Job Cut Announcements Stay At 50K Level, Energy Sector Accounts For 38%.
米2月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比20.9%増の5万579人だった。3ヵ月連続で増加した結果、過去6ヵ月間で4回目の増加に。1月に続き、2013年2月(5万5356人)以来の高水準を示す。2ヵ月連続で5万人乗せながら、1月の5万3041人からは4.6%減少した。原油安を背景に、人員削減予定数のうち38%はエネルギー関連が占めていたという。1月の40%と、ほぼ変わらなかった。
4大地域別では、前月比で2地域が増加。1月の3地域からは減少した。大寒波と積雪に加えシェールガス・オイル関連の産業を抱える中西部が26.7%増の6593人、同じくエネルギー産業に依存する南部も6.2%増の8557人だった。一方で北東部は1.5%減の8084人、IT関連の雇用が目立つ西部も13.4%減の2万7345人となる。
シェールブームは、中西部と南部で目立ちます。
(出所:Shalebubble)
発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「石油採掘・掘削関連企業をはじめ供給側など、明らかに2009年以来の原油安のインパクトを受けている」と説明。一連のエネルギー企業は、操業停止を回避するため「雇用削減を通じたコスト抑制を余儀なくされている」との見方を示した。さらに、ガソリン価格が下落しながら「消費拡大につながっていない」とも言及している。一方で原油関連は減益に直面しながら、「米経済全般にはポジティブ」とも付け加えた。足元では確認されていないものの、ガソリン価格の下落により「購買力が拡大し国内総生産(GDP)を0.5%ポイント押し上げる」と評価。「航空関連、輸送、製造業、塗装業などの企業は原油安の恩恵から増益を達成するだろう」と楽観的な見方を寄せた。
人員削減予定件数のセクター別をみると、1位は前月に続きエネルギーで1万6339人となった。足元で油田サービスのシュルンベルジェが9000人、ベーカー・ヒューズも7000人の人員削減を発表済みで、2月にはハリバートンが6400人のリストラ計画を明らかにしていた。2位も1月に続きホリデー商戦明けの小売で9163人となり、前月の6699人からも増加。3月には、ターゲットが本社を中心に数千人のリストラを発表した。3位は産業財で3490人だった。
リストラ実施の理由、2月のランキングは以下の通り。
1位 原油安 1万8299人 年初来 3万9621人
2位 再編 8960人 年初来 3万7人
3位 コスト削減 5943人 年初来 9702人
4位 破産 5471人 年初来 5471人
5位 M&A 1569人 年初来 1844人
採用予定人数は1万4574人と1月の8774人から増加し、2014年10月以来の高水準を遂げた。1位はガソリン価格の下落を背景に輸送が5236人、2位は前月まで2ヵ月連続で1位だった自動車で3185人。3位は金融で2700人だった。なお小売は2014年9−10月の2ヵ月連続で1位、同年11月も1200人で4位だったものの、2014年12月以降は3ヵ月連続で0人に終わった。
——以上、人員削減予定件数は2ヵ月連続で大幅増を示し原油安に伴うリストラの余波を色濃く反映しました。ガソリン価格の下落というポジティブ効果に浴しながら個人消費支出が2ヵ月連続で減少するように、ウォルマートをはじめLブランズ、ギャップやJCペニーなど慎重な業績見通しを示し小売セクターの採用活動も抑制的。米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は23.5万人増と大台を維持するものの、リストラ動向は労働市場の失速を表しています。
(カバー写真:Donna Carson/Reuters/Corbis)
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