ISM Service Index Falls From One-Year High.
米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した10月の景況感指数をおさらいしていきます。
米10月ISM非製造業景況指数は54.8となり、市場予想の56を下回った。1年ぶりの高水準だった前月の57.1から、鈍化している。ただし、2010年2月以来の低水準だった9月の51.4ほどは悪化していない。米10月ISM製造業景況指数が3ヵ月ぶりの水準を回復したものの、サービス業は楽観度が交代している。米9月小売売上高など悪くない数字が並んだものの、米大統領選を控えクリントン候補のeメール問題再燃やトランプ候補が勝利する可能性をにらみセンチメントを下振れさせたようだ。
内訳をみると、ビジネス活動や新規受注、在庫、新規輸出受注が前月以下にとどまったほか、雇用は特に4ポイントも低下し下振れが目立つ。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 57.7<前月は60.3と2015年10月以来の高水準、6ヵ月平均は57.3
・新規受注 57.7<前月は60.0、6ヵ月平均は57.3
・雇用 53.1<前月は57.2と2015年10月以来の高水準、6ヵ月平均は52.5
・新規輸出受注 55.5<前月は56.5、6ヵ月平均は52.7
・在庫変化 52.0>前月は51.5、6ヵ月平均は52.5
・仕入れ価格 56.5>前月は54.0、6ヵ月平均は54.2
▽米10月マークイット製造業PMI確報値、約1年ぶりの高水準
米10月マークイット製造業PMI確報値は54.8と、市場予想と速報値に並んだ。ただし、2015年11月以来の高水準だった前月の52.3からは上昇。2015年12月以来の高水準だった。
クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「前月からの上昇幅は約1年ぶりで、特に新規受注が急伸した」と振り返る。ただし米大統領選前に「企業は慎重姿勢を維持している」と指摘。雇用の伸びが芳しくなく、米10月雇用統計・非農業部門就労者数の予想を「13.0万人増」にとどめた。次回の米利上げは、引き続き「12月」を見込む。
ISMとマークイット、数字は並ぶもISMは鈍化しマークイットは上昇。
――10月はISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMI確報値は、反比例しました。ただし、雇用をめぐっては共に振るわず米10月雇用統計・NFPには黄信号が点灯した格好です。米10月ADP全国雇用者数も鈍化しており、ホリデー商戦の臨時雇用が押し上げるかは疑問が残ります。
(カバー写真:ngader/Flickr)
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