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米10月マークイット製造業PMI速報値、1年ぶりの水準へ上昇

by • October 25, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1966

Does Markit PMI Really Suggest Manufacturing Activity’s Comeback?

米10月マークイット製造業PMI速報値は市場予想の51.5を超え、53.2だった。前月の51.5も上回り、しかし、3ヵ月ぶりの低水準で変わらず。金融危機以前の平均値54.1への回復が、ちょうど1年ぶりの高水準となる。特に新規受注と生産が1年ぶりの水準へ上昇したほか、仕入れ価格も約2年ぶり高い伸びを示した。

クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「製造業活動は年初からの停滞から脱却の兆しをみせ、足場を固めた」と振り返る。新規受注と生産が1年ぶりの水準を回復した点については、米大統領選後に「需要が改善するとの楽観度が広がった」と指摘。在庫の積み増しが期待でき、「10~12月期に成長を押し上げる」可能性に言及する。しかし慎重寄りなエコノミストなだけに「ドル高の向い風を受け輸出受注が弱かったほか、雇用も下振れするなど失望要因」とし、米大統領選前では労働コストを引き上げられない自状況と付け加えることを忘れなかった。

マークイット製造業PMI・速報値、予想外の1年ぶり高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

――NY連銀フィラデルフィア連銀が発表した製造業景況指数は前月を下回った動きと正反対で、マークイットPMI速報値はドル高にも関わらず製造業活動の改善のサインを点灯させました。米9月鉱工業生産も上昇に転じつつ、稼働率は低下するなど方向性が明確に現れていません。クリントン候補の勝利を先取りするとともに政策透明性が払しょくされてセンチメントが上昇しただけであれば、このまま高止まりするかは微妙な情勢。また複合大手ゼネラル・エレクトリックが7~9月期決算で売上見通しを従来の2~4%増から0~2%増へ引き下げ、資本財機器メーカーのキャタピラーの7~9月期売上高は18%減と、6~8月期の17%減から下げ幅を広げています。石油リグ稼働数は7月から増加トレンドをたどるとはいえ、中国の鉄鋼過剰生産や成長減速の実態は変わらず、製造業の復活を期待するのは時期尚早と言えるのではないでしょうか。

(カバー写真:Maurizio Pesce/Flickr)

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