Things To Know About The Reddit Users Who Help Gamestop Stock Surge.
日経CNBCで投資アプリのロビンフッドをご紹介した2020年6月頃、破産申請を行ったレンタカー大手ハーツの株価が急騰しました。あの頃、個人投資家がスイミーと化し鯨を脅かす可能性を指摘しておりましたが、あれから約7ヵ月。まさかヘッジファンドが空売りのポジションを閉じさせるほどの急成長を遂げるとは・・・運用資産125億ドルを抱えるメルビン・キャピタルが最初の犠牲となったのは、報道の通りです。27日に放送された筆者がゲストコメンテーターとして出演する「北野誠のトコトン投資やりまっせ。」でも、取り上げられておりました。
個人投資家のショート・スクイーズ攻撃は、米国版2ちゃんねる的な存在である掲示板レディットを舞台に瞬く間に広がりました。
気になるのは、個人投資家を結び付けたレディットの存在感です。同社の発表を元にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が伝えたところ、1日当たりのアクティブ・ユーザー数は2020年10月時点で前年同期比44%増の5,200万人でした。フェイスブックの18.2億人(20年9月末、前年同期比12%増)、ツイッターの1.87億人(同29%増)を比べるとまだまだまだ規模は小さいながら、成長率は目覚ましいものがあります。
各年齢層での利用状況をみてみましょう。ロビンフッダーの平均年齢が31歳であるように、やはりレディット・ユーザーもミレアニアル世代からジェネレーションZで割合が高いのですよ。18~24歳は21%、25~29歳の間では23%と、ほぼ4人に1人という計算になります。
年代別の利用者割合の傾向は、インスタグラムを始め他のSNSと変わりません。ただSNSで”いいね”が急増し商品のプロモーションにつながる程度なら問題ないのですが、”根拠なき熱狂”を醸成し米国人の虎の子である株式市場に直接影響を与えるとなれば、当局も座視できないことでしょう。
米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でパウエルFRB議長は質疑応答で回答を避けましたが、証券取引委員会(SEC)は「積極的に注視している(actively monitoring)」との声明を発表。ホワイトハウスのサキ長官も、イエレン財務長官が事態を「注視している」とコメントしています。
肝心のSEC委員長は現在代行が務め、バイデン大統領が指名したSEC委員長候補のゲイリー・ゲンスラー氏は就任にあたり、上院の承認が必要です。ゲンスラー氏は商品取引委員会委員長時代から不正防止、規制強化に奔走した人物なだけに、就任早々の取り締まり強化シナリオを無視することはできないでしょう。
仮にSECなど当局がレディット・ユーザーの”扇動”で市場が攪乱されたと判断すれば、取り締まりの網はSNS大手によるトランプ方式、つまりアカウント凍結にまで及ぶのか。そうなった時、大統領選でバイデン氏に投票した若者が中間選挙で民主党から離れてもおかしくありません。CNNは逆に、今回の”扇動”をトランピズムになぞらえていますが・・。
なお、オンライン証券会社はゲームストップなど口コミを背景とした株価が急騰する銘柄に対し、取引制限を課し始めています。27日にはTDアメリトレードやチャールズ・シュワブなどが動き、28日にはロビンフッドやオンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーが続きました。一連の対応を当局がどのように判断するのか、ここも見極めが必要です。
(カバー写真:Antonio Zugaldia/Flickr)
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