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ISM、マークイット製造業PMI、ミシガン大信頼感は懸念材料乗り越え堅調

by • September 4, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off592

Both Business And Consumers Concern Less About Debt Ceiling Debate.

米8月ISM製造業景況指数、米8月マークイット製造業PMI確報値、米7月建設支出、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値をおさらいしていきます。

米8月ISM製造業景況指数は58.8となり、市場予想の56.5を上回った。前月の56.3を超え、2011年4月以来の高水準を達成。12ヵ月連続で分岐点に乗せた。北朝鮮問題の火種がくすぶり、通商政策で中国の対応に不満を見せるトランプ政権が厳しい対応を示すなかでも、センチメントはさらに上昇している。9月に債務上限引き上げ交渉や予算協議が控えるが、企業は債務不履行や政府機関の閉鎖リスクを見込んでいないようだ。今回の調査には、ハリケーン“ハービー”の復興需要を反映した回答が殆ど反映されていない。内訳をみると、雇用が大幅に上昇し全体を押し上げたほか生産、在庫なども上昇した。一方で新規輸出受注が低下している。詳細は、以下の通り。

・生産 61.0、12ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は60.6、6ヵ月平均は59.6
・新規受注 60.3、12ヵ月連続にて分岐点乗せ<前月は60.4、6ヵ月平均は61.0
・雇用 59.9、2011年5月以来の高水準で11ヵ月連続にて分岐点乗せ>前月は55.2、6ヵ月平均は56.1

・在庫 55.5、2011年8月以来の高水準で2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は50.0、6ヵ月平均は51.0
・新規輸出受注 55.5<前月は57.5、6ヵ月平均は58.1
・仕入れ価格 62.0=前月は62.0、6ヵ月平均は63.1

・受注残 57.5、5ヵ月ぶりの高水準で7ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は55.0、6ヵ月平均は56.5
・入荷時間 57.1、直近で最高>前月は55.4、6ヵ月平均は55.6

ISMのブラッドリー・ホルコム会長は、結果に対し「18業種のうち14業種で拡大した」と説明した。7月までは3ヵ月連続で15業種で拡大を報告していたため、1業種減少した格好だ。1業種は横ばいだったようで、低下した7月に続き3項目となり「服飾、革製品関連」のほか、「一次金属」、「家具・関連製品」。前月の低下を報告した「繊維」と「石油・石炭関連」は、拡大に転じた。

▽米8月マークイット製造業PMI・確報値、前月から小幅低下も雇用は堅調

米8月マークイット製造業PMI確報値は52.8と、市場予想並びに速報値の52.5を上回った。4ヵ月ぶりの高水準に並んだ前月の53.3からは、低下している。内訳をみると雇用が6ヵ月ぶりの高水準だった半面、新規輸出受注は前月を下回った。

クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「50の分岐点を確保したとはいえ、製造業活動が躓きつつある兆しをみせた」と振り返る。特に「生産の低下は、新規輸出受注と合わせ7~9月期に製造業が成長を下押しする可能性を示す」と指摘。ただし「国内の消費財や設備投資向けの需要が共に伸びており、米経済は下半期に拡大する見通し」と楽観的な見方で締めくくった。

ISMとマークイット、雇用統計の製造業の就労者数の伸びと合わせ好調。

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(作成:My Big Apple NY)

――ISM製造業景況指数とマークイット製造業PMIは良好な水準で、原油価格が50ドル割れで推移するにも関わらず、特に雇用が力強かった点が印象的でした。今後はハリケーン“ハービー”の復興需要で一段の上昇するのか、見極めたいところです。

▽米7月建設支出、民間・公共ともに非住宅が弱く予想外の減少

米7月建設支出は前月0.6%減の年率1兆2,115億ドルとなり、市場予想の0.5%増に反する結果となった。前月の1.4%減(1.3%減から下方修正)を含め2ヵ月連続で減少、過去4ヵ月間で3回目の減少を示す。内訳をみると、非住宅が1.7%減と4ヵ月連続で減少し全体の足を引っ張った。住宅は0.8%増と前月の0.3%増と合わせ、3ヵ月連続でプラスを示す。建設支出の前年比は1.8%増と前月の2.7%増(修正値)を含め増加トレンドを保ったが、2011年11月以来で最も低い伸びにとどまる。

民間は前月比0.4%減と、前月の0.5%減と合わせ2ヵ月連続で減少した。住宅が0.8%増と3ヵ月連続で増加した半面、非住宅が1.9%減と2ヵ月連続で減少している。公共は1.4%減と、前月の4.4%減を含め2ヵ月連続で減少。過去4ヵ月間で3回目の減少となった。住宅が2.6%減、非住宅も1.4%減とそれぞれ2ヵ月連続で減少した。

――米7月建設支出は非住宅投資がさえず、米4~6月期GDP改定値で堅調だった構築物投資に翳りが出てくるシグナルを発しています。住宅も公共で落ち込みを見せ、4~6月期にマイナス寄与となった住宅投資の回復の足枷となる予感。直近2ヵ月は振るわない結果となったところ、ハリケーン“ハービー”の復興需要が回復の起爆剤となるのか注目です。

▽米8月ミシガン大信頼感確報値、速報値から下方修正も3ヵ月ぶり高水準

米8 月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は96.8と、市場予想の97.5並びに速報値の97.6を下回った。2016年10月以来の低水準だった前月の93.4も超え、3ヵ月ぶりの高水準。バージニア州シャーロッツビル事件後であり、かつトランプ米大統領の助言機関が解散する事態を迎え、かつ北朝鮮問題が深刻化するなか、速報値から下方修正されたとはいえ前月から改善している。内訳をみると、現況指数が速報値の111.0から110.9へ下方修正され、2005年7月以来の水準へ上昇した前月の113.4から低下。一方、見通し指数は87.7と速報値の89.0を下回りつつ、前月の80.5から上昇しヘッドラインと同じく3ヵ月ぶりの高水準だった。

原油先物が50ドル割れを維持するものの、1年先インフレ見通しは4ヵ月連続で2.6%となる。5~10年先インフレ見通しは2.5%と、速報値と同じく6ヵ月ぶりの高水準で前月の2.6%を下回った。インフレ見通しは、引き続き低迷を続けている。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「驚くべきことに、バージニア州シャーロッツビルでの白人至上主義と反対派の衝突や北朝鮮問題、また回答時期が限られたとはいえハリケーン“ハービー”に関する言及は殆ど見られなかった」と振り返る。こうした背景から“ハービー”の影響で雇用が一時的に下押しされ、またガソリン価格も約2年ぶりの水準へ上昇した影響で個人消費が圧迫される可能性があるものの、「直近で消費者信頼感が落ち込む可能性は低い」と結んだ。なお個人消費の見通しは今回、表明せず。なお8月速報値では6月の「2.3%増」から「2.4%増」へ上方修正。1月時点の2.7%増を下回るものの、底堅い水準を見込んでいた。

ミシガン大学消費者信頼感、今回は見通し指数が牽引。

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(作成:My Big Apple NY)

――米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は速報値から下方修正されたとはいえ、高水準を維持しています。9月に債務上限引き上げ交渉、予算協議を控え、さらに税制改革やインフラ投資の内容が不透明であるにも関わらず、見通し指数が上昇した点は心強い。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ、FRB高官が利上げに慎重な姿勢を示し金利が低下したことが寄与しているようです。

仮にイエレン効果が経済に好循環を及ぼしているならば、トランプ米大統領が同氏を再指名する可能性が出てくるのでしょう。税制改革の成立まで国家経済会議(NEC)のコーン議長を離任できないと仮定すれば、尚更です。とはいえトランプ米大統領がイエレンFRB議長を好ましく思っているかは疑問が残り、ウルトラCとしてはイエレンFRB議長再任後、いずれかの時点で辞任しコーン氏あるいは他候補にバトンタッチする策が考えられます。イエレン氏がイエスというかは、別としてですが・・。

(カバー写真:Michael Tapp/Flickr)

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