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米11月ISM非製造業景況指数、予想以下でも雇用と新規受注は上昇

by • December 6, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1737

ISM Non-Manufacturing Index Less Than Expected, But Employment Improves.

11月のISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMIをおさらいしていきます。

米11月ISM非製造業景況指数は53.9となり、市場予想の54.5を下回った。前月の54.7から改善している。米中貿易摩擦や世界景気減速が打撃となり約10年ぶりの水準へ低下していた製造業景況指数が下げ止まりつつあるように、米中閣僚貿易協議で第1弾合意の目途が立つなかで、サービス業のセンチメントは前月から悲観が後退した。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、ビジネス活動や新規受注のほか、米10月雇用統計が堅調だったように雇用が上昇した。一方で、新規輸出受注を始め仕入れ価格、在庫変化が低下した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 51.6、2010年以来の低水準<前月は57.0、6ヵ月平均は56.1
・新規受注 57.1>前月は55.6、6ヵ月平均は56.1
・雇用 55.5、4ヵ月ぶりの高水準>前月は53.7、6ヵ月平均は54.0
・新規輸出受注 52.0>前月は50.0と2017年1月以来の低水準、6ヵ月平均は52.3
・在庫変化 50.5=前月は50.5、6ヵ月平均は52.3
・仕入れ価格 58.5>前月は56.6、6ヵ月平均は58.1

ISMのアンソニー・ニーブス会長は、結果を受け「回答者は追加関税問題を望みつつ、引き続き人手不足による悪影響に直面している」とコメントした。今回、縮小を報告したのは、8~10月に続き卸売、9~10月に続きその他サービス、10月に続き鉱業、そして11月に農業・林業・漁業、建設が入った。

▽米11月IHSマークイット・サービス業PMI・確報値、雇用は約10年ぶりの水準へ低下

米11月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は51.6と、市場予想と速報値と一致した。2016年2月以来の低水準となった前月の50.6を上回っている。雇用は9月に約10年ぶりの水準へ低下したが、米11月ADP全国雇用者数は失望を招く結果に反し、ヘッドラインと合わせ4ヵ月ぶりの水準へ改善した。総合PMI確報値は52.0と、前月の50.9を上回った。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「製造業とサービス業のPMIが共に上向き、10~12月期の成長率は1.5%増と見込まれる」とコメントした。新規受注のほか、雇用が上昇しており「米11月雇用統計・非農業部門就労者数は10万人増」と予想した。

――米11月ISM非製造業景況指数はヘッドラインが前月以下ながら雇用や新規受注が改善し、米11月マークイット・サービス業PMI確報値と同じくサービス部門の業況が堅調であることを確認しました。年内に米中貿易協議・第1段階の合意で妥結する可能性を受けて上昇したのであれば、年明けあるいは2020年大統領選以降にずれ込めば、米株市場の調整を招くリスクに要注意です。

(カバー写真:Adam Croot/Flickr)

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