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米9月耐久財受注は2ヵ月連続で増加も、コア資本財に減速の兆し

by • October 26, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1816

Capital Goods Orders Decline 2-Month In A Row.

米8月耐久財受注は前月比0.8%増となり、市場予想の1.5%減を上回った。前月の4.6%増(4.4%増から上方修正)を含め、2ヵ月連続で増加した。

内訳をみると、ヘッドラインが示すほど明るい内容ではない。輸送用機器を除く耐久財は0.1%増と、市場予想の0.4%増を下回った。前月の0.3%増(±0%から上方修正)を含め、8ヵ月連続で増加している。輸送用機器は1.9%増と、前月の13.2%増(修正値)を含め、2ヵ月連続で増加。輸送機器のうち、振れの大きい民間航空機が17.5%減と前月(63.7%増、修正値)から減少に転じたものの、その他の輸送機器が支えている。米9月新車販売台数が3ヵ月ぶりに年率で1,700万台を回復した通り、自動車が1.3%増と前月の0.6%減から増加に転じた。その他、防衛財は14.3%減と、前月の48.9%増(修正値)から減少に転じた。

企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.1%減と、市場予想の0.5%増に反し減少した。前月の0.2%減(0.9%減から下方修正)を含め、2ヵ月連続で減少している。2ヵ月連続での減少は、2015年10~12月以来となる。内訳をみると、電気機器は0.5%減と前月の増加分をほぼ打ち消し、全体の足を引っ張った。鉄鋼・アルミ関税の影響が及ぶと考えられる組み立て金属は0.7%減と前月の増加分をほぼ相殺した半面、一次金属は0.1%増と前月の1.3%増を含め2ヵ月連続で増加している。コンピューター・電子機器は±0%と6ヵ月ぶりに減少した前月から改善がみられず。一方で、機械が0.8%増と6ヵ月連続で増加した。

耐久財出荷は前月比1.3%増となり、前月の0.9%減(修正値)を含め2ヵ月連続で増加した。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は±0%と、市場予想の0.5%増に届かず。前月の±0%(0.2%減から上方修正)を含め2ヵ月連続で横ばいとなり、コア資本財の増加基調にブレーキが掛かった可能性を示唆する。

前年比では、コア資本財の受注が0.9%増と2017年3月に増加基調に入ってから最も低い伸びに、コア資本財の出荷も2017年4月以来の低い伸びにとどまる。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.7%増となり、前月の0.2%減を上回った。出荷の伸びが在庫を上回ったものの、在庫相当は1.60ヵ月と前月の1.61ヵ月から短縮した。

――耐久財受注の結果を受け、アトランタ地区連銀は米7~9月期実質GDP予測値を従来の3.9%増から3.6%増へ下方修正してきました。一方で、NY地区連銀の予測では2.1%増となっています。あと数時間で公表される気になる結果は、どちらに近い数字になるのか。何より、米株相場への影響も気掛かりです。個人消費と両輪で成長を牽引するはずだった企業の設備投資が減速すれば、業績不安に追い打ちを掛けること必至。米9月鉱工業生産は堅調でしたが、耐久財受注の弱さが一時的であることを示すのか、見極めたいところです。

(カバー写真:astrid westvang/Flickr)

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