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米新規失業保険申請件数、2017年はレンジ下限で開幕

by • January 13, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1559

Jobless Claims Still At Historical Lows To Start Year.

米新規失業保険申請件数、米12月輸入物価指数、米12月財政収支をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は1月7日週に24.7万件と、市場予想の25.5万件を下回った。1973以来の水準へ急減した前週の23.7万件(23.5万件)を超えたとはいえ、直近のレンジ下限で2017年をスタートさせている。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは97週連続と1970年以来で最長だという。4週平均は25万6,500件と前週の25万8,250件を下回り、約1ヵ月ぶりの水準へ減少した。

2016年12月31日週までの継続受給者数は208.7万人と前週の211.6万人(修正値)を下回り、こちらも約1ヵ月ぶりの水準へ減少した。被保険者に占める失業者の割合は8週連続で1.5%となり、過去最低をつけた2016年11月5日週の1.4%を上回った水準を保つ。

米新規失業保険申請件数は増加も、4週平均は減少。

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(作成:My Big Apple NY)

2016年12月31日週の州別動向は、以下の通り。リストラが目立った職種はホリデー商戦の終了を背景に輸送/倉庫、宿泊/外食、そのほか製造業や教育が並んだ。半面、減少が目立ったカリフォルニア州ではサービス業での申請件数が改善を牽引したという。

(増加が顕著だった州)
・ニュージャージー 8,222人増(前週は2,588人増)
・ペンシルベニア 4,448人増
・ミシガン 3,964人増(前週は659人減)
・コネチカット 3,304人増
・マサチューセッツ 3,020人増

(減少が顕著だった州)
・カリフォルニア 1万4,836人減(前週は2,557人増)
・イリノイ 2,347人減(前週は2,915人減)
・テキサス 2,005人減(前週は1,875人減)
・ワシントン 1,308人減
・カンザス 1,040人減

――米新規失業保険申請件数は1月7日週もレンジ下限にとどまり、労働市場が引き続き健全である様子が伺えます。ただし百貨店メイシーズに続き、小売最大手ウォルマートがコーポレート部門で1,000人の削減を発表するなど、小売関連ではレイオフのニュースが相次ぐ状況。旗艦店が苦杯を喫するなかで、オンライン小売最大手アマゾンは向こう1年半でソフトウェア開発者から倉庫管理者まで幅広く10万人を雇用し、従業員数を現在の18万人から28万人へ拡大すると、明暗を分けています。

トランプ次期政権発足を前に自動車メーカーは雇用計画が次々に表明し、順調に進めば雇用が増加する期待が大きい。失業率が12月に4.7%と完全雇用に近い状況で雇用が確保できるのか、あるいは非労働力でも「今働きたい」と就職を希望する人々を労働市場にカムバックさせるのか、注目です。

▽米12月輸入物価、ドル高が影響し前月比は予想以下

米12月輸入物価指数は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.7%には届かなかった。とはいえ、3ヵ月ぶりのマイナスに落ち込んだ前月の0.2%の低下(0.3%の低下から上方修正)から転じている。原油先物が50ドル台を超える過程で、石油が7.9%上昇し全体を押し上げた。ただし、食品・飲料が1.4%低下。結果、燃料と食品を除く輸入物価指数は0.1%低下し4ヵ月連続でマイナスに落ち込んでいる。そのほか産業材の上昇が目立つも、他は下振れしドル高の影響が見て取れる。以下は項目別動向。

・エネルギー 7.9%の上昇>前月は3.0の低下
・食品/飲料 1.4%の低下<前月は1.3%の上昇
・産業財 3.2%の上昇>前月は0.9%の低下
・資本財 0.2%の低下、3ヵ月ぶりにマイナス<前月は0.2%の上昇
・自動車 0.1%の低下、2ヵ月連続で低下=前月は0.1%の低下
・消費財 0.3%の低下、2ヵ月連続で低下=前月は0.3%の低下

輸入物価は前年比で1.8%上昇し、市場予想と一致した。2014年7月に突入した低下トレンドを打破した前月の0.1%の上昇(0.1%の低下から上方修正)を含め2ヵ月連続でプラスを示しただけでなく、2012年2月以来で最大となった。

▽米12月財政赤字、カレンダー要因で大幅増加も年度初来では縮小

米12月財政収支は275.16億ドルの赤字となり、市場予想の260億ドルの赤字より拡大した。前年同月の144.44億ドルの赤字からは、カレンダー要因を背景に90.5%増加。歳入が8.3%減の3192.78.04 億ドル減少した一方、歳出が4.8%減の3467.20億ドルと減少幅が小幅にとどまった。

2017年度(2016年10月~2017年9月)の年度初来の財政赤字は、前年同期比3.4%減の2083.59億ドルだった。ただし、米議会予算局(CBO)の予想値である2070億ドルの赤字を超えた。CBOが2106年8月に発表した2017年度の財政赤字予想は、5940億ドルとなる。

2016年度の財政赤字は9%減の5870億ドルと、2013年以来で最大を記録した。前年比ででは、2009年度以来の増加を示す。GDP比では3.1%と過去40年平均に並んだが、2015年度のGDP比2.6%からは上昇した。2016年度は2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認。裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字が拡大した。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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