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米1月雇用動態調査、求人数は過去最高で新規採用数も好調

by • March 19, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1971

Job Openings Soar To Record High In January.

米労働省が発表した米1月雇用動態調査(JOLTS)で求人数は631.2万人と、市場予想の591.7万人を超えた。前月の566.7万人(581.1万人から下方修正)を11.4%上回り4ヵ月ぶりに増加しただけでなく、過去最高を更新した。

新規採用人数は前月比1.1%増の558.3万人と、2ヵ月連続で増加した。560.9万人と、2001年3月以来で最大を示していた2017年11月に次ぐ力強さを示す。米1月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が20万人増を回復した動きと、整合的だ。

離職者数は前月比1.8%増の540.9万人と、2ヵ月連続で増加した。定年や自己都合による退職者は2.1%減の327.1万人ながら、統計開始以来で3番目の高水準に。解雇者数は6.5%増の176.2万人なり、4ヵ月ぶりの高水準を示す。

求人率は4.1%と、前月の3.7%から上昇し2017年7月に続き過去最高となる。民間が4.4%と前月の3.9%から上振れし2017年9月に続き過去最高だったほか、政府も2.5%と前月の2.3%を上回った。

業者に対する新規採用率は前月まで2ヵ月連続で3.7%を経て、3.8%と2016年2月以来の高水準となった。民間が4.2%と前月の4.1%から上昇した半面、政府は1.5%と前月の1.6%から低下した。

求人数は過去最高、採用者数との乖離は広がるばかり。

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(作成:My Big Apple NY)

自発的および引退、解雇などを含めた離職率は3.7%と、これまでの3.6%から上昇し2017年7月以来の高水準だった。民間が前月に続き4.0%だったが、政府は1.6%から1.5%へ低下した。自発的離職率は、2001年6月以来のレベルに上昇した前月の2.3%から2.2%へ低下。解雇率は2000年12月に統計が開始してからの最低に並んだ前月の1.1%から、1.2%へ上昇した。

自発的離職者数が増加した一方で、解雇者数も増加。

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(作成:My Big Apple NY)

――以上の結果を踏まえ、今となっては懐かしいイエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。達成項目は9項目中、前月の5項目から6項目へ戻した。今回、採用率が改善している。以下は詳細で、()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字です。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004-07年平均 3.0%
現時点 4.1%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点)2.0%
2004-07年平均 1.4%
現時点 1.2%

3)自発的離職率 ○
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004-07年平均 2.1%
現時点 2.2%

4)採用率—○
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004-07年平均 3.8%
現時時点 3.8%

5)非農業部門就労者数—○
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004-07年の3ヵ月平均 16.2万人増
現時点の3ヵ月平均 24.2万人増

6)失業率—○
2009年10月(最悪時点) 10%
2004-07年平均 5.0%
現時点 4.1%

7)不完全失業率—×
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004-07年平均 8.8%
現時点 8.2%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004-07年平均 19.1%
現時点 20.7%

9)労働参加率—×
2014年9月(最悪時点) 62.7%
2004-07年平均 66.1%
現時点 63.0%

求人数と採用数が減少したとはいえ、有効求人倍率は高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

有効求人倍率は2017年10月に続き、2001年1月以来の高水準です。それでも引き続き米2月雇用統計では平均時給の伸びは前年比2.6%と、当時の3~4%台からほどの勢いは見せていません。3月ベージュブックでは賃上げの兆しを色濃く反映していた割に、平均時給の伸びが限定的な環境は変わらず、Fedが3月20~21日開催のFOMCで年4回の利上げ予想へ引き上げる可能性は高いと言えないでしょう。

(カバー写真:Steve Petrucelli/Flickr)

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