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米4月CPIは前月比で鈍化、自動車と娯楽が伸びを抑制

by • May 11, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2396

Auto And Recreation Drag Consume Price Index In April.

米4月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想の0.3%を下回った。10ヵ月ぶりに低下に転じた前月の0.1%の低下から、プラス圏を回復。エネルギーが1.4%上昇し前月の2.8%の低下から改善、ガソリンも前月の4.9%の低下から3.0%の上昇に転じ、ヘッドラインのプラス回復を促している。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は4月に一時2.798ドルと2014年11月以来の高値をつけた。食品・飲料は前月の0.1%を上回り、今回は0.3%となった。

CPIコアは前月比0.1%上昇し、市場予想並びに前月の0.2%の上昇を下回った。13ヵ月連続で上昇している。項目別では、サービスが前月と同じく0.1%上昇、13ヵ月連続でプラスを示した。帰属家賃が前月に続き0.3%上昇、家賃は0.4%上昇と前月を上回った結果、電力・ガスなど公益が0.5%低下した分を相殺した結果、住宅は3ヵ月連続で0.3%と直近レンジの上限を保つ。服飾は2ヵ月連続で上昇し、0.3%と直近で最も高い伸びを示した。医療費も0.1%上昇し、前月の0.4%と合わせ2ヵ月連続で上昇した。教育は±0%と、前月までの2ヵ月連続での0.2%の低下から反転している。

一方で、自動車が弱く新車は前月の±0%から0.5%の低下に、中古車は1.6%低下し3ヵ月連続でマイナスに落ち込んでいる。娯楽は前月まで±0%と3ヵ月連続で横ばいを経て、0.4%低下した。航空運賃も前月まで2ヵ月連続で0.6%の上昇を示したが、今回は2.7%と大幅低下を示す。

CPIは前年比で2.5%上昇し、市場予想に並んだ。前月の2.4%を超え、2017年2月以来の強い伸びとなる。コアCPIは市場予想の2.2%を下回りつつ、前月通り2.1%上昇しヘッドラインと同じく2017年2月以来の高水準を維持した。

CPIはヘッドラインだけでなくコアも約1年ぶり高水準ですが、携帯料金のベース効果を踏まえると、物価上振れの兆しが見えたとは言いづらい状況。

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(作成:My Big Apple NY)

――米4月CPIコアの前月比の伸び悩みに反し、ISMの製造業景況指数、非製造業景況指数(サービス業)の仕入れ価格は高水準にあります。

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(作成:My Big Apple NY)

ただ、両者に強い相関関係はみられません。原油高でも、企業は需要低下を警戒しているのか、仕入れ価格の上昇を最終価格に反映していないもよう。減税実施でも、原材料価格の上昇が企業の利鞘が縮小し、設備投資や採用計画の重石となれば、最終価格への波及も難しくなるのでしょう。

その格好の例が自動車で、ハリケーン後の買い替え需要の強まった2017年末から一転して新車購入で下取りに出す中古車価格が再び下落してきました。しかもガソリン価格が原油高を受け約3年ぶりの水準へ値上がりし、自動車ローンを組む上で気掛かりな金利も上昇傾向にあります。米4月新車販売台数で高価格帯のSUVが失速したのは、下取り価格の下落に伴う需要低下だったのか、5月以降の数字を確認したいところ。いずれにしても、5月FOMCでは当局はインフレ目標2%達成に自信を表明したものの、時期尚早だった余地を残します。

(カバー写真:Eric Neitzel/Flickr)

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