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米国のCFO、税制改革実現でも賃上げに二の足?

by • January 16, 2018 • Latest News, NY TipsComments Off1254

Not So Many CFOs Believe Corporate Tax Reform Will Lead To Increased Wage For Workers.

税制改革の実現で、2018年の成長率はどこまで加速するのか。2017年の10〜12月期に3%成長を達成すれば、通年ベースで同水準に到達すれば、2004年以来の快挙となります。

肝心なのが、賃金ですよね。米12月雇用統計で雇用をリードするセクターが低賃金だった結果、またまた平均時給の伸び悩みを確認しました。一方で、こちらで指摘致しましたように、インフレが低下基調から脱却しつつある兆しが見受けられます。

そこで気掛かりなのが、企業の利鞘縮小です。原材料の値上がりを受けコスト負担が重石となれば、平均時給を引き上げている場合ではありませんよね。そもそも税制改革で2018年から法人税率が21%へ下がったとしても、成立前にあたる2017年のS&P構成企業の法人税の実効税率が23~28%とされていました。減税分による増益分を賃上げや新規採用、設備投資に振り向けるかも、不透明です。税制改革法案の成立を受け、通信大手ベライゾンや小売最大手ウォルマートなどが臨時ボーナス支給や最低賃金の引き上げに踏み切ったものの、ここ数年も求められていた案件が漸く実を結んだだけとも言えます。

CNBCが税制改革法案の成立前に北米の最高財務責任者(CFO)を対象に行った調査でも、平均時給の見通しはバラ色とは言えません。税制改革は賃上げを促すとの見方を「支持する」との回答は33.4%と、「支持しない」の20.8%を上回ったものの、スッキリしない結果となりました。賃上げに二の足を踏んでいるかのようです。

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(作成:My Big Apple NY、出所:CNBC)

本国への資金還流に現金・流動性資産で12%、固定資産に5%への引き下げを行う案が浮上していた当時、レパトリを行うとの回答は45.8%と半数近くに達しました。

ここから先が問題です。まず、レパトリ減税は流動性資産に対し調査実施時点の12%→15.5%、固定資産も5%→8%へ引き上げられました。それだけではありません。レパトリの使い途で最も多かった回答は「該当なし」を除き、自社株買いが1位で29.2%だったのです。「増配」を含めると、株主還元策の実施するとの回答は41.7%に及びます。一方で、「設備投資」は20.8%、「従業員の増加」は8.3%にとどまりました。ブッシュ政権時、2005年のレパトリ減税でレパトリ1ドルにつき60~90セントが株主還元策に用いられたとの試算がありますが、今回も同じ道をたどるのでしょうか。

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(作成:My Big Apple NY、出所:CNBC)

なお、今回の調査対象はCNBCグローバルCFO評議会の参加者で、所属先は上場・非上場企業を含む世界の大手企業、時価総額で4兆ドル相当となります。調査実施日は、2017年11月3~16日で、法人税減税がまだ20%だった時点です。世界の大手企業のCFOが対象ながら、税制改革に関わる質問のみ、北米企業が回答しました。

(カバー写真:Beverly & Pack/Flickr)

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