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米9月ミシガン大信頼感・速報値は横ばい、現況と見通しはミックス

by • September 23, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1851

Michigan Consumer Confidence Flat In September.

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値、米新規失業保険申請件数、米8月景気先行指数をおさらいしていきます。

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は89.8と、市場予想の90.6を下回った。前月と変わらず。2015年6月年以来の高水準となる5月の94.7から後退した上、5ヵ月ぶりの低水準となる。内訳をみると、現況指数が103.5と前月の107.0を下回り2015年10月以来の最低に。見通し指数は逆に前月の78.7から81.1へ上昇した。調査期間中は9月利上げ警戒から米株が下落し米債利回りが上昇するなど、金融引き締め環境に陥っていた。

原油先物が40ドル台で安定推移するなか、1年先のインフレ見通しは2.3%と前月の2.5%を下回り、2010年9月以来の最低を示した。5~10年先は前月に続き、2.5%だった。

現況指数が低下し、見通し指数が上昇する珍しい結果に。

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(作成:My Big Apple NY)

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「インフレ見通しの低下が将来の家計見通しを支援している」と指摘。2016年の個人消費見通しを「2.6%増」、2017年半ばにかけては「2.7%増」とし従来の2.6%増から上方修正した。

・1年先の家計見通し指数 125>前月は119、直近で最低
向上する 35>前月は29
変わらず 52<前月は55
悪化する 10=前月は10

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は80<前月は81
所得の伸びが物価を上回る 20<前月は22
所得の伸び率と物価が同じ 39>前月は36
所得の伸びが物価を下回る 40<前月は41

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 47.6%>前月は46.2%

・1年先のビジネス見通し指数 108>前月は103
向上する 27>前月は22
変わらず 50<前月は54
悪化する 19=前月は19

・1年先の失業率見通し指数 93=前月は93(低下を見込む場合に上昇)
低下する 20=前月は20
変わらず 51=前月は51
上昇する 27>前月は27

・1年先の金利見通し指数 43<前月は54(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 5<前月は6
変わらず 31<前月は40
上昇する 62>前月は52

・1年先のガソリン価格指数 15.8>前月は14.8(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 3<前月は5
変わらず 46<前月は49
上昇する 50>前月は46

・自動車購入指数 133と直近で最低<前月は143
買い時 78=前月は78
分からない 2>前月は1
買い時ではない 20<前月は21

・住宅購入指数 155<前月は159
買い時 74<前月は77
分からない 7>前月は5
買い時ではない 31>前月は28

・主要機器 155<前月は159
買い時 74<前月は77
分からない 7>前月は5
買い時ではない 19>前月は18

――米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通し指数のほか、所得が1年先に拡大するとの回答、1年先のビジネス見通し指数が上昇
2)所得と物価の伸び率を踏まえた1−2年先の家計見通しはて低下
3)1年先のガソリン価格指数は上昇、1年先金利見通し指数は低下し家計支出の裁量余地低下を見込む
4)購入見通し指数は追加利上げ懸念から、住宅をはじめ自動車や主要機器が軒並み低下

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は前月と変わらずだったとはいえ、追加利上げ観測台頭で購入見通しがいかに下振れするかを確認しました。労働市場が堅調な割にアメリカ人の家計は失業率見通しに改善がみられない通り、さほど楽観視していないようです。

▽米新規失業保険申請件数、雇用統計サンプル週に約2ヵ月ぶりの低水準

米新規失業保険申請件数は雇用統計サンプル週にあたる9月17日週に25.2万件と、市場予想の26.1万件を下回った。前週の26.0万件からも減少。7月16日週以来の低水準を示す。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは81週連続で1973年以来の最長だったという。4週平均は25万8500件と5週連続で減少、7月30日週以来の26万件割れを遂げた。1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件が視野に入る。

9月10日週までの継続受給者数は211.3万人と、前週の214.9万人(修正値)を下回った。被保険者に占める失業者の割合は前週まで7週連続で1.6%を経て、過去最低の1.5%に並んだ。

新規失業保険申請件数と継続受給者数、そろって減少。

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(作成:My Big Apple NY)

9月10日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・バージニア 1051人増
・オクラホマ 434人増
・ウィスコンシン 268人増
・ウェストバージニア 178人増
・ミネソタ 93人増

(減少が顕著だった州)
・カリフォルニア 4627人減
・イリノイ 4389人減
・ペンシルベニア 2810人減
・テキサス 2635人減
・ニューヨーク 1730人減

▽米8月景気先行指数、3ヵ月ぶりにマイナス転落

米8月景気先行指数は前月比0.2%低下の124.1となり、市場予想の±0%を下回った。前月の0.5%の上昇(0.4%から上方修正)に届かず、3ヵ月ぶりにマイナスへ転落している。一致指数は0.1%上昇の114.1と、前月の0.3%の上昇を含め3ヵ月連続でプラス。遅行指数は0.2%上昇の122.1と、前月通りの伸びを示した。

発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「景気先行指数は下振れしたものの、経済トレンドは引き続きゆるやかな拡大を示す」と振り返る。とはいえ金融関連の上昇をその他の指数が低下し相殺していると指摘し、「労働市場の弱含みは成長へのリスクを指している可能性がある」と付け加え、楽観姿勢を後退させた。

(カバー写真 : yooperann/Flickr)

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