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米11月個人消費、所得の伸びが支え年末商戦にかけ堅調

by • December 24, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off3439

Better Than Personal Spending And Income Suggest Better Holiday Sales This Year.

米11月個人消費支出は前月比0.4%増と、市場予想と一致した。前月の0.3%を超え、4ヵ月ぶりの高い伸びに。9ヵ月連続で増加している。前年比では3.9%増と、前月の3.8%増を上回った。インフレを除く実質ベースでの個人消費は前月比0.3%増と市場予想の0.2%増を上回り、9ヵ月連続で増加した。前年比では10月と同じく2.4%増となった。2018年の平均値である3.0%以下が続く。

個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米11月新車販売台数がGMのストライキ終了を受け年率1,700万台を回復したため、耐久財が6ヵ月ぶりに減少した10月から回復した。非耐久財は、ガソリン価格の下落一服が支え3ヵ月ぶりに増加。サービスは堅調トレンドを維持した。

・モノ 0.474%増、前月の0.349%増を上回り9ヵ月連続で増加
>耐久財 0.956%増、6ヵ月ぶりに減少した前月の0.896%減から反転
>非耐久財 0.643%増、前月の0.571%減から反転
・サービス 0.424%増、前月の0.424%増と変わらず2012年9月からの増加基調を維持

個人所得は前月比0.5%増と、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.1%増(横ばいから上方修正)を含め、増加トレンドを14ヵ月に伸ばした。前年比では4.9%増と、年初来で最高となる。実質ベースでは前月比0.4%増と、GMのストライキの影響を受けた前月の0.1%減からプラスに転じた。米11月雇用統計で確認したように賃金が好調だったほか、金利上昇を背景に金利収入、農業経営者の収入が支えた。前年比は3.3%増と、10月の3.0%増を下回った。

可処分所得は前月比0.5%増となり、増加トレンドを9ヵ月で止めた10月の横ばいから増加に転じた。前年比は4.6%増と、7ヵ月ぶりの高い伸びとなる。実質ベースの可処分所得は前月比0.4%増となり、横ばいを除き2017年7月以来の減少を示した10月の0.2%減から改善した。前年比は3.1%増と、2017年5月以降で2番目に低い伸びにとどまった10月の2.9%増から3%台へ戻した。貯蓄率は、個人所得の伸びが消費を上回ったため7.9%と、前月の7.8%を小幅に上回った。

所得の伸びが消費より顕著で、貯蓄率は8%割れを維持も小幅改善。

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(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.4%増と5ヵ月連続で増加(民間が0.4%増、サービス部門は0.4%増、財部門(製造業、鉱業、建設)が0.4%増)
・経営者収入 1.9%増、前月は1.0%減と7ヵ月ぶりに減少(農場が78.9%増と前月の42.6%減から改善、非農場は0.3%増と2ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.5%増と2ヵ月連続で増加、前月は0.5%増
・資産収入 0.8%増、前月の0.7%減から改善(配当が0.1%減と2ヵ月連続で減少、金利収入は1.4%増と前月分の減少を相殺)
・社会補助 0.1%増、前月の0.4%増を含め増加基調を維持
・社会福祉 0.1%増、前月の0.4%増を含め増加基調を維持(メディケア=高所得者向け医療保険は0.5%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.1%減と2ヵ月連続で減少、失業保険は0.4%減と10月を除く減少基調を維持、退役軍人向けは1.0%増と増加基調を維持、その他は横ばい)

個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が10月の50ドル台前半から11月に60ドル台を目指すなか、市場予想と10月と同じく前月比0.2%上昇した。前年比は1.5%上昇、市場予想と10月の1.4%を上回り、7ヵ月ぶりの強い伸びとなった。コアPCEデフレーターは市場予想通り前月比0.1%上昇、4ヵ月連続で同率の伸びとなり、9ヵ月連続でプラスを示す。コアPCEの前年比は市場予想の1.5%を超え1.6%上昇となったが、前月の1.7%(1.6%から上方修正)に届かず。年初来から続くFOMCのインフレ目標値(2%)以下を維持している。

PCEコアは、11ヵ月連続でFOMCの目標値以下に。

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(作成:My Big Apple NY)

――11月小売売上高に反し、個人消費と所得は幸先の良い年末商戦結果と同様に米国人が財布の紐を例年通りゆるめた可能性を点灯させました。小幅ながら貯蓄率の改善もあって、今年は12月にずれ込んだサイバーマンデーが好調だったように、12月に個人消費が一段と拡大する期待が募ります。

(カバー写真:Diariocritico de Venezuela/Flickr)

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