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米7~9月期シニア融資担当者調査、家計の借入需要回復を示す

by • November 14, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off490

Consumer Loan Demand Picks Up While Credit Standard Tightened.

米連邦準備制度理事会(FRB)が11月6日、米7~9月期のシニア融資担当者調査を発表した。今回の対象は米国の国内銀行72行と、外銀の23行(前回は76行、22行)。調査期間中に米連邦公開市場委員会(FOMC)が2015年12月、2016年12月、2017年3月、同年6月に4回目の利上げを行ったが、融資基準は商工ローン、商業不動産で前回の4~6月期に比べ緩和の方向を示した。住宅ローンは、ほぼ変わらず。一方で、消費者向けはクレジットカードや自動車ローンなどそろって「幾分引き締め」が優勢だった。

借入需要は、商工ローンや商業不動産などで前回より幾分強まりを示した。消費者向けでは、貸出基準がやや引き締め寄りに傾いたものの、クレジットカードと自動車ローンで小幅に需要が改善している。以下は、カテゴリー別の詳細。回答した銀行数によって、項目ごとで回答総数 は変化する。以下は、分野別の動向を表す。

商工ローン向け融資基準は、前回と比較し「幾分緩和」が上昇した。同需要は、ほぼ変わらずながら5,000万ドル以下の中小企業で「非常に力強い」との回答を確認した。以下は、全て米国内の大手銀向けの調査結果となる。

【商工ローン、融資基準】

1)大企業向け商業・産業向け融資基準(年間売上5,000万ドル以上)
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・概して変わらず 65行 91.5%<前回は73行 96.1%
・幾分緩和 6行 8.5%>前回は3行 3.9%
・大幅に緩和  0行 0%=前回は0行 0%

2)中小企業向け商業・産業向け融資基準(年間売上5,000万ドル以下)
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%=前回は1行 1.4%
・概して変わらず 62行 91.2%<前回は 68行 93.2%
・幾分緩和 6行 8.8%>前回は0行 0%
・大幅に緩和  0行 0%=前回は0行 0%

【商工ローン、借入需要】

1)商業・産業向け借入需要(年間売上5,000万ドル以上)
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 10行 14.1%>前回は10行 13.2%
・概して変わらず 43行 60.6%<前回は47行 65.3%
・幾分弱い 18行 25.4%>前回は18行 23.7%
・非常に弱い 0行 0%<前回は1行 1.3%

2)商業・産業向け借入需要(年間売上5,000万ドル以下)
・非常に力強い 1行 1.5%>前回は0行 0%
・幾分力強い 9行 13.2%<前回は11行 15.1%
・概して変わらず 46行 67.6%>前回は47行 64.4%
・幾分弱い 12行 17.6%<15行 20.5%
・非常に弱い 0行 0%<前回は0行 0%

商業・産業部門への融資動向、融資基準は緩和寄りへシフトしたが需要は低迷継続。

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(作成:My Big Apple NY)

商業不動産の融資基準は、建設・土地開発と非住宅は、「幾分引き締め」の回答が減少し「幾分緩和が」増えた。複合住宅では「大幅に引締め」を回答した銀行は前回に続き1行のみだったが、「幾分引き締め」がそろって上昇しやや引き締め寄りに傾いている。需要動向は前回とほぼ変わらなかったが、複合住宅で「幾分強い」が低下し「概して変わらず」が上昇た。

【商業不動産、融資基準】

1)商業不動産の融資基準(建設、土地開発用)
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 5行 7.1%<前回は 13行 17.3%
・概して変わらず 62行 88.6%>前回は62行 82.7%
・幾分緩和 3行 4.3%>前回は0行 0%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

2)商業不動産の融資基準(非住宅)
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0
・幾分引き締め 4行 5.6%<前回は9行 12.0%
・概して変わらず 66行 93.0%>前回は63行 84.0%
・幾分緩和 3行 4.3%>前回は2行 2.8%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

3)商業不動産の融資基準(複合住宅)
・大幅に引き締め 1行 1.4%>前回は1行 1.3%
・幾分引き締め 16行 22.2%>前回は15行 19.7%
・概して変わらず 54行 75.0%<前回は58行 76.3%
・幾分緩和 1行 1.4%<前回は2行 2.6%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

商業不動産の融資基準も、緩和寄りへシフト。

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(作成:My Big Apple NY)

【商業不動産、借入需要】

1)商業不動産の借入需要(建設、土地開発用)
・非常に力強い 0行 0%=0行 0%
・幾分力強い 10行 14.3%>前回は10行 13.3%
・概して変わらず 43行 61.4%<前回は48行 64.0%
・幾分弱い 17行 24.3%>前回は17行 22.7%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

2)商業不動産の借入需要(非住宅)
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 7行 9.9%>前回は9行 11.8%
・概して変わらず 53行 74.6%>前回は56行 73.7%
・幾分弱い 11行 15.5%>前回は11行 14.5%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

3)商業不動産の借入需要(複合住宅)
・非常に力強い 0行 0%<前回は1行 1.3%
・幾分力強い 5行 6.9%<前回は13行 17.1%
・概して変わらず 49行 68.1%>前回は42行 55.3%
・幾分弱い 18行 25.0%<前回は20行 26.3%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

家計部門での融資基準は、住宅ローンでは全体的に前回調査時点と比較して「幾分緩和」の回答がやや目立った。住宅ローンの需要は、全般的に目立って後退。NY地区連銀が発表する家計債務動向、並びに大手銀の住宅ローン新規組成額の伸び悩みと整合的である。

商業不動産は基準緩和でも、需要は低下。

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(作成:My Big Apple NY)

【住宅ローン、融資基準】

1)政府支援機関(ファニーメイ、フレディマックなど)の条件を満たす住宅ローンへの融資基準
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%<前回は1行 1.6%
・概して変わらず 56行 88.9%<前回は59行 90.8%
・幾分緩和 6行 9.5%>前回は6行 9.2%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

2)政府、連邦住宅局(FHA)、退役軍人省の政府機関によって保証される住宅ローンへの融資基準
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%<前回は1行 1.7%
・概して変わらず 60行 98.4%>前回は55行 93.2%
・幾分緩和 1行 1.6%<前回は3行 5.1%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

3)消費者金融保護局(CFPB)の適格住宅ローンであるQM、非ジャンボ・ローン(41万7000ドル以上の高額ローンで、GSEの買い取り上限外)、GSE非適格住宅ローンへの融資基準
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%=前回は0行 0%
・概して変わらず 58行 95.1%<前回は59行 95.2%
・幾分緩和 3行 4.9%<前回は3行 4.8%
・大幅に緩和 0行 0%­=前回は0行 0%

4)QMで、ジャンボ・ローンの住宅ローンへの融資基準
・大幅に引き締め 1行 1.5%>前回は0行 0%
・幾分引き締め 0行 0%<前回は1行 1.5%
・概して変わらず 59行 90.8%<前回は60行 90.9%
・幾分緩和 5行 7.7%>前回は5行 7.6%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は5行 7.6%

【住宅ローン、借入需要】

1)政府支援機関(ファニーメイ、フレディマックなど、GSE)の条件を満たす住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 7行 11.1%<前回は13行 19.7%
・概して変わらず 40行 63.5%<前回は45行 68.2%
・幾分弱い 15行 23.8%>前回は7行 10.6%
・非常に弱い 1行 1.6%=前回は1行 1.5%

2)政府、連邦住宅局(FHA)、退役軍人省の政府機関によって保証される住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 4行 6.7%<前回は8行 13.6%
・概して変わらず 45行 75.0%
・幾分弱い 10行 16.7%>前回は7行 10.6%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

3)QMで非ジャンボ・ローン(41万7000ドル以上の高額ローンで、GSEの買い取り上限外)、GSE非適格住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 2行 3.3%<前回は6行 9.7%
・概して変わらず 47行 77.0%<前回は52行 83.9%
・幾分弱い 12行 19.7%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

4)QMでジャンボ・ローンの住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 5行 7.8%<前回は16行 24.2%
・概して変わらず 45行 70.3%=前回は43行 65.2%
・幾分弱い 13行 20.3%>前回は7行 10.6%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

5)非QMでジャンボ・ローンに対する住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 3行 5.4%>前回は0行 0%
・概して変わらず 42行 75.0%<前回は47行 81.0%
・幾分弱い 11行 19.6%>前回は3行 5.2%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

6)非QMで非ジャンボ・ローンに対する住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 3行 5.4%>前回は2行 3.4%
・概して変わらず 44行 78.6%<前回は52行 88.1%
・幾分弱い 9行 16.1%>前回は4行 6.8%
・非常に弱い 0行 0%<前回は1行 1.7%

7)サブプライム向け住宅ローンへの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 1行 25%>前回は0行 0%
・概して変わらず 3行 75.0%>前回は6行 100%
・幾分弱い 0行 0%=前回は0行 0%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

個人向けの融資基準は、個人全体は自動車を含め前回に続きやや引き締め寄りで、ハリケーン直撃後、新車販売台数は9~10月と年率1,800万台と2005年以来の高水準に迫ったが、貸出基準はやや厳格化していた。ただし、クレジットカードと前回に続き「大幅に引締め」と「幾分引き締め」が小幅に後退している。融資の需要は前回から改善、クレジットカードや自動車ローンなどで小幅ながら強まりを示した。

【個人向け、融資基準】

1)個人向けの融資基準
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は 0行 0%
・幾分引き締め 10行 15.6%>前回は7行 10.3%
・概して変わらず 53行 82.8%<前回は59行 86.8%
・幾分緩和 1行 1.6%<前回は2行 2.9%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

2)クレジットカードの融資基準
・大幅に引き締め 1行 1.8%<前回は2行 3.1%
・幾分引き締め 8行 14.5%>前回は6行 9.2%
・概して変わらず 42行 76.4%<前回は54行 83.1%
・幾分緩和 4行 7.3%>前回は3行 4.6%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

3)自動車ローンの融資基準
・大幅に引き締め 0行 0%=前回は 0行 0%
・幾分引き締め 6行 9.8%>前回は4行 5.9%
・概して変わらず 55行 90.2%<前回は62行 91.2%
・幾分緩和 0行 0%<前回は2行 2.9%
・大幅に緩和 0行 0%=前回は0行 0%

個人向け融資基準は、引き締め寄りへ傾く

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(作成:My Big Apple NY)

【個人向け、借入需要】

1)個人向けの借入需要(クレジットカード、自動車ローン除く)
・非常に力強い 0行 0%<前回は2行 2.9%
・幾分力強い 4行 6.3%<前回は7行 10.6%
・概して変わらず 55行 87.3%>前回は55行 83.3%
・幾分弱い 4行 6.3%>前回は4行 6.1%
・非常に弱い 0行 0%=前回は 0行 0%

2)クレジットカードの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 5行 9.3%>前回は3行 6.1%
・概して変わらず 44行 81.5%<前回は40行 81.6%
・幾分弱い 4行 7.4%<前回は6行 12.2%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

3)自動車ローンの借入需要
・非常に力強い 0行 0%=前回は0行 0%
・幾分力強い 9行 15.0%>前回は6行 9.2%
・概して変わらず 45行 75.0%>前回は47行 72.3%
・幾分弱い 6行 10%<前回は12行 18.5%
・非常に弱い 0行 0%=前回は0行 0%

自動車は新車販売台数の急回復が表す通り大幅改善、クレジットカードもマイナス圏から脱却。

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(作成:My Big Apple NY)

――米7~9月期GDP速報値で企業の設備投資を表す機器投資は好調だったように、融資基準は緩和寄りが優勢でした。とはいえ、商業・産業向け需要は税制改革が取り沙汰されているにもかかわらず、需要にそれほどの力強さはみられません。GDPでも構築物投資が芳しくなく、ハリケーン後の修復など機器投資以外で投資が拡大するか注目です。

個人の借入需要は改善しており、安定的な雇用を支えに引き続き自動車ローンやクレジットカードを通じた支出が拡大する公算。銀行の融資姿勢は消費者以外で緩和寄りだったため、2004年以来となる3期連続での3%成長へ期待が高まります。

(カバー写真:Images Money/Flickr)

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