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米7月個人消費は5ヵ月連続で増加、コアPCEは2%を回復

by • August 31, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1779

Personal Spending Rise For 5-Month In A Row, Core PCE Reaches 2% Again.

米7月個人消費支出は前月比0.4%増と、市場予想並びに前月値と一致した。5ヵ月連続で増加している。前年比では5.2%増となり、2007年11月以来の力強い伸びを示した。インフレを除く実質ベースでの個人消費は市場予想通り0.2%増と、前月の0.3%増(±0%から上方修正)を下回りつつ、5ヵ月連続で増加。前年比では2.8%増となり、8ヵ月ぶりの高水準だった。

個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米7月新車販売台数が芳しくなく耐久財を押し下げたものの、非耐久財とサービスが力強く増加し耐久財の減少を補った。

・モノ 0.238%増、前月の0.122%減から転じ過去5ヵ月間で4回目の増加
>耐久財 0.165%減、前月の0.103%減を含め2ヵ月連続で減少
>非耐久財 0.445%増、前月は4ヵ月ぶりに減少し0.132%減
・サービス 0.407%増、前月の0.591%増を含め増加基調を維持

個人所得は前月比0.3%増と市場予想と前月値の0.4%増を下回りつつ、29ヵ月連続で増加した。前年比では4.7%増と、6月の4.8%増に続き約3年ぶりの高い伸びを維持している。実質ベースでは前月比0.2%増と前月の0.3%増に届かなかったが、13ヵ月連続で増加。前年比は2.4%増と、前月の2.5%増を下回った。

可処分所得は5月に続き前月比0.3%増となり、前月の0.4%増を下回りつつ13ヵ月連続で増加した。前年比は6月に続き5.3%増と2015年2月以来の高水準を保った。実質ベースの可処分所得は前月比0.2%増となり、13ヵ月連続で増加。前年比は2.9%増と、2015年11月以来の3%乗せを果たした前月の3.0%増に近い水準を保つ。

貯蓄率は6.7%と、前月まで2ヵ月連続での6.8%を下回った。

実質ベースでの個人所得の伸びは消費支出と変わらなかったものの、貯蓄率は小幅低下。
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(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.4%増、前月と一致(民間が2ヵ月連続で0.4%増、サービス部門が0.4%増と前月通りだった半面、財部門(製造業、鉱業、建設)が0.3%増と前月の0.5%増から鈍化
・不動産収入 ±0%、前月は0.6%増から鈍化(農場が2.7%減と7ヵ月連続で減少、非農場は0.1%増と3ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.7%増、前月の0.4%増を含め6ヵ月連続で増加
・資産収入 0.3%増と前月の0.4%増を含め6ヵ月連続で増加(配当が0.6%増と3ヵ月連続で増加、金利収入は0.1%増と4ヵ月連続で増加)
・社会補助 0.2%増、前月の0.3%増を含め増加トレンドを維持
・社会福祉 0.3%増、前月の0.1%増を下回り増加トレンドを維持(メディケア=高所得者向け医療保険は0.7%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.4%減と直近で久々に減少、失業保険は0.8%増と直近で最高、退役軍人向けは3.8%増と、前月の減少を相殺)

個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が70ドル手前を中心に推移するなか、前月比0.2%上昇し市場予想に並んだ。前月の0.3%からは鈍化している。前年比は2.3%上昇し市場予想と一致しつつ、2012年3月以来の高い伸びを示した。コアPCEデフレーターは前月比0.1%上昇し、6月と変わらず。前年比は市場予想通り2.0%上昇、前月の1.9%を上回り、FOMCのインフレ目標値の2%を回復した。なお3月は、2012年4月以降で初めてとなる2.0%をつけた。

PCEは再びFOMCの目標値に並ぶ。

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(作成:My Big Apple NY)

――個人所得が堅調に増加するなか、個人消費も拡大基調をたどります。米4~6月期家計債務は6期連続で過去最高を更新しつつ、延滞率は低水準にとどまりましたが、減税効果を受けた可処分所得の増加にも支えられたことでしょう。下半期もハリケーンなど一時的な要因を除外すれば、高水準にある貯蓄率も支えとなり個人消費が成長を牽引することは間違いなさそうです。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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