Consumer Sentiment Improves In April.
米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は98.0と、市場予想の96.5並びに前月の96.9を上回った。2000年10月以来の水準を達成した1月の98.5に次ぐレベルとなる。内訳をみると、現況指数が115.2と、市場予想の112.5並びに113.2を超え、2000年5月以来の水準へ上昇。見通し指数は86.9と、市場予想及び前月の86.5を上回った。ただ2004年1月以来の高水準を遂げた1月の90.3を下回る水準を維持している。
原油先物が50ドル割れから大台を回復するなか、1年先インフレ見通しは前月通り2.5%だった。5~10年先インフレ見通しも2.4%と、2016年12月につけた過去最低の2.3%に接近した。
ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「見通し指数は民主党支持層で7%ポイント上昇した一方で、共和党支持者は7%低下した」と指摘。引き続き「両者のかい離は50.5と著しい」ものの、縮小の兆しを見せた。とはいえ、両者のかい離幅はあまりにも大きく、センチメントから経済見通しを導くことは困難との見方を示した。なお個人消費見通しは前回2017年につき2.7%増と予想したものの、今回は触れていない。
ミシガン大学消費者信頼感、現況指数が引き続き牽引。
・1年先の家計見通し指数 131、4ヵ月ぶりの高水準>前月は128
向上する 41、3ヵ月ぶりの高水準>前月は39
変わらず 48>前月は46
悪化する 10、4ヵ月ぶりの低水準<前月は11
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は83、直近で最低<前月は90
所得の伸びが物価を上回る 21、3ヵ月ぶりの低水準>前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 39<前月は43、直近で最高
所得の伸びが物価を下回る 38>前月は33
・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 48.5%、6ヵ月ぶりの低水準<前月は49.2%
・1年先のビジネス見通し指数 122、3ヵ月ぶりの高水準>前月は113
向上する 42、3ヵ月ぶりの高水準>前月は41
変わらず 36、5ヵ月ぶりの高水準>前月は30
悪化する 20、直近で最低<前月は28
・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 111、5ヵ月ぶりの低水準<前月は116
良好 49<前月は53
不透明 4=前月は4
困難 38>前月は37
・1年先の失業率見通し指数 110<前月は111(低下を見込む場合に上昇)
低下する 35<前月は36
変わらず 40>前月は37と直近で最低
上昇する 25=前月は25
・1年先の金利見通し指数 27、直近で最低<前月は31(金利低下を見込む場合指数は上昇)
低下する 6=前月は6
変わらず 15、直近で最低<前月は18
上昇する 79、直近で最高>前月は75
・1年先のガソリン価格 13.4>前月は11、直近で最低(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 4、7ヵ月ぶり低水準<前月は7
変わらず 45<前月は49
上昇する 50>前月は44
・自動車購入指数 152、直近で最高>前月は145
買い時 73、直近で最高>前月は71
分からない 6>前月は5
買い時ではない 21、直近で最低<前月は24
・住宅購入指数 157>前月は150
買い時 73、直近で最高>前月は71
分からない 3、直近で最高>前月は2
買い時ではない 20<前月は24
・主要機器 170、直近で最高>前月は162
買い時 82、直近で最高>前月は78
分からない 6=前月は6
買い時ではない 12、直近で最低<前月は16
――米4月ミシガン大学消費者信頼感指数のポイントは、以下の通りです。
1)1年先の家計見通し指数、1年先のビジネス見通し指数が上昇との回答が速報値から上方修正
2)所得が1年先に拡大する、所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、米国は向こう1年先も良好な状況を継続、1年先の失業率見通し指数などそろって前月から低下
3)購入見通しは自動車と主要機器、住宅など軒並み前月から上昇
4)インフレ見通しは前月と変わらずも、ガソリン価格や1年先の金利見通し指数はインフレ圧力の高まりを示唆
見通し指数が1月につけた高水準に届かないように、金利やガソリン価格の上昇をにらみ家計に関わる見通し指数は低下が目立ちました。その割に、住宅をはじめ購入見通しが軒並み改善しています。直近で金利が低下しているため、「買い時」と考える消費者が増えたのでしょう。実際に自動車や住宅の購入を刺激するか、4月の経済指標が楽しみです。
(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)
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