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米10月NFIB中小企業楽観度、約1年ぶりの水準から小幅改善

by • November 15, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off2403

NFIB Small Business Optimism Rebounds Slightly In October.

米10月NFIB中小企業楽観度指数は103.8となり、市場予想の104を下回った。2016年11月以来の低水準だった前月の103.0からは改善しつつ、2004年12月以来の高水準に接近した8月の105.3以下の水準を維持している。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「中小企業オーナーの間で経済環境への楽観度が強まった」と指摘する。また「企業主の賃上げ見通しは2000年以来の高水準で、成人の就業率が64.7%だった当時と並ぶ」と指摘。賃上げ圧力の高まりを示唆した。

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は2ヵ月連続で10項目となった。全般的に、ヘッドラインと同じく前月を上回る項目が目立ち、特に「経済がより良くなる」との回答は2016年11月以来の低水準から小幅ながら改善している。その他「求人件数」や「賃金」、「事業拡大に良いタイミング」などが好調だった。反対に「黒字見通し」を中心に、マイナス圏の項目は3つ全て前月を下回った。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」35%>前月は30%、6ヵ月平均は33%
「経済がより良くなる」32%>前月は31%、2016年11月以来の低水準、6ヵ月平均は35%
「賃金」27%>前月は25%、6ヵ月平均は27%
「設備投資を拡大した」27%=前月は27%、6ヵ月平均は29%
「事業拡大に良いタイミング」23%>前月は17%、2016年11月以来で最低、6ヵ月平均は22%

「賃上げ見通し」21%、米大統領選後で最高>前月は18%、6ヵ月平均は18%
「売上の拡大を予想」21%>前月は15%と2016年11月以来で最低、6ヵ月平均は21%
「採用見通し」18%<前月は19%と1999年以来で最高、6ヵ月平均は18%
「販売価格の引き上げ」8%>前月は6%、6ヵ月平均は7%
「在庫を増加させる」4%<前月は7%と直近で最高、6ヵ月平均は4%

「在庫満足度」−5%<前月は−3%、6ヵ月平均は−3%
「信用状況が緩和する」−5%<前月は−4%、6ヵ月平均は−4%
「黒字トレンドにある」−14%=前月は−11%、6ヵ月平均は−11%
NFIB、大統領選後の高水準を維持も経済見通しは下振れ気味。

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NFIB、楽観度指数は2016年11月以来の低水準から小幅改善

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(作成:My Big Apple NY)

――税制改革をめぐり、上院では下院と違って法人税の2019年まで導入を見送る案が盛り込まれると報じられ、さらにパススルー事業体への税率引き下げではなく控除にとどめる方針です。足元で中小企業楽観度指数は改善したものの、税制改革の内容次第では再び鈍化しかねません。米株も年末にかけ調性が入れば、さらにセンチメントを押し下げかねず。年末年始の動向は、共和党議会がどんなクリスマス・プレゼントを用意してくるかにかかっています。

(カバー写真:Independent We Stand/Flickr)

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