Durable Goods Orders Keep Delivering Good News To Q4 Growth.
米11月耐久財受注、米12月カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。
米11月耐久財受注は前月比4.6%減となり、市場予想の4.8%増を上回った。約1年前の高水準だった前月の4.8%(4.6%増から上方修正)の増加分を打ち消し、5ヵ月連続で減少し1年ぶりの高い伸びとなる。
輸送用機器が13.6%減となり、前月の12.2%増(修正値)から転じ5ヵ月ぶりに減少した。民間航空機が足を引っ張り、自動車は逆に増加に反転している。防衛財は29.1%増と前月の1.9%減から増加に転じ、7~8月以来の2桁増を示した。
・民間航空機 73.5%減<前月は94.6%増、6ヵ月平均は6.8%減
・自動車 0.8%増>前月は1.1%減、6ヵ月平均は0.6%増
輸送用機器を除く場合は1.0%増となり、市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)も超え、過去6ヵ月間で3回目の増加となる。
コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.9%増と、市場予想の0.4%増を超えた。前月の0.2%増を上回り、過去6ヵ月間で5回目の増加を示す。内訳をみると、米10月鉱工業生産とは裏腹に製造業を中心に全般に堅調だった。
(増加項目)
・一次金属 2.3%増>前月は0.7%増、6ヵ月平均は0.7%増
・機械 1.3%増>前月は0.4%減、6ヵ月平均は0.5%増
・電気機器 0.6%増<前月は1.1%減、6ヵ月平均は0.6%増
・コンピューター/電子機器 0.4%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は±0%
(減少項目)
・組み立て金属 0.9%減<前月は2.9%増、6ヵ月平均は0.5%増
耐久財出荷は前月比0.1%増となり、前月の0.1%減(修正値)から転じ3ヵ月ぶりに減少した。過去6ヵ月間で3回目の増加となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.2%増となり、市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.3%減(0.1%減から下方修正)を超え、過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。
コア資本財、前年比では減少を継続も輸送を除いた耐久財受注はプラスに。
耐久財在庫は0.1%増となり、前月と変わらず。在庫と出荷の増加率が等しく、在庫相当は前月に続き1.64ヵ月だった。
▽米12月カンザスシティ連銀製造業景況指数、原油急落前の水準を回復
米12月カンザスシティ連銀製造業景況指数は11となり、市場予想の4を上回った。前月の1から加速し、原油先物相場が崩れる以前にあたる2014年5月以来の高水準。内訳をみると生産が2011年3月以来の水準へ飛躍したほか、雇用も2014年5月以来の水準を回復した。
――米11月耐久財受注はコア資本財がそろって増加し、米7~9月期GDP確報値にて5期連続で減少していた機器投資が回復する兆しが現れました。耐久財在庫も小幅ながら増加しており、在庫投資も順調に増加する公算。米10~12月期GDPは、大豆の輸出が大きく押し上げた効果が剥落しても2%付近が着地点となるでしょう。
(カバー写真:Vincent Parsons/Flickr)
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