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11月の中古・新築住宅販売件数、税制改革実現前に約10年ぶりの高水準

by • December 26, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off854

Tax Reform Expectation Could Push Up Existing And New Home Sales In November.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米11月中古住宅販売件数は年率581万件と、市場予想の553万件を超えた。前月の550万件(548万件から上方修正)を5.6%上回り、2006年12月以来の高水準となる。ハリケーンの直撃を経て、買い替え需要を一因に3ヵ月連続で増加した。11月の販売件数は前年比では3.8%増となり、3ヵ月ぶりに増加に転じた。

内訳をみると一戸建てが509万件と、前月の487万件(修正値)を1.0%上回った。ヘッドラインと同じく、3ヵ月連続で増加している。複合住宅は10.8%増の72万件と、2ヵ月連続で増加した。

4大地域別では、3地域で増加し前月の4地域から減少した。今回はIT 企業が集まる西部のおみ2.3%減の125万件と、3ヵ月ぶりに減少している。その他は増加し、ハリケーン被災地が集まる南部が8.3%増の234万件と力強く2ヵ月連続で増加した。中西部は8.4%増の142万件と、4ヵ月連続で増加。北東部は6.7%増の80万件と、2ヵ月連続で増加した。

在庫件数は前月比7.3%減の167万件と、4ヵ月連続で減少した。前年比では30ヵ月連続で減少。1999年以来での最低を更新していた2016年12月の165万件が近づいた。販売が増加した一方で在庫が減少したため、在庫相当は前月の3.9ヵ月から3.4ヵ月と、少なくとも1990年以降で最低を更新した。販売日数は40日と、9~10月の34日から延びた。前年同月は43日となる。

中央価格は前年比で5.8%上昇の24.80万ドル。前月の5.1%を上回り、雇用統計の平均時給の伸び率を大幅に上回る水準を保つ。中央価格の前月比では0.8%上昇し、5ヵ月ぶりにプラスへ転じた。なお6月は26.33万ドルで過去最高だった。

買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 3%=前月は3%、前年同月は3%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%=前月は1%、前年同月は1%
・新規購入者 29%、2015年9月以来で最低<前月は34%、前年同月は32%
・現金購入者 22%、少なくとも直近で最高>前月は20%、前年同月は21%
・住居用ではなく投資向け 14%>前月は13%、前年同期は12%

中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって増加。

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(作成:My Big Apple NY)

発表元であるNARのローレンス・ユン主席エコノミストは、今回の結果を受け「成長加速に加え株高、労働市場の拡大といった追い風を受けて住宅購入の需要が大いに高まった」と振り返った。ただし「新規購入者の比率は低迷気味で、代わりに投資家や現金の買い手のシェアが上昇している」と指摘。投資家を中心に、いま居住中の住宅より高い住宅を購入する買い手と捉えられ、中央価格が上昇する余地があるとの考えを示した。今後については、やや慎重な見方を寄せ「在庫が逼迫するなかで、金利上昇により一段と値ごろ感が後退する」と懸念した。

▽米11月新築住宅販売件数、約10年ぶりの水準へ増加

米11月新築住宅販売件数は年率73.3万件と、市場予想の65.5件を超えた。前月の62.4万件(68.5万件から下方修正)を17.5%上回り、2007 年7月以来の高水準を達成している。中古住宅販売と足並みをそろえ、大幅増を果たした。

4大地域別では、全地域で増加し10月の2地域から増えた。今回は西部が31.1%増(前月から反発)の19.4万件、南部は14.9%増(前月から反発)の41.6万件となる。北東部は9.5%増(3ヵ月連続で増加)の4.6万件、中西部は6.9%増(2ヵ月連続で増加)の7.7万件だった。

新築住宅販売件数、景気後退以前の水準を回復。

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(作成:My Big Apple NY)

在庫総数は28.3万件で前月と変わらず、増加基調を9ヵ月で止めた。在庫相当は販売件数が増加し在庫が横ばいだったため、前月の5.4ヵ月から4.6ヵ月へ大きく後退している。中央価格は31.87万ドルと前月の31.96万ドルから下落しつつ、30万ドルの大台は保った。前年比では1.2%上昇、プラス圏を維持しつつ5ヵ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。

――中古住宅販売件数は、中央価格が前月比で5%超も上昇したように投資家や現金投資家が市場に再参入したことを示唆しています。新築住宅販売件数もハリケーン被災地である南部のほか、高額な住宅がひしめく西部で顕著な伸びを達成しました。背景に、利上げ前の金利上昇懸念と共に税制改革があったのではないでしょうか。住宅ローン利子の控除が適用されるローン総額の上限について、現行の100万ドルを維持するか不透明だったため、投資家が先に少しでも税金負担を軽減させるべく動いた可能性があります。金利負担軽減を狙った駆け込み需要を表した結果であれば、1月以降に大幅鈍化する可能性に注意が必要です。

(カバー写真:Mobilus In Mobili/Flickr)

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