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米9月鉱工業生産、引き続き堅調な設備投資を示唆

by • October 17, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1798

Capital Expenditure Should Be Alright : Industrial Production Rises More Than Expected.

米9月鉱工業生産と米10月NAHB住宅市場指数をおさらいしていきます。

米9月鉱工業生産指数は前月比0.3%上昇し、市場予想の0.2%を上回った。前月の0.4%を含め、年初来で7回目のプラスを示す。前年比では5.1%の上昇となり、2月から続く3%超えの高い伸びを維持しただけでなく、2010年12月以来の高水準だった。

稼働率は78.1%と前月に続き、2015年3月以来の78%台を回復した4月の78.2%に次ぐ水準となる。ただし、市場予想の78.2%には届かなかった。今後、法人税率引き下げや設備投資の全額控除、レパトリの効果で、稼働率がリセッション前の80%台を回復できるか注目だ。

鉱工業生産の前年比は2010年12月以来の高水準、設備稼働率は原油安で低下した分を巻き戻す展開。

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(出所:My Big Apple NY)

内訳をみると、製造業(全体の75.5%)は4ヵ月連続で上昇した。自動車を除く製造業(69.9%)は上昇に反転。公益(全体の10.4%)は横ばいにとどまる。原油価格が再び70ドル台に乗せるなか、鉱業(全体の14.2%)は上昇基調を保つ。

■製造業 0.2%の上昇<前月は0.3%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇
▽耐久財
・自動車を除く製造業 0.1%の上昇>前月は0.1%の低下、6ヵ月平均は±0%の上昇
・自動車 1.7%の上昇<前月は4.3%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇
・一次金属 1.1%の上昇>前月は2.1%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇

・組立金属 0.1%の上昇<前月は0.5%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇
・機械 0.9%の上昇<前月は1.9%の上昇、6ヵ月平均は0.9%の上昇
・コンピューター/電子部品 0.5%の上昇>前月は0.3%の低下、6ヵ月平均は0.5%の上昇

・航空機 1.0%>前月は0.2%の上昇、6ヵ月平均は0.6%の上昇
・電気機器 0.4%の低下<前月は±0%、6ヵ月平均は0.6%の上昇

▽非耐久財
・服飾 1.7%の低下>前月は2.3%の低下、6ヵ月平均は0.6%の低下
・繊維 1.8%の低下<前月は0.6%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の低下
・石油製品 0.9%の上昇>前月は0.3%の上昇、6ヵ月平均は0.3%の上昇
・化学品 0.4%の低下<前月は±0%、6ヵ月平均は0.4%の上昇

■公益 ±0%<前月は1.1%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の上昇
・電力 0.2%の低下<前月は0.9%の上昇、6ヵ月平均は0.6%の上昇
・天然ガス 1.2%の上昇<前月は2.2%の低下、6ヵ月平均は0.6%の上昇

■鉱業 0.5%の上昇>前月は0.4%の上昇、6ヵ月平均は0.9%の上昇

――企業の設備投資は堅調な流れを維持し、設備稼働率も78%台を維持してきました。と鉱業も共に上昇。先日発表された米9月小売売上高も順調そのもので、米7~9月期成長率は少なくとも3%成長を達成する公算です。

▽米10月NAHB住宅市場指数、約1年ぶりの低水準から小幅改善

米10月NAHB住宅市場指数は68となり、市場予想の66並びに前月の67を上回った。2ヵ月連続での2017年9月以来の低水準から回復。ただ、1月につけた1999年7月以来の高水準である72以下が続く。内訳をみると、一戸建て現況指数は74と2017年9月以来の低水準となった8~9月の73(修正値)を上回った一戸建て見通し指数も75と前月の74を上回り、4ヵ月ぶりの高水準。客足の動向を表す見込み客指数のみ53と、約1年ぶりとなる2017年10月以来の分岐点割れを示した8~9月から改善した。

NAHB住宅市場指数、約1年ぶりの低水準から小幅改善。

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(作成:My Big Apple NYが作成)

地域別では、全て上昇し前月の1地域から増えた。10月10日にハリケーン「マイケル」が上陸したフロリダ州などを中心に被災地での需要が見込まれたようだ。また、建設資材価格の頭打ちも好材料となり、10月初めに米債利回りが上昇局面でも、センチメントを支えた。特に北東部が64と前月から4ポイントも上向き、過去1年間で最高だった。南部は71、中西部は58と、それぞれ前月から2ポイント上昇。西部は75と、4ヵ月ぶりの高水準だった。

建設資材価格は、対中追加関税措置が2,000億ドル相当に広がるなかでも2ヵ月連続で鈍化。

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(作成:My Big Apple NY)

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のランディ・ノエル会長は、高成長と労働市場の力強さが「住宅購入のインセンティブになる」と楽観的な見通しを示した。ロバート・ディエス首席エコノミストは、結果を受け「好調な経済動向と人口動態の追い風が需要を支える見通しだが、足元の値上がりと金利動向を背景に値ごろ感が課題となる」と振り返った。

(カバー写真:U.S. Pacific Fleet/Flickr)

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