March Rate-Hike Is A Go, Now Wall Street Awaits Dot Plot.
3月14日のホワイトデーに米連邦公開市場委員会(FOMC)が幕開けし、15日には声明文をはじめ経済・金利見通しなど今後の占う上での重要なカギが続々と飛び出します。
利上げ確実視されるなか、エコノミストはどこに注目しているのでしょうか?当サイトでお馴染みのあの方々のチェックポイントは、以下の通りです。
●JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミスト
25bpの利上げは織り込み済みで、市場の関心は経済・金利見通しに集まっている。当方は2017年の利上げ予想を3回から4回へ変更、2018年は3回で据え置きを見込むが4回となるリスクにも留意している。2019年は中立的水準と言える3.0%に到達する見通しだ。成長率は2017年につき2.2〜2.3%増、2018年は2.1〜2.2%増へ若干引き上げられるだろう。失業率は変更なしと見込むが、下方修正する可能性も見逃せない。物価については2017年のPCE価格指数の中央値を2.0%、コアPCEを1.9%への引き上げを予想する。2018〜19年は2%を維持すると考えているが、オーバーシュートを想定する参加者が増えるかどうかを見極めることは興味深い。
声明文は、特に物価が目標値2%から下振れしているといった表現が4ヵ所認められるため変更せざるを得ない。FF金利見通しや声明文がタカ派に触れるだけに、イエレンFRB議長は記者会見でハト派寄りの姿勢を強調し、バランスを取るのではないか。バランスシートに関する文言は声明文で変更してこないだろうが、イエレンFRB議長が会見で協議開始に言及してもおかしくない。
2016年12月時点の経済・金利見通し。
●バークレイズのマイケル・ゲイピン米主席エコノミスト
今回、25bpの利上げに踏み切るとともに年内はあと2回行うだろう。2018年は3月、6月、12月の3回を予想する。ただ足元のFed高官の発言を振り返ると、2017〜2018年のFF金利見通しをそれぞれ年3回から4回へ変更する可能性は拭えない。こうした見通しは、FOMC直前の2週間に表明したFed高官の見解によるものだ。直近でみせたFed高官の変化は、米株高をはじめ消費者信頼感や企業信頼感を反映しているのではないか。
FF金利見通し即ちドットチャートは2017年に3回の利上げ、2018年に4回を利上げを示唆し中央値を2.25〜2.5%へ引き上げてくると見込む。この水準を想定するのであれば、再投資の停止を通じたバランスシートの調整に関して協議するのだろう。ただ当方は、2018年末以前に行動に出るとは考えていない。
声明文では、利上げを正当化するような経済見通しの上方修正は必要ないと判断している。ただ成長率予想をめぐっては、Fed高官の一部がトランプ政権の経済政策効果を加味するため2018〜19年のレンジ上限引き上げを見込む。新たに導入するファンチャートは見通し不透明性を示すためのものだが、こうしたチャートが金融政策を理解する一助となるかに疑問を持っている。
——FF先物市場では、やっと3回の利上げ織り込み度が50%を超えてきたところ。それでも、エコノミストは4回利上げへの警戒を隠しません。筆者もバロンズ抄訳後の所感でお届けする通り、ハトからタカへ急変したFedが信じられなくなっています・・。トランプ政権の経済政策を念頭にタカ派寄りへシフトするとは想像していましたが、3月利上げ断行のサインを強く点灯するほどまでに前傾姿勢になるとは。経済・金利見通しもさることながら、イエレンFRB議長の記者会見で米株相場について「割高」発言が飛び出すかにも要注意です。
なお、今回は4月に退任予定のタルーロFRB理事が出席します。最後の意地を見せ据え置き票を投じる可能性がないとは言いきれませんが、タカ派姿勢がトランプ政権への牽制であれば「立つ鳥跡を濁さず」のごとく退場するのでしょう。
(カバー写真:Federalreserve/Flickr)
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