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米4~6月期GDP改定値、トランプ政権の目標3%を達成

by • August 31, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off727

U.S. Economy Hits Trump’s 3% Growth Target In Q2.

米4〜6月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.0%増と、市場予想の2.7%増を上回った。速報値の2.6%増から上方修正され、前期の1.2%増(修正値)から大幅改善を果たす。トランプ政権の目標である3%成長を達成したのは、2015年1~3月期以降で初めて。前年同期比で2.2%増と、速報値の2.1%増並びに前期の2.0%増を超え2015年7~9月期以来の高水準を示す。なお2016年通期のGDPは1.5%増で、3年ぶりに2%台を割り込み2011年以来で最低となった。

GDPの7割を占める個人消費は、4~6月期に前期比年率3.3%増と、市場予想の3.0%増を上回った。速報値の2.8%増だけでなく、1年ぶりの低水準だった前期の1.9%増(修正値)も超え、1年ぶりの高水準を達成。GDPの寄与度は2.28%ポイントと、速報値の1.93%ポイント並びに前期の1.32%ポイントを上回った。

▽個人消費の内訳

・耐久財 8.9%増、3期ぶりの高水準>速報値は6.3%増、前期は0.1%減と2011年4~6月期以来のマイナス
・非耐久財 4.3%増、1年ぶりの高水準>速報値は3.8%増、前期は1.1%増
・サービス 2.1%増<速報値は1.9%増、前期は2.5%増

民間投資は上方修正が優勢。項目別では、企業の設備投資の一角を担う構築物投資や機器投資、無形資産などがそろって上方修正された。住宅投資も3期ぶりに減少したとはいえ、下げ幅を縮小。民間投資の寄与度は0.60%ポイントと、速報値の0.34%ポイントを上回った。前期の0.20%のマイナスから、プラスへ転じている。在庫投資の寄与度は0.02%ポイントのプラスに転じ、速報値の0.02%のマイナス、前期のマイナス1.46%ポイントから改善した。

▽民間投資の内訳

・民間投資 3.6%増>速報値は2.0%増、前期は1.2%減と3期ぶりに減少
・固定投資 3.6%増>速報値は2.2%増、前期は8.1%増
・非住宅(企業の設備投資) 6.9%増>速報値は5.2%増、前期は7.2%増と2014年7~9月期以来の高水準
構築物投資 6.2%増>速報値は4.9%増、前期は14.8%増と2014年1~3月期以来の高水準
機器投資 8.8%増、3期連続で増加し2015年7~9月期以来の高水準>速報値は8.2%増、前期は4.4%増
無形資産 4.9%増>速報値は1.4%増、前期は5.7%増と3期ぶりの高水準
・住宅投資 6.5%減>速報値は6.8%減<前期は11.1%増と2016年1~3月期以来の高水準
・在庫投資 40億ドル増>速報値は26億ドル減、2期連続で増加<前期は18億ドル減

GDP、Q2改定値は3%乗せの快挙。

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(出所:MGSSI)

純輸出は、2期連続でプラス政府支出は0.05%のマイナスと、速報値の0.12%ポイントを下回り前期のマイナス0.11%ポイントを含め2期連続で弱かった。

▽純輸出

・純輸出の寄与度 0.21%ポイント>速報値は0.18%ポイント、前期は0.22%ポイント

▽政府支出

・政府支出 0.3%減、2期連続で減少<速報値は0.7%増、前期は0.6%減と3期ぶりに減少
・連邦政府 1.9%増、4期ぶりにプラス<速報値は2.3%増、前期は2.4%減と3期連続で減少し2014年10~12月期以来の低水準
(連邦政府は防衛支出が4.7%増、非防衛財は1.9%減と2期連続で減少し2013年10~12月期以来の低水準)
・州政府・地方政府 1.7%減、3期ぶりに減少<速報値は0.2%減、前期は0.5%増

GDPデフレーターは前期比1.0%上昇、速報値並びに市場予想と一致し前期の2.0%から減速、2016年1~3月期以来の低水準を示す。PCEデフレーターは速報値と同じく0.3%の上昇と、原油価格がピークアウトする以前である2014年1〜3月期以来の水準を回復した前期の2.2%を大きく下回る。コアPCEデフレーターは0.9%の上昇、市場予想並びに速報値と一致したとはいえ、1年ぶりにFOMCのインフレ目標値「2%」へ回帰した前期の2.0%から大きく減退した。

企業利益は税引き前(在庫価値・資本支出調整済み)で前期比1.3%増と、3期ぶりにマイナスに転じた前期の2.1%減を上回った。前年比では7.0%増と、前期の3.3%増を含め3期連続で増加した。企業利益は税引き後(在庫価値・資本支出調整済み)で前期比0.8%増と、前期の減少から改善した。前年比では8.6%増と、3期連続で増加した。

企業利益は税引き前(在庫価値・資本支出調整前)で前期比0.5%減と、2015年10~12月期以来の減少に転じた。前年比では6.7%増と、4期連続で増加した。企業利益は税引き後(在庫価値・資本支出調整前)で前期比1.4%減と、前期の1.3%増を下回り2015年10~12月期以来の減少に反転。前年同期比では8.1%増と、過去2期の2桁増から減速している。

――成長率は加速し、トランプ米大統領が目指す成長率3%に到達しました。個人消費や企業の設備投資などがこぞって上方修正され、在庫投資も寄与度がプラスに転じるなど速報値の時と風景が一変したようです。通期の成長率も2%超えの可能性が強まりました。敢えて懸念するならば、企業利益です。前年比では変わらず増加基調であるものの、前期比ではヘッドラインで減少しており、今後雇用に影響するのか要注意です。

▽米8月ADP全国雇用者数、予想外に大幅増加

米8月ADP全国雇用者数は前月比23.7万人増となり、市場予想の18.5万人増を上回った。前月の20.1万人増(17.8万人増から上方修正)も超え、5ヵ月ぶりの高水準。年初来では、6回目の20万人乗せとなる。ADP全国雇用者数は2010年2月以来の増加トレンドを保った。

ADP全国雇用者数、軽々と20万人乗せ。

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、サービスが20.4万人増と、前月の19.0万人増(前月の17.4万人増から上方修正)を超え、3ヵ月ぶりに20万人台を確保した。内訳をみると、貿易・輸送が5.6万人増と4ヵ月連続で増加したなかで最大の伸びを示す。雇用統計の非農業部門就業者数(NFP)の伸びランキングで上位常連の娯楽・宿泊は5.1万人増と前月の3.8万人増を超え好調、教育・健康も4.5万人増と、増加基調を保つ。逆にNFP上位の専門サービスは3.9万人増と、過去6ヵ月 の平均からほぼ半減している。

財(製造業、建設、鉱業)も3.3万人増と、前月の1.1万人増を超えサービスと同じく良好、6ヵ月ぶりの高水準だった。内訳をみると、建設が1.8万人増と4ヵ月連続で増加し前月を上回ったほか、製造業も1.6万人増と前月の0.1万人減から回復。ただし、原油価格が50ドル割れで安定的に推移する環境下で鉱業のみ、0.1万人減少なくとも直近で初めて減少した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「雇用の伸びは力強く、ほぼ全ての産業並びに企業規模で確認されている」と評価した。逆に「人材不足は深刻さを増している」とも指摘、また「8月は雇用統計・NFPは季節調整上の関係で下振れしやすく改定で上方修正されるパターンが多いが、ADPはこうした修正と無縁」とまとめた。

――ADP全国雇用者数は前月分の上方修正と合わせ、文句なしの好結果です。その割に、低迷中なのが平均時給。4~7月まで4ヵ月連続で前年比2.5%の上昇と、2016年12月につけたピークの2.9%から水をあけられたままです。前回、失業率が4.3%だった2001年頃の平均時給は、非管理職・生産労働者でも3~4%台の上昇を遂げていただけに、3%以下の伸びでは労働市場の逼迫を感じづらい。オマハの賢人、ウォーレン・バフェット氏が「3%成長と思えない」と語るはずです。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)

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