Private Payrolls Shows Smallest Gain In 6 Months.
米10月ADP全国雇用者数とMBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
米10月ADP全国雇用者数は前月比14.7万人増となり、市場予想の16.5万人増を下回った。前月の20.2人増(15.4万人増から上方修正)にも届かず、6ヵ月ぶりの低水準。2015年の平均値20.9万人増からも距離を開けつつ、2010年2月以来の増加トレンドは維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、ホリデー商戦の臨時雇用の影響見せず。
内訳は、以下の通り。
▽業種別
サービス業 16.5万人増<前月は17.4万人増、6ヵ月平均は17.8万人増
(米9月ISM非製造業景況指数の雇用は57.2と前月の50.7を超え2015年10月以来の高水準)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 6.9万人増>前月は5.8万人増、6ヵ月平均は5.3万人増
・貿易/輸送/公益 1.7万人増>前月は1.1万人増、6ヵ月平均は3.4万人増
・金融 1.8万人増>前月は1.6万人増、6ヵ月平均は1.5万人増
財生産業 1.8万人減<前月は2.8万人増、6ヵ月平均は0.8万人減
(米10月ISM製造業景況指数の雇用は52.9と、前月の49.7から改善)
・建設 1.5万人減<前月は2.7万人増、6ヵ月平均は0.1万人減
・製造業 0.2万人減<前月は0.1万人減、6ヵ月平均は0.6万人減
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「雇用の伸びは力強さを維持するとはいえ、特殊技能職を中心とした求人が埋められず鈍化した」と説明する。とはいえ「建設や教育、鉱業で弱い」と指摘。雇用増加ペースが頭打ちとなりつつある可能性を点灯させた。
――米10月ADP全国雇用者数は、ホリデー商戦前の臨時雇用で膨らんでもおかしくはなかったものの逆に6ヵ月ぶり低水準でした。たちなみに、2011年以降の景気回復サイクルで10月のADP全国雇用者数平均は17.4万人増、2015年は18.5万人増でしたから勢いに乏しい。今回の数字から統計手法を変更しているため連続性はないものの、米9月チャレンジャー人員削減予定数で確認できた堅調な臨時雇用環境とも乖離しており、米10月雇用統計が再び伸び悩む気配が漂います。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利高止まりで新規が落ち込む
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、10月28日週に前週比2.1%低下した。前週を含め、2週連続で低下。借換が2.0%低下し4週連続で低下しただけでなく、新規も0.4%低下し前週から反落した。
――米9月新築住宅販売件数や比較的手頃な米9月中古住宅販売件数が底堅さを示すとはいえ、2015年12月の利上げを経て販売ペースが頭打ちになっています。在庫ひっ迫が問題視されるほか、足元の金利上昇も足かせとなり、駆け込み需要すら鈍っているのでしょう。特に米大統領選の行方が分からないなかで、住宅購入意欲が薄れても致し方ありません。
(カバー写真:Donald Lee Pardue/Flickr)
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