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米11月個人消費は好調な半面、貯蓄率は景気後退直前の水準へ低下

by • December 26, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off897

Strong Consumer Spending Results In 10-Year Low Saving Rate In November.

米11月個人消費支出は前月比0.6%増と、市場予想の0.5%増を上回った。前月の0.2%増(0.3%増から下方修正)を含め、4ヵ月連続で増加している。ハリケーン“ハービー”や“イルマ”直撃後の変動を経て、年末商戦を支えに力強さを保った。前年比では3.0%増と、10月の2.8%増を上回った。インフレを除く実質ベースでの個人消費は0.4%増と、市場予想の0.2%増並びに前月の±0%(0.1%増から下方修正)を上回る。実質ベースでの個人消費は、前年比2.7%増と年初来平均に並んだ。ただし、実質GDP成長率が2.9%増だった2015年の平均値3.6%増には遠い。

個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。新車販売台数が10月に前月比で減少したため、耐久財が弱かった、ただし非耐久財やサービスも増加し、全体を支えている。

・モノは0.517%増、前月の0.194%増を含め過去5ヵ月間で4回目の増加
>耐久財 0.229%増、前月の0.235%増を含め過去5ヵ月間で4回目の増加
>非耐久財 0.671%増、前月の0.170%増を含め5ヵ月連続で増加
・サービス 0.214%増、前月の0.290%増を含め少なくとも14ヵ月連続で増加

米11月個人所得は前月比0.3%増と、市場予想並びに前月の0.4%増を上回った。前月の0.4%増と変わらず、5ヵ月連続で増加している。前年比は3.8%増となり、前月の3.4%増を上回った。実質ベースでは2.0%増と前月の1.7%増を上回り2016年3月以来の力強い伸びに。11ヵ月連続で増加しつつ、金融危機後で最高の成長率を遂げた2015年の平均値2.5%増に距離を残す。

可処分所得は0.4%増と、前月の0.4%増を含め5ヵ月連続で増加した。前年同月比は3.7%増と、前月の3.2%増を超え2015年10月以来の4%乗せを視野に入れた。実質ベースの可処分所得は前月比0.1%増と、前月の0.3%増を下回りつつ2ヵ月連続で増加。前年同月比は1.9%増、前月の1.6%増を上回り2016年4月に並ぶ高水準だった。11ヵ月連続で増加したものの、こちらも2015年からの平均値4.2%増を下回る水準を保つ。

貯蓄率は2.9%となり、前月の3.2%を下回り2007年11月以来の水準へ低下した。個人消費の伸びが所得を上回るなかで、貯蓄率は景気後退以前のレベルまで下がった格好だ。

個人消費は11月に実質ベースで3%近い伸びだった一方、所得は約1年半ぶりに2%台を回復。

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(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.4%増、前月の0.2%増を上回る(民間が0.4%増と前月の0.2%増から加速、サービス部門が0.5%増と前月の0.3%増を上回る、財部門(製造業、鉱業、建設)も0.4%増と前月の0.1%増から改善)
・不動産収入 0.6%増、前月の0.5%増を上回る(農場が2.2%増と前月の2.5%増を含め2ヵ月連続で増加、非農場は0.5%増と前月の0.4%増を含め4ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.7%増、前月の1.0%増を含め4ヵ月連続で増加
・資産収入 0.5%増と前月の0.7%増を含め5ヵ月連続で増加(配当が0.6%減と5ヵ月ぶりに減少、金利収入は1.2%増と5ヵ月連続で増加)
・社会補助 0.3%増、前月の0.2%増を含め増加トレンドを維持
・社会福祉 0.2%減、前月の0.3%増から転じ増加基調を5ヵ月でストップ(メディケア=高所得者向け医療保険は0.3%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.6%増と6ヵ月連続で増加、失業保険は1.1%減と4ヵ月ぶりに増加)

個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が約2年半ぶりに60ドル近くへ上昇した過程で、前月比0.2%上昇し、市場予想の0.3%に届かず。ただし前月の0.1%を上回り、5ヵ月連続で上昇。前年比は市場予想通り1.8%だったが、2012年4月以来の2%乗せを達成した2月の2.1%以下の推移を継続している。コアPCEデフレーターは市場予想と一致し、前月比0.1%の上昇。コアPCEデフレーターの前年比は1.5%上昇し、市場予想通り5ヵ月ぶりの高水準となった。2015年11月以来で最低だった8月の1.3%から改善基調をたどりつつ、PCEとコアは米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」を2012年5月以来下回り続けている。

PCEはコアを含め、改善の芽吹きを確認。

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(作成:My Big Apple NY)

――11月の個人消費は、好調なホリデー商戦が表す通り力強い数字となりました。その裏で、貯蓄率は景気後退以前の水準まで低下。その裏に、労働市場の拡大に伴う収入確保への安心感が読み取れます。さらに、資産価格の上昇も支出を促しているに違いありません。米7~9月期家計資産報告では、家計・非営利団体の純資産は前期比2.5%増の96兆9,390億ドルとなり9期連続で統計開始以来の最高を更新していましたよね?金融資産における株式の割合は36.3%、総資産での割合も25.5%と2014年末以来で最大でした。米株高を通じた家計資産の増加が消費を側面支援していると考えられ、トランプ大統領がツイッターでひっきりなしに取り上げるのも頷けます。

(カバー写真:Diariocritico de Venezuela/Flickr)

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