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米2月消費者信頼感指数、新政権発足後に2001年以来の高水準

by • March 1, 2017 • FinanceComments Off1552

Consumer Confidence Jumps To Highest Level Since 2001.

米2月消費者信頼感指数、米12月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米2月シカゴ購買部協会景気指数をおさらいしていきます。

米2月消費者信頼感指数は114.8となり、市場予想の111を上回った。前月の111.6(111.8から下方修正)を超え、2001年7月以来の高水準を達成している。内訳をみると、現況指数が133.4と前月の130.0(129.7から上方修正)を上回り、2007年8月の水準へ上向いた。見通し指数も102.4と前月の99.3(99.8から下方修正)を超えたが、2003年12月以来の水準へ上振れした2016年12月の106.4には届いていない。2月はトランプ米大統領が「驚くべき」税制改革を行うと発言、米1月雇用統計も就労者数の伸びが力強く、ダウは11日続伸を達成しセンチメントの上昇を促した。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果に対し「消費者は前月より足元のビジネス動向と労働市場を好感し、見通し指数も短期的に改善した」と振り返った。その上で、「数ヵ月先は経済活動が拡大する」との見通しを維持している。

消費者信頼感指数、2001年7月以来の水準へ到達。

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(作成:カンファレンス・ボードよりMy Big Apple NY)

今回は現状の労働市場に対し、「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは5.9と前月の6.0(5.9から上方修正)と8ヵ月連続で続きプラス圏を維持した。2007年8月以来の高水準だった2016年11月の6.6を伺う高水準を保つ。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が低下
「良い」28.7%→前月の29.0%から低下、前年同月は26.5%
「悪い」13.2%→前月の15.9%から低下、前年同月は19.0%

労働市場については「豊富」と「困難」が低下、DIは8ヵ月連続でプラス
「職が豊富」26.2%→前月の27.1%から低下、前年同月は22.8%
「あまり職が豊富ではない」53.5%→前月の51.8%から上昇、前年同月は53.6%
「職探しが困難」20.3%→前月の21.1%から低下、前年同月は23.6%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」と「悪化する」が上昇。
「良くなる」24.01%→前月の22.9%から上昇、前年同月は14.5%
「悪化する」11.1%→前月の10.8%から上昇、前年同月は11.6%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が上昇し「減少」が低下、4ヵ月連続で「増加」が「減少」を上回る
「雇用が増加する」20.4%→前月の19.7%から上昇、前年同月は12.2%
「雇用が減少する」13.6%→前月の14.4%から低下、前年同月は17.7%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」が上昇
「増加する」18.3%→前月の18.1%から上昇、前年同月は17.7%
「減少する」8.2%→前月の9.4%から上昇、前年同月は11.6%
「変わらない」73.5%→前月の72.5%から上昇、前年同月は70.7%

購入見通しは、自動車のみ上昇した一方で住宅と主要機器がそれぞれ前月値を下回った(自動車は前月の12.5%→13.1%と4ヵ月ぶりの低水準、住宅は前月の5.6%→5.7%、主要機器は前月の51.9%→47.2%と直近で最低)。

――消費者信頼感指数は再び2001年7月以来で最高水準へ舞い上がり、新政権発足からハネムーンが続きます。その割に購入指数は一向に上振れしませが、6ヵ月先の所得見通しに象徴されるように必ずしも懐が温まると考えていないためかもしれません。また米2月ミシガン大学消費者信頼感・確報値で判明した通り、共和党支持者と民主党支持者での乖離が購入見通しの伸びを抑制している場合もあるでしょう。

▽米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数、値上がりペース加速示す

米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は185.54となり、前月の185.16(185.23から下方修正)を抜け過去最高を更新した。20都市別の季節調整前では前年同月比5.58%上昇の192.61となり、市場予想の5.40%を上回る。指数ベースでは、2007年7月以来の高水準。前月の5.20%(5.27%から下方修正)も超え、3年8ヵ月連続でのプラス圏を保った。季節調整済み・20都市別の前月比は0.93%の上昇と、市場予想の0.70%並びに前月の0.89%(0.88%から上方修正)を超え、2016年3月以来の高い伸びを示した。

20都市別での季節調整済みベース・前月比でトップは、最下位常連だったイリノイ州シカゴで1.47%上昇した。2位はフロリダ州タンパで1.36%、3位にオハイオ州クリーブランドが入り1.09%だった。これまでトップ3の常連だったカリフォルニア州の都市は、圏外へ脱落している。ワースト1位はアリゾナ州フェニックスで0.50%の上昇、同2位はノースカロライナ州シャーロットで0.53%の上昇、3位はカリフォルニア州ロサンゼルスで0.66%の上昇だった。

▽米2月シカゴPMI、2015年1月以来の高水準も雇用は分岐点割れ

米2月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は57.4と、市場予想の53.5を上回った。前月の50.3を超えたが、米大統領選挙直後の2016年11月には57.2と約2年ぶりの高水準を果たしていた。

――シカゴPMIはさておき、各連銀製造業景況指数の動向は以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

米2月ISM製造業景況指数の市場予想はブルームバーグのエコノミスト予想平均で56.2ですが、各連銀製造業景況指数は全て前月から急伸していました。ISMでも、同様の上振れを遂げるか注目です。

(カバー写真:Web Summit/Flickr)

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