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12月のADP全国雇用者数は9ヵ月ぶり高水準、人員削減予定数は減少

by • January 5, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1599

December National Employment Grows Fastest Pace In 9-Month.

12月のADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数をおさらいしていきます。

米12月ADP全国雇用者数は前月比25.0万人増となり、市場予想の19.0万人増を上回った。ホリデー商戦の臨時雇用増が押し上げたとみられ、9ヵ月ぶりの高水準を示す。ADP全国雇用者数は2010年2月以来の増加トレンドを維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADP全国雇用者数、年間では250万人超の増加と2003年以降で2番目の高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、サービス部門が22.2万人増と前月の14.5万人増(修正値)を上回った。ホリデー商戦中とあって貿易・輸送が4.5万人増と前月の2.7万人増を上回ったほか、娯楽・宿泊も2.7万人増と前月の0.7万人増を超えた。雇用統計の就業者数の伸びランキングで上位常連の専門サービスは7.2万人増と前月の4.6万人増を超え、教育・健康は5.0万人増と前月の5.7万人増を下回りつつ強い伸びを維持した。

一方で、財部門(製造業、建設、鉱業)は2.8万人増と前月の4.1万人増(修正値)を下回った。ただし、9ヵ月連続で増加している。ハリケーン後の復興需要を追い風に建設が1.6万人増と6ヵ月連続で増加。原油先物が約3年ぶりの60ドル台乗せを目指すなか、鉱業おも0.3万人増と3ヵ月連続で増加している。製造業は0.9万人増と、前月の3.0万人増(修正値)を下回った。

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「2017年の労働市場は力強く幕を閉じた」と評価する。力強い年末商戦が追い風となり、「小売や配送が雇用増加につながった」とも指摘。その上で、労働市場が一段とひっ迫し過熱する可能性にも言及した。

▽米12月チャレンジャー人員削減予定数は減少、通年では93年以来で最低

米12月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比3.6%減の32,423人となった。前月比でも7.4%減となり、それぞれ減少に反転。2017年の人員削減予定数は前年比で20.5%減の418,770人と、1990年以降で最低を記録した。採用予定数は27%増の110万人と、過去最高を更新した。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、2017年の結果を受け「何千件もの店舗閉鎖に見舞われたように、小売業で類を見ない人員削減予定数を計上した」と指摘した。ただ「製薬やヘルスケア、建設、食品業でも人員削減予定数は前年比で増加したが、2015~16年のエネルギー関連、金融危機時の金融関連での削減数と比較すると小幅にとどまった」との見解も表明。今後は税制改革法案の成立したため、「消費者の需要に人員削減を増加させる」と予想した。

12月は人員削減予定数が減少、年初来では93以降で最低。

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(作成:My Big Apple NY)

2017年に人員削減が多かったセクターのランキングは以下の通り。1〜11月と変わらず1位は小売で74,084人となり、金融危機直後にあたる2009年以来で最高を示す。2〜3位も9~11月と変わらず、4位と5位も前月通りだった。なお11月は1位が小売、2位がヘルスケア、3位がサービス、4位が食品、5位が産業だった。

1位 小売 76,084人(全体の18.2%)
2位 ヘルスケア 40,732人(全体の9.7%)
3位 サービス 36,174人(全体の8.6%)
4位 産業 34,179人(全体の8.2%)
5位 食品 20,737人(全体の5.0%)

2017年での州別動向は、10月と全く順位は変わらず。1位がIT企業のメッカであるカリフォルニア州だったほか、2~4位まで変わらず。5位のみマサチューセッツ州が入り、日本企業の進出が著しいインディアナ州が圏外となった。

1位 カリフォルニア州 63,301人(全体の15.1%)
2位 テキサス州 38,521人(全体の9.2%)
3位 ニューヨーク州 27,481人(全体の6.6%)
4位 オハイオ州 24,742人(全体の5.9%)
5位 マサチューセッツ州 23,242人(全体の5.6%)

12月の人員削減数ワースト5は、以下の通り。11月の1位はヘルスケア、2位はサービス、3位は消費財、4位はコンピューター、5位は産業だった。

1位 産業 14,193人(全体の43.8%)
2位 サービス 3,338人(全体の10.3%)
3位 ヘルスケア 2,587人(全体の8.0%)
4位 教育 2,456人(全体の7.6%)
5位 小売 1,419人(全体の4.4%)

リストラ実施の理由、12月のランキングは以下の通り。前月の1位はコスト削減、2位は閉鎖、3位は自主退職、4位は移民、5位は契約切れとなる。

1位 コスト削減 13,271人(全体の40.9%)
2位 閉鎖 12,910人(全体の39.8%)
3位 自主退職 4,857人(全体の15.0%)
4位 移民 539人(全体の1.7%)
5位 契約切れ 424人(全体の1.3%)

リストラ実施の理由、2017年のランキングは以下の通り。

1位 コスト削減 191,295人(全体の45.7%)
2位 閉鎖 106,216人(全体の25.4%)
3位 リストラ 64,118人(全体の15.3%)
4位 M&A  15,229人(全体の3.6%)
5位 契約切れ 11,106人(全体の2.7%)

採用予定数は、前年同月比76.4%減の8,218人だった。前月比では86.6%減となる。2017年では1,100,654人と、前年同期比で26.7%増加した。前月の1位は小売、2位は娯楽、3位は自動車、4位はサービス、5位は輸送となる。

1位 サービス 1,人
2位 小売 1,045人
3位 自動車 858人
4位 保険 500人
5位 金融 473人

――米12月ADP全国雇用者数がサービスを中心に増加しており、米12月雇用統計・非農業部門就労者数は市場予想の19.0万人増に近い数字となる期待が高まります。米12月チャレンジャー人員削減予定数が大幅減速した半面、採用予定者数が減少した点は気掛かりながら、2014年の年末も7,332人に大幅鈍化したものの2015年のNFP平均は22.6万人増と好調なペースを維持していただけに、雇用減速の予兆と判断しづらい。足元半年以内にNFPが大幅鈍化し、失業率を押し上げる可能性は現状で小さいと言えそうです。

(カバー写真:Atomische * Tom Giebel/Flickr)

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