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米2月住宅着工件数は2ヵ月連続で減少、悪天候が災いに

by • March 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2321

Housing Starts Plunge On Adverse Weather Conditions, Permits Rise.

米2月住宅着工件数は年率89.7万件となり、市場予想の104.7万件に全く届かなかった。約1年ぶりの高水準に近い1月の108.1万件(106.5万件から上方修正)を17.0%下回っている。結果、件数ベースでは2014年1月以来で最低に。過去6ヵ月間で2回目の減少を示した。寒波襲来と積雪の影響で、北東部を中心に建設活動が阻害されたとみられる。

内訳をみると、一戸建てが59.3万件。前月の69.7万件を14.9%下回り、2ヵ月連続で減少している。複合住宅は20.8%減の30.4万件と、3ヵ月ぶりに減少した。前年比での住宅着工件数は4.1%減と、前月に21.1%も大幅増だった反動もあり3ヵ月ぶりに減少。一戸建ては0.2%増となり、3ヵ月連続で増加したなかで初めて1桁の伸びにとどまった。複合住宅は12.2%減と、3ヵ月ぶりに減少した。

4大地域別では、すべて減少。1月は1地域のみ増加していた。前回、唯一増加を果たした南部は2.5%減の51.4万件となり、3ヵ月ぶりに減少。今年の冬に積雪量が過去最高を記録したマサチューセッツ州ボストンを含む米北東部は、悪天候を背景に56.5%減の4.7万件だった。同じく悪天候を背景に、中西部も37.0%減の9.7万件。北東部と合わせ、2ヵ月連続で減少した。西部も18.2%減の23.9万件で、2ヵ月連続で前月を下回った。

住宅着工件数、2006年までの過去20年平均150万件は遠い。

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(出所:Daiwa Capital Markets)

米2月建設許可件数は109.2万件となり、市場予想の106.5万件を超えた。前月の106.0万件(105.3万件から上方修正)を3.0%上回っている。過去6ヵ月間で3回目の増加を迎えた。

内訳をみると、賃貸需要の高まりを受けて複合住宅が全体を押し上げており前月比18.3%増の15.0万件だった。一戸建ては6.2%減の62.0万件で、2ヵ月連続で減少している。建設許可件数の前年比は8.8%増と、前月の4.2%増に続き3ヵ月続けてプラスに。一戸建てが3.3%増だったほか、複合住宅にいたっては17.1%増を達成した。

米2月建設中件数は前月比0.4%増の83.6万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが0.3%減の36.4万件と7ヵ月ぶりに減少に転じた一方、賃貸需要を背景に複合住宅が0.9%増の47.2万件と6ヵ月連続で増えた。

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「住宅着工の減少が北東部と中西部で顕著だったように、大寒波と積雪が数字を押し下げた」と説明。全体的な住宅市場のトレンドは「建設許可件数が増加を遂げており、健全といえる」と前向きに受け止めている。建設許可件数のけん引役が複合住宅で、一戸建てが減少した点も「悪天候の影響」と一蹴した。

——住宅着工件数・一戸建てのうち注文物件ではない75%が販売向けであり、2月の結果では44.5万件に相当します。1月の新築住宅販売件数を踏まえ、前月に続き在庫積み増しリスクの後退を確認しました。中古住宅のうち不良債権が縮小し在庫不足に陥るなか潜在購入者が新築住宅にシフトしているためで、春からの書き入れ時には悪天候の反動もあり建設活動ラッシュに期待がかかります。一方で、米3月NAHB住宅市場指数は低下。米金利の上昇と賃金の伸び悩みというリスクを払拭できるのか、試されます。

(カバー写真:AP)

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