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米新規失業保険申請件数、健全な労働市場を確認

by • December 16, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1890

Jobless Claims Keep Scoring Healthy Numbers.

米新規失業保険申請件数、MBA住宅ローン申請件数指数、米7~9月期経常収支をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は12月10日週に25.4件と、市場予想の25.5万件を上回った。前週の25.8万件から減少し、足元のレンジ下限を維持している。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは93週連続と1970年以来で最長だという。4週平均は25万7,550件と、前週の25万2,500件から増加し約1ヵ月ぶりの高水準だった。

12月3日週までの継続受給者数は201.8万人と前週の200.7万人(修正値)を上回ったとはいえ、2000年以来の200万人割れを示した11月5日週に近い水準を保った。被保険者に占める失業者の割合は4週連続で1.5%となり、過去最低をつけた11月5日週の1.4%を上回った水準を保つ。

米新規失業保険申請件数、4週平均は増加したとはいえレンジ下限。
jobless
(作成:My Big Apple NY)

12月3日週の州別動向は、以下の通り。建設、ヘルスケア、社会福祉、製造業で目立つ。

(増加が顕著だった州)
・ニューヨーク 1万5066人増
・ペンシルベニア 1万1,873人増
・カリフォルニア 1万1,480人増
・テキサス 9,317人増
・ジョージア 5,687人像

(減少が顕著だった州)
・バーモント 202人減

――米新規失業保険申請件数は12月3日週に大都市を抱える州で軒並み大幅増加を示しましたが、これはNYとペンシルベニアで建設や輸送・倉庫、宿泊・外食、廃棄処理・改修が押し上げています。カリフォルニアでは農業・林業・漁業が敗因。ただし、12月9日週では一連の州で改善していたため、労働市場のトレンドが変化したというよりは季節的な要因が影響した可能性があります。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利上昇で需要冷え込み

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、12月9日週に前週比4.0%低下した。過去5週間で4回目の低下を示す。借換が3.6%低下しマイナス基調をたどるほか、新規も3.3%低下し前週から反落した。住宅ローン申請件数指数は前年比では6.1%の低下を示し、借換も11.7%のマイナス。新規のみ2.4%とプラスを確保する状況だ。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.28%と、4.27%を超え前年同期の4.14%も上回った。15年固定金利型(平均)は3.52%と、前週の3.53%から低下。FHAのローン金利は、前週の4.00%から4.02%へ上昇した。

――12月FOMCを経て、米10年債利回りは2014年の水準まで跳ね上がっています。駆け込み需要で支えられてきた新規にも陰りが見え、米12月NAHB住宅市場指数の上振れに反し住宅の需要の高まりは感じられず。トランプ・ユーフォリアで信頼感こそ快進撃を続けますが、果たしてファンダメンタルズが伴うか試されます。

▽米7~9月期経常収支、貿易収支の改善が寄与し赤字縮小

米7~9月期経常収支は1,130億ドルの赤字となり、前期の1,183億ドルの赤字(修正値)も下回った。2015年4~6月期以来の改善を示す。大豆輸出の急増など食品関連が劇的な改善を支えた結果、貿易黒字が1,164億ドルと直近で減少し全体に寄与。逆に一次所得収支(対外金融債権、債務から発生する利子、配当などの収支状況)は434億ドルの黒字と、前期の442億ドルを下回った。4~6月期の経常赤字は国内総生産(GDP)比2.4%となり、前期の2.6%から改善した。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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