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民主党予備選、2016年の共和党レースを繰り返すのか否か

by • March 3, 2020 • Latest News, NY TipsComments Off2573

Will Democratic Primaries Repeat 2016 GOP Race?

スーパーチューズデーを3月3日に控え、スタイヤ―候補が2月29日、ブティジェッジ候補が3月1日、クロブシャー候補が3月2日に撤退を表明しました。打倒サンダース候補に向け、主流派・中道派が結束を呼び掛けたのでしょう。3月2日にはブティジェッジ氏、クロブシャー氏ともにバイデン候補に支持を表明しました。ブティジェッジ氏の支持者にとっては、想定内の結果と言えます。

そのブティジェッジ支持者が第2希望候補に挙げたのはウォーレン候補で26%、次いでバイデン候補が19%でした。サンダース候補はたった11%に過ぎません。

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(作成:My Big Apple NY)

民主党がスーパーチューズデー前に結束を急いだのは、2016年の共和党予備選と同じ轍を踏まないよう、学んだためでしょう。

当時、主流派はトランプ旋風を危惧し「ネバー・トランプ」を推進したものの、2016年3月1日のスーパーチューズデーまでにティーパーティー寄りのクルーズ上院議員(テキサス州)のほか、主流派のルビオ上院議員(フロリダ州)、オハイオ州のケーシック知事など5名が乱立していました。山場を目前に控え、打倒トランプ統一戦線を張れていなかったというわけです。結果、スーパーチューズデー11州でトランプ氏が7州を制し、ルビオ氏は3月15日にレースから撤退、クルーズ氏とケーシック氏は、予備選残り9州を控えそれぞれ5月3~4日に白旗を挙げました。

ただし、挙党体制が実を結ぶかというと、主流派が結束すればするほど大衆が反発するリスクを引き上げてしまいます。だからこそオバマ前大統領を始め、民主党の重鎮はバイデン氏に支持表明できないのかもしれません。2016年の共和党予備選が4年を経て民主党に舞台を移し繰り返すか否か、スーパーチューズデーの結果がヒントを教えてくれるはずです。

団結を目指す民主党主流派にとって、目の上のたんこぶはブルームバーグ候補とも言えます。同候補はスーパーチューズデー前、2月11日にレースから離脱した台湾系でNY出身の実業家アンドリュー・ヤン氏の支持を得ようと画策し、副大統領候補として打診したとか。ヤン氏は指名レースで頭角を現さなかったとはいえ、苗字にちなみ“ヤング・ギャング”と呼ばれる若手男性からの熱烈な支持を得ていますから。巨万の富を総動員し、足元で広告費5億ドル以上、スーパーチューズデーのみで1億2,400万ドルと前代未聞の広告費・費用を投じるブルームバーグ氏にしてみれば、支持獲得のためには猫の手も借りたいところ。ただ、まだ45歳と若く政界進出を目指すヤン氏ですから、民主党主流派には楯突けず、空気を読むのでしょうね。

何より、スーパーチューズデーではこの方、ウォーレン候補が戦線離脱するか熱い視線が集まります。プログレッシブ候補なだけに、支持者の第2希望候補はやっぱりサンダース氏で33%を集めていました。

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(作成:My Big Apple NY)

今年のスーパーチューズデーも、デモクラティックにドラマチックな展開が期待できそうです。

(カバー写真:James Brooks/Flickr)

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