Core CPI Hits Year-High, But Not Likely To Suggest Higher Inflation.
米3月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、市場予想の±0%を下回った。10ヵ月ぶりに低下に転じている。エネルギーが2.8%低下し前月の3.0%の上昇からマイナスに転落した影響が色濃く、ガソリンも0.9%のマイナスへ沈んだ。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は原油先物の上昇一服を受け、2.560ドルと約1ヵ月ぶりの水準へ下落していた。食品・飲料は前月の±0%から、今回は0.1%の上昇に転じた。
CPIコアは前月比0.2%上昇し、市場予想と前月値に並んだ。12ヵ月連続で上昇している。項目別では、サービスが前月と同じく0.3%上昇、12ヵ月連続でプラスを示した。帰属家賃と家賃はそれぞれ0.3%上昇、電力・ガスなど公益が0.2%低下した分を相殺した結果、住宅は2ヵ月連続で0.3%と直近レンジの上限を保つ。医療費も0.4%上昇し、前月の0.1%の低下分を完全に打ち消した。一方で服飾は0.6%低下し、1990年以来の力強い伸びを遂げた前月分の上昇(1.2%)を半減させ、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。娯楽は±0%と3ヵ月連続で横ばい。教育も0.2%低下し、2ヵ月連続でマイナスを示す。輸送は1.2%低下し、前月の横ばいから大幅転落。中古車が0.3%低下し2ヵ月連続で弱かったことが響き、新車はむしろ前月まで2ヵ月連続でマイナスを経て横ばいに転じた。航空運賃は2ヵ月連続で0.6%上昇した。
CPIは前年比で市場予想に並び2.4%上昇し、前月の2.2%を超え1年ぶりの強い伸びだった。コアCPIは市場予想と一致し2.1%上昇、2017年2月以来の高水準となる。ただし、今回の上振れは2017年3月に携帯電話の下振れの一時的要因で大きく鈍化した反動でありベース効果と受け止められ、インフレが上向きつつあるとの判断は尚早と言えよう。
CPIはヘッドラインだけでなくコアも約1年ぶり高水準でも、基調を示すかは微妙。
――米3月CPIコアの前年比の強含みは、ベース効果である公算が大きい。確かに教育・通に含まれる“電話機・計算機・その他消費者向け情報関連製品”は今回2.4%低下したものの、前年同月の7.0%から下げ幅を縮小、今回のCPIの改善を促したとみられます。
インフレ見通しも明確に上昇トレンドに入ったとは言えません。NY地区連銀のインフレ見通し調査では、税制改革法案成立や歳出増を受けながら直近は低下に転じています。
問題は、ベース効果というテクニカル要因が取り除かれた後でしょう。米3月雇用統計での平均時給を含めると、3月ベージュブックで示されたほど物価は回復していないようです。
(カバー写真:Hamza Butt/Flickr)
Comments
米3月NFIB中小企業楽観度、貿易摩擦懸念の台頭を一因に前月から低下 Next Post:
3月FOMC議事要旨、通商政策より経済加速を重視し利上げ加速を示唆