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米8月小売売上高、米9月NAHB住宅市場指数はハリケーン効果で下振れ

by • September 20, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off825

Hurricane Pushed Down Retail Sales And Housing Market Index.

米8月小売売上高、米9月NAHB住宅市場指数、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値をおさらいしていきます。

米8月小売売上高は前月比0.2%減と、市場予想の0.1%増を下回った。前月の0.3%増(0.6%増から下方修正)から減少に反転。ハリケーン“ハービー”の影響を受け米8月新車販売台数が芳しくなかったように、前月に続き自動車が弱い。自動車を除いた場合は0.2%増と2ヵ月連続で増加したものの、市場予想の0.5%増に届かず3ヵ月ぶりに減少に転じた。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.2%減となり、前月から減少に転じた。

小売売上高、前年比では小売売上高のコントロールはレンジ内。
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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中で8項目がプラスとなり前月の9項目から減少した。今回はアマゾンのプライム会員向け大型セール、プライム・デーで押し上げられた7月の反動で無店舗が落ち込んだ。また、自動車も大きく減少に傾いている。一方でガソリン価格の上昇を背景にガソリン・スタンドが大幅に増加したほか家具、雑貨、外食が増加に転じた。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・ガソリン・スタンド→2.5%増>前月は0.7%減、6ヵ月平均は0.7%減
・雑貨→1.4%増<前月は1.6%減、6ヵ月平均は0.1%増
・家具→0.4%増>前月は0.5%減、6ヵ月平均は0.4%増

・食品/飲料→0.3%増>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.1%増
・外食→0.3%増>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.1%増
・一般小売→0.2%増<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.3%増
(*百貨店は0.1%減<前月は0.9%増、6ヵ月平均は0.1%増)

・ヘルスケア→0.1%増<前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.3%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.1%増>前月は0.3%減、6ヵ月平均は0.5%減

(マイナス項目)
・建築材/園芸→0.5%減<前月は0.9%増、6ヵ月平均は0.2%減
・電気製品→0.7%減<前月は1.0%減、6ヵ月平均は±0%
・服飾→1.0%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.4%増

・非店舗(オンライン含む)→1.1%減<前月は1.8%増、6ヵ月平均は0.5%増
・自動車/部品→1.6%減<前月は±0%、6ヵ月平均は±0%

小売売上高、主な項目別では以下の通り。
(作成:My Big Apple NY)

▽米9月NAHB住宅市場指数、2016年11月以来の水準へ戻す

米9月NAHB住宅市場指数は64となり、市場予想並びに4ヵ月ぶりの高水準だった前月の67を下回った。2016年11月以来の低水準だった7月のレベルへ戻している。ハリケーン“ハービー”や“イルマ”の影響で低下したとみられる。また米8月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の伸びが鈍化した上、金利低下にブレーキが掛かりつつあり、センチメントの伸びを抑えたようだ。

内訳をみると、一戸建て現況指数が70と3ヵ月ぶりの高水準だった前月の74から低下した。一戸建て見通し指数も73と、2005年6月以来で最高となった前月の77(78から下方修正)から減速。客足の動向を表す見込み客指数は47と前月の48(49から下方修正)を下回り2016年11月以来の低水準で、分岐点割れを維持した。

指数は全体的に下向き。

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(作成:My Big Apple NYが作成)

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のグランガー・マクドナルド会長は、結果を受け「ハリケーンの影響で人材と資源、用地の確保に懸念が強まっている」との見解を寄せた。ロバート・ディエス主席エコノミストは「ハリケーンに直撃された後も、高水準を維持している」と指摘。復興需要の期待もあり、住宅市場は緩やかに拡大するとの予想を維持した。

▽米9月ミシガン大信頼感・速報値、見通し指数が足を引っ張り小幅低下

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は95.3と、市場予想の95を上回った。ただし前月の96.8に届かず。ただし、2016年10月以来の低水準だった7月の93.4を超えたレベルを保つ。ハリケーン“ハービー”や“イルマ”の影響を受けながら、高水準を維持している。内訳をみると、特に現況指数が前月の110.9から113.9へ上昇し、2000年11月以来のレベルに達した。一方で、見通し指数は復興需要が期待されるはずが83.4と前月の87.7から低下した。

原油先物が50ドル乗せを回復する過程で、1年先インフレ見通しは前月まで4ヵ月連続での2.6%を経て2.7%へ上昇した。5~10年先インフレ見通しも2.6%と、前月の2.5%を上回った。インフレ動向に明るさが見えてきたが、一時的か否かが注目される。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「ハリケーン“ハービー”や“イルマ”が経済に負の影響を与えるとの回答は6%に過ぎなかった」と振り返る。さらに「ハリケーンに負の影響を警戒する回答者の間で信頼感指数は80.2、警戒していなかった回答者の間では96.8だった」と乖離を示す。その上で、「所得の増加に加え住宅価格や株価など資産価格が上昇しており、弱い材料を打ち消すだろう」と予想。ハリケーンが与える信頼感指数へのインパクトは、「限定的」との見方を寄せた。なお個人消費の見通しは今回、表明せず。8月速報値では6月の「2.3%増」から「2.4%増」へ上方修正し、1月時点の2.7%増を下回るものの底堅い水準を見込んでいた。

ミシガン大学消費者信頼感、今回は見通し指数が牽引。

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(作成:My Big Apple NY)

――JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、主に米8月小売売上高を受けて米7~9月期GDPに対し「当方の予想値2.25%で維持する」とのコメントを寄せた。従来は予想値2.25%を上回るリスクを警戒していたものの、「個人消費は当初予想の2.1%増から1.8%増」へ下方修正したため。個人消費は米4~6月期の3.6%増から鈍化すること必至です。さらに、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は強含みを維持するものの見通しはさえず、ハリケーン“ハービー”の影響もあり米7~9月期GDPは2期連続での3%成長は夢と消えそうです。

(カバー写真:Simon Fu/Flickr)

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