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米4月NFIB中小企業楽観度、経済見通しとともに4ヵ月連続で低下

by • May 10, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off2252

NFIB Small Business Optimism Declines For 4 Months.

米4月NFIB中小企業楽観度指数は104.5となり、市場予想の104.0を上回った。ただし前月の104.7以下と合わせ、2004年12月以来の高水準だった1月の105.8から低下を続けている。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果に対し「中小企業主は医療保険制度改革(オバマケア)で企業負担が膨らんだヘルスケアの費用を減らすべくホワイトハウスと米議会に解決を望んでいる」と振り返った。その上で「オバマケア撤廃・新制度移行が先送りされた3月24日以降、センチメントは低下している」と指摘。経済見通しの低下など、全体的な低下を促したとの考えを示唆した。

楽観度指数と経済見通し、そろって2004年と2006年以来の高水準から鈍化。
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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は2016年11~17年3月に続き10項目だった。今回は「経済がより良くなる」が2002年3月以来の高水準を達成した2016年12月から4ヵ月続けて低下した。そのほか「設備投資を拡大」、「賃金」も前月を下回る。一方で「求人数」、「事業拡大に良いタイミング」、「売上の拡大を予想」などが前月を上回った。マイナス項目では「在庫満足度」のみ、下げ幅を縮小した。以下は、項目ごとの変化。

「経済がより良くなる」38%<前月は46%、6ヵ月平均は40%
「求人件数」33%>前月は30%、6ヵ月平均は31%
「設備投資を拡大した」27%<前月は29%、6ヵ月平均は27%
「賃金」26%<前月は28%、6ヵ月平均は26%
「事業拡大に良いタイミング」24%>前月は22%、6ヵ月平均は21%

「売上の拡大を予想」20%>前月は18%、6ヵ月平均は23%
「賃上げ見通し」20%>前月は18%、6ヵ月平均は18%
「採用見通し」16%=前月は16%、6ヵ月平均は16%
「販売価格の引き上げ」7%>前月は5%、6ヵ月平均は6%
「在庫を増加させる」3%>前月は2%、6ヵ月平均は3%

「信用状況が緩和する」−4%<前月は−3%、6ヵ月平均は−4%
「在庫満足度」−3%>前月は−5%、6ヵ月平均は−4%
「黒字トレンドにある」−9%=前月は−9%、6ヵ月平均は−13%

ISMの製造業、非製造業とともにNFIBは頭打ちを示す可能性。

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(作成:My Big Apple NY)

――米4月NFIB中小企業楽観度指数はトランプ政権誕生を祝うかのように2016年11月の米大統領選挙後に急伸した後、ピークアウト感は否めず。オバマケア撤廃・代替案移行案はひとまず米下院で通過したものの、マコーネル米上院院内総務が言及するように容易くまとまりそうにありません。トランプ政権が1枚の紙で示した税制改革も、ヘルスケア改革が終了せずには前進する公算にはなく、中小企業のセンチメントは株高だけで支えられなさそうです。

(カバー写真:UN Women/Flickr)

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