ISM Service Index Rebounds Amid North Korea Missile Concerns.
ISM非製造業景況指数、マークイットが発表した8月の景況感指数をおさらいしていきます。
米8月ISM非製造業景況指数は55.3となり、市場予想の55.6を下回り前月の53.9を上回った。前月はリーマン・ショック後から僅か2ヵ月後となる2008年11月以来で最大の下げ幅を示したものの、今回は持ち直している。北朝鮮がミサイル発射を続け、当時は債務上限引き上げ交渉の行方に不安を残したものの、センチメントが改善した。
17業種別では15 業種が拡大を報告、前月の16業種から減少した。縮小を報告したのは“管理/サポート”、並びに“農業/木材/漁業”の2業種で、前月縮小を示した“その他サービス”は、拡大に転じた。 ISM非製造業景況の内訳をみると、全体的に下方向を示す。特にビジネス活動や新規受注は直近で最低となり、雇用が2015年7月以来の高水準を遂げた5月(57.8)から低下を続けた。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 57.5>55.9、6ヵ月平均は59.4
・新規受注 57.1>前月は55.1、6ヵ月平均は58.8
・雇用 56.2>前月は53.6、6ヵ月平均は54.4
・新規輸出受注 55.0>53.0、6ヵ月ぶりの低水準、6ヵ月平均は54.4
・在庫変化 53.5<前月は56.5、6ヵ月平均は53.8
・仕入れ価格 57.9、4ヵ月ぶりの高水準>前月は55.7、6ヵ月平均は54.3
▽米8月マークイット非製造業PMI確報値、2015年11月以来の高水準
米8月マークイット非製造業PMI確報値は56.0となり、市場予想並びに速報値の56.9を下回った。ただ前月の54.7を超え、2015年11月以来の高水準。内訳をみると、新規受注が2015年11月以来の水準へ上振れしたほか、雇用も約2年ぶりの水準へ上昇した。製造業と合わせた総合指数は55.3と、速報値の56.0から下方修正。ただし前月の54.6を上回り、7ヵ月ぶりの高水準だった。
クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「ハリケーン“ハービー”の影響は不透明ながら、7~9月期の成長率はサービス業や製造業での力強さを支えに前期比年率3.0%増と試算できる」と予想した。新規受注や受注残などの項目で上昇がみられるため、「ハリケーンの下押し効果は一時的で、年後半には大幅に回復する」と見込む。
ISMとマークイット、7月は明暗分かれる。
――ISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMIそろって前月を上回り、米8月雇用統計のサービス部門の減速とは裏腹に好調な環境が見て取れます。概して雇用は遅行指標と言われますが、9月以降はホリデー商戦の押し上げ効果が期待できますよね。既にウォルマートは、9月1日から12月11日までのレイアウェイ(頭金と手数料を支払った分割払い方式:今回ウォルマートでは頭金10%あるいは10ドルにサービス料金を前払いすれば、50ドル以上の商品を対象に分割払いが可能)実施を発表。子供向け玩具1,000種類のうち100点の独占販売を行う方針も明らかにしています。
他小売店も、昨年動揺こうした流れに追随する見通し。足元で軟調だった小売の雇用を中心に回復に転じ、全体の消費を下支えるのでしょう。ISMやマークイットのセンチメントが上振れした背景は、楽観的なホリデー商戦見通しを反映しているのかもしれません。
(カバー写真:Gary Lund/Flickr)
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