Capital Goods Orders Remain Weak, Suggest Slower Capital Spending.
米8月耐久財受注は前月比0.2%増となり、市場予想の1.1%減を上回った。前月の2.0%増を含め、3ヵ月連続で増加した。
ただ、詳細を見るとヘッドラインほど明るい数字ではない。内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.5%増と市場予想の横ばいを上回った。3ヵ月ぶりに減少した前月の0.5%減(0.4%減から下方修正)のマイナス分を相殺している。輸送用機器は0.4%減と、前月の7.2%増(修正値)を下回った。振れの大きい民間航空機が17.1%減と前月(52.2%増、修正値)から減少に転じたほか、米8月新車販売台数が1,700万台を回復したものの自動車が0.8%減と3ヵ月ぶりに減少した。ただし、輸送機器でも軍用機・部品が31.1%増となり、輸送機器を支えた。防衛財は15.4%増と、前月の15.1%増(修正値)を含め2ヵ月連続で2桁増となり、過去2ヵ月分の減少分をほぼ相殺した。
企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.2%減と、市場予想の0.1%増を下回った。前月の横ばい(0.2%増から下方修正)から減少に転じ、6ヵ月ぶりの減少となる。内訳をみると、コンピューター・電子機器が0.3%減と前月の横ばいから減少に転じたほか、電気機器も1.3%減と直近で久々に減少している。ただし、機械は0.6%増と増加に転換したほか、鉄鋼・アルミ関税の影響が及ぶ一次金属1.5%増、組立金属も1.3%増とそれぞれ前月の減少分を相殺した。
耐久財出荷は前月比0.1%増となり、前月の1.2%減(修正値)から改善した。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.6%減を上回り、3ヵ月ぶりに改善した。
耐久財在庫は0.3%増となり、前月の0.4%増を上回った。出荷の伸びが在庫を下回った結果、在庫相当は1.69ヵ月と前月の1.68ヵ月から延びた。
――耐久財受注は、GDPに反映されるコア資本財受注が引き続きさえません。もっとも、コア資本財出荷の改善と在庫の積み増しはGDPに好材料。米8月個人消費が鈍化したとはいえ、6ヵ月連続で増加したため、アトランタ地区連銀は米7~9月期実質GDP成長率予測値を従来の1.9%増から2.1%増へ上方修正しています。
では、あらためて各連銀が発表する製造業景況指数をみてみましょう。5地区連銀中、ダラスが未発表のところカンザスシティ以外は全て下振れしています。9月ベージュブックの経済拡大ペースを示す形容詞ではNY、フィラデルフィア、リッチモンド、ボストンが「緩慢」と総括。カンザスシティ連銀は「わずかに拡大」、ダラスは「ゆるやか」と表現していた。追加関税問題など不確実性について言及した地区連銀は製造業景況指数を発表する地区連銀ではNY、フィラデルフィア、リッチモンド、カンザスシティ、ダラスと全て入った。そのほかボストン、クリーブランド、アトランタ、シカゴ、セントルイスが挙げた。農業の問題として取り上げていました。
6ヵ月先の設備投資見通しは、NY、フィラデルフィア、ダラスの各連銀の平均値で21.0。原油安に直面した2016年11月以来の水準近くへ低下。
4~6月期から弱含む設備投資は、7~8月までの数字をみると回復は見込めません。10月第2週に予定する米中閣僚貿易協議の進展次第では、一段の減速に注意が必要です。
(カバー写真:Washington State Dept of Transportation/Flickr)
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