May FOMC Statement Suggests Fed Is Stepping Closer To 4 Rate Hikes This Year.
5月1~2日開催のFOMCでは、予想通りFF誘導金利目標を1.50〜1.75%で据え置いた。今回の主な変更点とポイントは、以下の通り。
【景況判断】
前回:「雇用の伸びは足元数ヵ月にわたって力強く、失業率は低水準にある」
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今回:「雇用の伸びは足元数ヵ月にわたって概して力強く、失業率は低水準にある」
※1~3月の雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の伸びは3ヵ月平均で2017年の平均値を上回るものの、米3月雇用統計・NFPが前月比10.3万人増に鈍化したため、”概して”を挿入しトーンを緩和。
前回:「足元の経済指標によれば、家計支出と企業の固定投資の伸びは力強さを示した2017年10~12月期のペースから和らいだことを示唆した」
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今回:「足元の経済指標によれば、家計支出の伸びが力強さを示した2017年10~12月期から和らいだ一方、企業の固定投資は力強く伸びた」
※米1~3月期実質GDP成長率・速報値に合わせ、表現を変更。
前回:「全体のインフレと食品と燃料を除いたインフレは前年比で2%以下で推移し続けた」
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今回:「全体のインフレと食品と燃料を除いたインフレは前年比で2%へ近づいた」
※米3月個人消費支出・所得ではPCEデフレーターがインフレ目標値の2%に乗せたほか、コアPCEデフレーターが2%へ接近。
前回:「マーケット・ベースのインフレ動向は足元数ヵ月で強まったが低水準を維持し、調査ベースの長期インフレ見通しは概してほぼ変わらない」
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今回:「マーケット・ベースのインフレ動向は低水準を維持し、調査ベースの長期インフレ見通しは概してほぼ変わらない」
※ブレークイーブンインフレ率は10年物で4月に2.13%を示すも上昇ペースは非常にゆるやか。
インフレ見通しは、米2年債利回りやコアPCEデフレーターと比較して伸び悩み傾向。
(作成:My Big Apple NY)
【統治目標の遵守について】
前回:「経済見通しは、足元で力強さを増した」
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今回:削除
※経済・金利見通しの公表を予定しないなかで、3月から成長見通しを維持した可能性を示唆。
前回:「インフレは数ヵ月以内に前年比で上昇し、中期的には目標値である2%付近で安定していくと見込まれる」
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今回:「インフレは前年比で、中期的には委員会の目標値と対称的に2%近くで推移すると見込まれる」
※米3月消費者物価指数や米3月PCEデフレーターなどが2%乗せを達成したため、文言を変更。
前回:「短期的な経済見通しは概して均衡しているが、委員会はインフレの動向を緊密に注視していく」
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今回:「経済見通しは概して均衡している」
※米3月消費者物価指数や米3月PCEデフレーターなどが2%乗せを達成した結果に合わせ、インフレが目標値の2%を下回る警戒感が後退か。
【政策金利について】
FF金利誘導目標を1.50~1.75%で据え置くとの文言へ変更
【バランスシート政策】
特になし。
【票決結果】
票決は、1~3月に続き全会一致。輪番制である地区連銀総裁からは今年、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、リッチモンド連銀に着任予定のバーキン総裁、アトランタ連銀のボスティック総裁が投票権を有する。なお2017年の地区連銀総裁の投票メンバーはシカゴ連銀のエバンス総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、ダラス連銀のカプラン総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁。投票結果は同年1月、5月、7月、9月、11月の5回で全会一致だったが、同年3月と同年6月にミネアポリス連銀総裁1人が据え置きを求め反対票を投じ、同年12月はミネアポリス連銀総裁にシカゴ連銀総裁が加わった格好である。
――米3月雇用統計・NFPの鈍化を受けても「力強く」を維持し、米1~3月期実質GDP成長率・速報値で企業の設備投資の一角を指す機器投資が減速したものの、文言は「力強い」へ変更したように、基本的にFedの強気姿勢を感じさせる内容でした。Q1の成長率鈍化についても言及していません。何より、インフレ目標2%達成への自信を全面に打ち出してきました。米3月消費者物価指数や米3月PCEデフレーターが上向きインフレ目標値2%に到達するなかで、下振れリスクに配慮する必要性が低下したと考えられます。単月の経済指標を重視しないはずのFedですが、3月の物価指標だけでこれだけの変更に踏み切ったのですから、理由がないはずはありません。Fedは6月12~13日開催のFOMCでの利上げへ向け着実にコマを進めると共に、インフレ動向次第では年4回の利上げへ向け地均しを行ったと言えるのではないでしょうか。
(カバー写真:Federalreserve/Flickr)
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