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米10月ISM製造業景況指数、3ヵ月連続で分岐点割れも改善の兆し

by • November 6, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1462

ISM Manufacturing Index Contracts 3-Month In A Row, But Shows Signs Of Improvement.

10月のISM製造業景況指数、マークイット製造業PMI確報値、米9月建設支出をおさらいしていきます。

米10月ISM製造業景況指数はと48.3と、市場予想の48.9を下回った。2009年6月以来の低水準だった前月の47.8は上回ったが、3ヵ月連続で分岐点の50を割り込んでいる。10月10~11日開催の米中閣僚貿易協議会議開催で第1段階の合意に達したものの、GMのストライキの影響が残るなかで、センチメントの改善は小幅にとどまった。

ISM製造業景況指数、2009年6月以来の水準へ下振れした前月から小幅改善。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、新規受注をはじめ生産、新規輸出受注が2009年以来の低水準だったほか、雇用や仕入れ価格もそろって弱い。詳細は、以下の通り。

・生産 46.2、2009年7月以来の低水準<前月は47.3、6ヵ月平均は49.9
・新規受注 49.1>前月は47.2と2009年4月以来の低水準、6ヵ月平均は49.5
・雇用 47.7>前月は46.3と2016年1月以来の低水準、6ヵ月平均は50.2

・在庫 48.9>前月は46.9と2016年12月以来の低水準、6ヵ月平均は49.2
・新規輸出受注 50.4>前月は41.0と2009年3月以来の低水準、6ヵ月平均は47.4
・仕入れ価格 45.5、3ヵ月ぶりの低水準<前月は49.7、6ヵ月平均は48.7

・入荷遅延 51.1<前月は51.4、6ヵ月平均は51.3
・受注残 45.1<前月は46.3、6ヵ月平均は45.5

ISMのティモシー・フィオーレ会長は、結果を受け「回答者のコメントは前月からの改善を反映したが、センチメントは楽観的というより慎重寄り」と振り返った。また、仕入れ価格が5ヵ月連続で低下したことに対しては「サプライチェーンが需要とマッチしているほか、企業が入手した素材を適切な期間に消費できている状況を表す」と分析。引き続き、貿易動向は「各産業にわたって大きな問題であり、飲料・タバコが最も堅調な業種である一方、輸送機器が最も弱いセクターとなっている」と説明した。今回、18業種別でビジネス拡大を報告したのは前月の3業種から5業種へ増えた。縮小を報告した業種は13と前月の15を下回った。縮小したセクターは、6月からの流れを受け継ぎ服飾・革製品、組立金属、紙製品の3業種に加え、7~9月と同じく輸送機器と電気機器、8~9月に続きプラスチック・ゴム製品、9月に続き石油・石炭製品、機械、繊維、電気機器の4業種、さらに今回は化学製品、電気機器、機器・部品、その他製造業が並んだ。

▽米10月IHSマークイット製造業PMI・確報値、10年ぶり低水準から改善

米10月IHSマークイット製造業PMI確報値は51.3と、市場予想と速報値の51.5を下回った。もっとも、前月の51.0を上回り、6ヵ月ぶりの水準を回復している。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「暫定的ながら、製造業活動に明るさが見え、生産は3ヵ月連続で上昇し、新規受注も6ヵ月ぶりの水準へ改善した」とコメントした。明るい兆候を受け「設備投資の需要が上向く期待をもたらす」とも指摘。ただ、回答者は引き続き追加関税措置や自動車販売の不振などをめぐり、懸念を表明したという。

世界全体も製造業活動は底打ちの兆しをみせ、米中貿易協議で第1弾の合意が署名されれば、一段の改善も?

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(作成:My Big Apple NY)

▽米9月建設支出、住宅が支え改善

米9月建設支出は前月比0.5%増の年率1兆2,936億ドルとなり、市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.3%減(0.1%増から下方修正)を打ち消している。建設支出の前年比は2.0%減と、11ヵ月連続で減少した。米7~9月期実質GDP成長率の構築物投資と合わせて、建設部門の不振ぶりを表している。

内訳をみると、住宅が0.6%増と3ヵ月連続で増加した。非住宅も0.5%増と増加に転じている。ただし、前年比では住宅が3.5%減と13ヵ月連続で減少。非住宅は0.9%減と、2018年1月以来の減少に転じた。

民間は前月比0.2%増となり、前月の0.3%減から改善した。住宅が0.6%増と3ヵ月連続で増加した半面、非住宅は0.3%減と3ヵ月連続で落ち込んだ。過去6ヵ月間で、5回目の減少となる。公共は1.5%増と、前月の0.6%減から増加に転じた。住宅が0.7%減と前月の7.9%増から減少に転じたほか、非住宅も1.5%増と前月の0.6%減から増加に転じた。

建設支出、2018年以降は足踏み状態。

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前年比では住宅が低金利を追い風に改善継続、非住宅は下振れ。

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(作成:My Big Apple NY)

(カバー写真:Jeanne Menjoulet/Flickr)

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