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米4月鉱工業生産は予想外に低下、製造業は約2年半ぶりの前年割れ

by • June 6, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1174

Weak Manufacturing Drags Industrial Production, Capacity Utilization Declines To 1-year Low.

米4月鉱工業生産指数は前月比0.5%低下し、市場予想の横ばいからマイナスに転じた。前月の1.1%の上昇(1.0%から上方修正)から転じ、2018年5月以降で最大の低下率となる。4月は悪天候からの反動増が見込まれたが、製造業が2ヵ月連続でマイナスだった後に横ばいに転じた程度で、設備投資の減速感が引き続き漂う。前年比では0.9%の上昇となり、原油安から回復途上にあった2017年2月以来の低水準となった。1~3月期の前期比年率は1.9%減だった。

稼働率は77.9%と、市場予想の78.7%を下回った。前月の78.5%(78.8%から下方修正から程遠く、2018年2月以降で初めて78%台を割り込んだ。法人税減税やレパトリなどの効果は実施2年目を迎え剥落する上、米中間の貿易摩擦が激化するなか、過去平均の80%台を回復できずにいる。

鉱工業生産の前年比は2017年2月以来の低水準で製造業は2016年10月以来のマイナス、2018年2月以降で初めて78%割れ。

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(出所:My Big Apple NY)

内訳をみると、製造業(全体の75.1%)が弱く、特に自動車が全体の足を引っ張った。ただ米中通商協議に具体的な進展がみられず、対中追加関税措置が継続するなか、自動車以外でも機械、電気機器、コンピューター・電子機器などが弱い。春を迎え、公益(全体の10.4%)はそろってマイナス。原油価格が2018年9月以来の安値から回復し60ドル台を中心に推移するなか、鉱業(全体の14.2%)は前月比プラスに転じた。

■製造業 0.5%の低下<前月は横ばい、6ヵ月平均は0.1%の低下

▽耐久財 0.9%の低下<前月は横ばい、6ヵ月平均は0.2%の上昇

・一次金属 0.5%の上昇>前月は0.1%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の低下
・家具関連 0.4%の上昇、3ヵ月ぶりに上昇>前月は1.2%の低下、6ヵ月平均は0.5%の低下

・コンピューター/電子部品 0.5%の低下、5ヵ月ぶりに低下<前月は0.1%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の上昇
・組立金属 0.6%の低下、3ヵ月連続で低下<前月は0.2%の低下、6ヵ月平均は0.1%の低下
・航空機関連 0.8%の低下、5ヵ月ぶりの低下<前月は0.9%の上昇、6ヵ月平均は0.3%の上昇
・電子機器 2.0%の低下、4ヵ月連続で低下<前月は0.7%の低下、6ヵ月平均は0.8%の低下
・機械 2.6%の低下>前月は0.4%の上昇、6ヵ月平均は0.8%の低下
・自動車関連 2.6%の低下、過去4ヵ月間で3回目のマイナス<前月は0.2%の低下、6ヵ月平均は0.6%の低下

▽非耐久財 0.1%の低下<前月は横ばい、6ヵ月平均は0.1%の低下

・服飾 0.6%の上昇、2ヵ月連続で上昇<前月は1.0%上昇、6ヵ月平均は0.1%の上昇
・化学品 0.1%の上昇<前月は0.2%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の低下

・石油製品 横ばい<前月は0.8%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の低下
・食品/飲料/タバコ 0.2%の低下<前月は0.4%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の上昇
・繊維 1.1%の低下<前月は1.1%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の低下
・プラスチック/ゴム 0.7%の低下=前月は0.7%の低下、6ヵ月平均は0.4%の低下

■公益 3.5%の低下、4ヵ月ぶりに低下<前月は2.2%の上昇、6ヵ月平均は0.7%の低下

・電力 2.6%の低下<前月は2.3%の上昇、6ヵ月平均は0.6%の低下
・天然ガス7.7%の低下<前月は1.5%の上昇、6ヵ月平均は0.9%の低下

■鉱業 1.6%の上昇>前月は0.4%の低下、6ヵ月平均は0.5%の上昇

――米4月鉱工業生産指数は、予想外に低下しました。設備稼働率も約1年ぶりに78%を割り込むなど、全般的に振るわず。米中貿易摩擦が循環的な景気減速をさらに押し下げているなら、短期的な大幅改善は見込めそうにありません。

(カバー写真:daniel iglesias/Flickr)

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