

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(作成:My Big Apple NY)

・新規受注 24.9>前月は20.6、6ヵ月平均は13.3
・出荷 16.2>前月は12.4、6ヵ月平均は14.3
・在庫 6.5>前月はマイナス3.1、3ヵ月ぶりに分岐点割れ、6ヵ月平均は2.7

・雇用 10.6>前月は6.2、6ヵ月平均は9.0
・平均労働時間 5.7<前月は10.9、6ヵ月平均は6.9

・仕入れ価格 35.8>前月は31.0、6ヵ月平均は27.0
・販売価格 13.8>前月は6.2、6ヵ月平均は9.8

・入荷時間 14.6>前月は5.4、6ヵ月平均は8.8
・受注残 8.9、3ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月はマイナス4.7、6ヵ月平均は2.1

6ヵ月先見通し指数は39.3と、1月以来の高水準だった前月の45.2を下回った。項目別では、新規受注と雇用、平均労働時間、設備投資、仕入れ価格が上昇したものの、出荷や受注残が低下した。

▽米8 月鉱工業生産、ハリケーン直撃により2009年1月以来で最大の下げ

米8月鉱工業生産指数は前月比0.9%低下し、市場予想の0.2%の上昇に反する結果となった。前月の0.4%の上昇(0.2%から上方修正)に届かず、2016年11月以来のマイナスに。下落率としては、金融危機の直撃まもない2009年1月以来で最大となる。米8月新車販売台数が前年割れを続けるなか自動車が大幅低下したが、そのほかコンピューター、公益が堅調だった。稼働率は76.1%と市場予想の76.7%以下に。2015年7月以来の高水準だった前月の76.9%から低下し、リセッション前の80%が一段と遠のいた。

内訳をみると、製造業(全体の78.5%)は機械が重石となり3ヵ月ぶりに低下した。自動車を除いた製造業も0.5%低下し、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。公益(全体の10.8%)は気温の低下に伴い冷房需要が落ち着き、低下した。鉱業(全体の10.8%)は原油価格が50ドル乗せを回復する過程にあったものの、南部がハリケーン“ハービー”の直撃を受けた影響で5ヵ月ぶりに低下へ転じた。

・製造業 0.3%の低下<前月は±0%、6ヵ月平均は±0%
自動車 2.2%の上昇>前月は4.2%の低下、6ヵ月平均は0.8%の低下
機械 1.4%の低下<前月は0.2%の低下、6ヵ月平均は0.6%の上昇
コンピューター/電気製品 0.8%の上昇>前月は0.3%の低下、6ヵ月平均は0.3%の上昇

・公益 5.5%の低下<前月は1.5%の上昇、6ヵ月平均は1.0%の上昇
電力 5.9%の低下<前月は2.1%の上昇、6ヵ月平均は0.8%の上昇
天然ガス 2.1%の低下>前月は3.1%の低下、6ヵ月平均は3.5%の上昇

・鉱業 0.8%の低下<前月は1.3%の上昇、6ヵ月平均は0.4%の上昇

鉱工業生産、回復の芽は伸びつつあるも未だ限定的。

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(出所:My Big Apple NY)

▽米7月企業在庫、予想と一致し3ヵ月連続で増加

米7月企業在庫は前月比0.2%増と、市場予想と一致した。前月の0.5%増と合わせ、3ヵ月連続で増加。内訳をみると、製造業が0.3%減と前月の±0%から低下した。小売は0.3%増と前月の0.1%増を上回り3ヵ月連続で増加。一方で、卸売は0.1%減と3ヵ月ぶりに減少した。

企業売上高は前月比0.2%増と、前月の0.2%増を含め3ヵ月連続で増加した。在庫と売上の伸びが一致したため、在庫相当は2ヵ月連続で1.38ヵ月だった。

――米9月NY連銀製造業景況指数はハリケーン“ハービー”や“イルマ”の被災地ではなかったため、高水準を維持しました。もっとも、米8月鉱工業生産はハリケーンの爪痕が明確に浮かび上がり大幅低下。復興需要が期待される半面、ハリケーン“ホセ”や“マリア”など続々と迫っており、7~9月期から10~12月期初めにかけ経済指標を下押しする可能性が強まってきました。

バークレイズは、米8月小売売上高と米8月鉱工業生産を受けて米7~9月期GDPの予想値を従来の2.8%増から2.0%増へ引き下げました。アトランタ地区連銀も従来の3.5%増から2.2%増へ、NY地区連銀も2.06%増から1.34%増へ大幅に下方修正。米7~9月期GDPの逆風が米10~12月期GDPにも吹き付ける見通しで、仮に税制改革の成立が年末となれば施行は年明けであり、復興需要が後ろ倒しされるリスクにも気を付けたいところです。

(カバー写真:Anthony Nguyen/Flickr)

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