Cooperman’s Pick : Citigroup, KKR, Actavis And Others.
ニューヨークでは16日、米経済金融専門局CNBCが主催する年次投資家会合「デリバリング・アルファ」を開催しておりました。ウォールストリートの著名人が数多く出席することで知られ、財務長官も必ず顔を出すほどの一大カンファレンスなんです。今年もルー米財務長官がCNBCに出演し、サイバー問題の対策強化を求めてましたね。
ちなみに「デリバリング・アルファ」に合わせ、朝の番組「スクォーク・ボックス」で司会を務めるニューヨーク・タイムズ紙のアンドリュー・ロス・ソーキン氏(「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」の著者)がスクープを飛ばしました。メディア王ルパート・マードック氏率いる20世紀フォックスが、タイム・ワーナ—に買収案を提示したというんですから、衝撃です。タイム・ワーナ—は梨のつぶてで、にじり寄る手を振り払ったといいますが16日は17.1%も急騰しました。
全米からマーケットを動かす強者が一同に会するなか、注目はこの方に集まりました。誰あろうレオン・クーパーマン氏。ジョージ・ソロス氏と並びヘッジファンドの雄としてその名を轟かせ、運用資産107億ドルを誇るオメガ・アドバイザーズの創立者です。
この方が選ぶ銘柄リストに投資家は大きな関心を寄せ、メディアも一斉に報じていました。
気になるリストの中身はというと・・こちらです!株価収益率(PER)は、2014年の予想値となります。
1)アクタビス(ACT、後発医薬品)、PER 16.48倍
2)シティグループ(C、金融)、PER 10.60倍
3)サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(TMO、科学用機器)、PER 17.13倍
4)アトラス・エナジー(ATLS、石油・天然ガス採掘)、PER 26.64倍
5)ゲーミング・アンド・レジャー・プロパティーズ(GLPI、ゲーム関連不動産)、PER 14.26倍
6)KKR(KKR、投資会社)、 PER 9.09倍
7)ノルディック・アメリカン・オフショア(NAO、ノルウェー、石油輸送船舶)、N/A
8)QEPリソーシズ(QEP、通信機器)、PER 24.74倍
9)スーパーバリュー(SVU、バイオ医薬)、PER 13.10倍
10)ルイ13世ホールディングス(577、香港、土木建設)PER N/A
11)マニタイズ(MONIF、英国、モバイル・バンキング)、N/A
12)サンドブリッジ・エナジー(SD、石油・天然ガス)、PER 30.52倍
基本的に米経済の回復シナリオを念頭に置いたピックとなっています。金融、エネルギー関連が目立ちますね。
クーパーマン氏の推奨銘柄に熱い視線が注がれるのは、実績ありき。CNBCのサイトで過去分も含めた彼の買い推奨銘柄をみると、高い勝率が確認できます。
2013年の銘柄リスト、結果はご覧の通り。
選んだ基準として、成長に着目した銘柄はアクタビス、シティ、サーモ・フィッシャー。インカム・グロース型ではアトラス・エナジー、GLPI、KKR、ノルディック・アメリカン・オフショアを挙げています。資産再編ねらいでQEPリソーシズとスーパーバリュー。最後にハイリスク/ハイリターン型でルイ13世ホールディングス、マニタイズ、サンドブリッジ・エナジーに着目していました。
今年からいよいよFedは緩和策を終了させ、来年には出口戦略の風呂敷を広げるでしょう。1943年生まれ、辣腕投資家として名を馳せるクーパーマン氏の読みは、今年も当たるのか。なお2012年に開催された「デリバリング・アルファ」時点に発表した推奨10銘柄は全て上昇、2013年は10銘柄中8銘柄でした。
(カバー写真 : CNBC)
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