Durable Goods : Ex-Transportation Orders Still Soft In July.
米7月耐久財受注と、米7月新築住宅販売件数をおさらいしていきます。
米7月耐久財受注は、前月比2.1%増と市場予想の1.8%増を下回った。前月の1.8%増(1.9%増から下方修正)を含め、2ヵ月連続で増加した。年初来で4回目の増加となる。
内訳をみると、全体的にはまちまち。輸送用機器を除く耐久財は0.4%減と、市場予想の横ばいを下回った。前月の0.8%増(1.0%増から下方修正)に届かず、3ヵ月ぶりに減少している。輸送用機器は7.0%増と、前月の4.1%増(修正値)と合わせ2ヵ月連続で増加。輸送機器のうち、振れの大きい民間航空機が47.8%増と前月(101.4%増、修正値)に続き力強い。ボーイング“737MAX”の出荷停止を受けながら、6月のパリ航空ショー以降、受注が一部持ち直したとみられる。米7月新車販売台数が年率で1,700万台を割り込んだが、自動車は0.5%増と3ヵ月連続で増加した。その他、防衛財が14.4%増と、前月の20.0%減(修正値)から改善した。
企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.4%増と、市場予想の横ばいを超えた。前月の0.9%増(1.5%増から下方修正)に届かなかったとはいえ、3ヵ月連続で増加した。詳細は、以下の通り。
・電気機器 1.1%増>前月は0.8%増、6ヵ月平均は1.0%増
・自動車/部品 0.5%増<前月は2.7%増、6ヵ月平均は0.2%増
・コンピュータ/電子部品 0.2%増>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.1%増
・機械 0.6%減、4ヵ月ぶりに減少<前月は1.7%増、6ヵ月平均は横ばい
・組み立て金属 0.9%減<前月は2.1%増、6ヵ月平均は0.2%減
・一次金属、1.0%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.9%減
耐久財出荷は前月比1.1%減となり、前月の1.0%増(修正値)から減少に転じた。国内総生産(GDP)で参照されるコア資本財の出荷は0.7%減と、市場予想の0.1%増を下回った。前月の横ばい(0.3%増から下方修正)から転じ、4ヵ月ぶりに減少した。
前年比では、コア資本財の受注が0.6%増と2017年2月以来のマイナスとなった前月から増加基調へ戻した。コア資本財の出荷は1.8%増と、プラス基調に転じた2017年3月以降で最小の伸びとなった前月の1.1%増から、小幅に改善した。なお、2018年は法人税減税の恩恵を得て平均6.6%増だった。
(作成:My Big Apple NY)
耐久財在庫は0.4%増となり、前月の0.3%増を超え増加トレンドを維持した。出荷が減少し在庫が増加したため、在庫相当は前月の1.66カ月から1.68カ月へ短縮した。
――耐久財受注の結果を受け、アトランタ地区連銀は機器投資の見通しを引き上げたため、米7~9月期実質GDP成長率予測値を従来の2.2%増から2.3%増へ上方修正しました。一方で、一部のエコノミストは、コア出荷の弱含みを受けて米7~9月期実質GDP見通しにつき「2%割れの可能性が出てきた」と指摘。いずれにしても、7月FOMC議事要旨で懸念された企業の設備投資は、7~9月の期初も軟調なペースを保ったと言えそうです。
▽米7月新築住宅販売件数、前月比は大幅減も前年比はプラス基調を維持
米7月新築住宅販売件数は年率63.5万件と、市場予想の64.9万件を下回った。2007年7月以来で最多となった前月の72.8万件(64.9万件から下方修正)を12.8%下回り、過去4ヵ月間で3回目の減少となる。6月が大幅に上方修正されたため前月比で落ち込んだだけで、前年比では4.3%増と、5月を除き年初来での増加基調を保った。
4大地域別では、1地域のみ増加し前月の3地域から減少した。今回、北東部が50.0%増の3.9万件と、2ヵ月連続で大幅増となった。一方で、IT企業が集まる西部は14.2%減(前月から減少に反転)の18.1万件だったほか、住宅規模が最大の南部も16.1%減(3ヵ月ぶりに減少)の35.9万件となった。中西部は11.1%減(2ヵ月連続で減少)の5.6万件だった。
在庫総数は、前月比1.2%増の33.7万件だった。販売件数の減少したものの在庫が増加したため、在庫相当は6.4ヵ月と2018年5月以来の低水準だった前月の5.5ヵ月から延びた。
中央価格は31.28万ドルと、前月の30.60万ドルから2.2%上昇した。なお、2017年11月に34.34万ドルと過去最高を更新した。前年比では4.5%下落し、3ヵ月連続で下落した。
――米7月新築住宅販売件数は、前月分が異例なほどに上方修正されたため減少に転じたとはいえ、前月比でプラスを維持しました。価格も上振れを回避しており、力強い労働市場と金利低下を支えに新築住宅の需要が押し上げられる期待も。米7月消費者信頼感指数や米8月NAHB住宅市場指数は、家計の住宅購入見通しや建設業者のセンチメントも改善しており、6期連続で成長を下押しする住宅投資が底打ちするか試されます。コンドミニアムを対象とした規制緩和もありましたし・・。
(カバー写真:Jetstar Airways/Flickr)
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