Americans Are Happy Now, Less Optimistic About Future.
アメリカ人は利上げ前の米経済に対し、どのような認識をもっているのでしょう？CNBCがハート・リサーチに依頼して実施した全米経済調査で、全貌が明らかになっています。
3月26−29日に800人を対象に実施した調査では、米経済の現状に対し「非常に良い」と「良い」を合わせた回答は27％と2014年12月時点の26％を超え、約8年ぶりの高水準を遂げました。リーマン・ショックの嵐が吹き荒れた2008年12月時点の4％から改善基調をたどっています。
センチメントの上昇に反し、12ヵ月先見通しには慎重なトーンが漂っていました。「良くなる」との回答は28％と2014年12月時点の27％を上回ったとはいえ、同年6月の水準に並んだ程度。2012年11月の37％からは、大きく水を開けられています。経済に「楽観的」との回答も23％で、足元で最高を達成した2014年12月時点と変わらず。一段の上昇を遂げられませんでした。
悪天候を経て上向いた米3月消費者信頼感指数とは裏腹の結果に。
（出所：Josh Reynolds/Associated Press）
賃金が増加／減少するかとの質問では、「増加」を見込む声は38％と2014年12月時点の40％から低下しています。反対に「減少」を予想した回答者は4％と、3期連続で横ばい。「変わらず」は58％と前回の56％を上回り、7期連続で足元の55−60％のレンジを保ちました。米3月雇用統計で賃金の伸びが必ずしも賃金インフレ動向を示していないように、アメリカ人は賃金動向に楽観的ではないようです。
持ち家の回答者のうち、住宅価格が「上昇する」と見込む割合は32％。2014年12月の34％を下回りました。一方で、「下落する」との回答は8％と、少なくとも過去8年間で最低だった前回の6％から上昇しています。「変わらず」は、2期連続で60％でした。アンダーウォーターの物件が下げ渋るなか中古住宅の在庫ひっ迫が問題視され、米2月新築住宅販売件数が増加しつつあるなか、慎重なスタンスであることが分かっています。
ガソリン価格が約5年ぶりの水準まで下落し、米連邦公開市場委員会（FOMC）は1月声明文から「エネルギー価格が購買力を押し上げる」と判断していました。蓋を開けてみると、2014年12月から年明け2月の小売売上高は悪天候の余波もあって散々な結果に。そんな目も当てられない状況から、改善の兆しがほのかに見えています。
「債務の返済に充てる」との回答は25％と2014年12月時点の12％を大幅に上回ったほか、「支出にまわす」との回答も17％と前回の8％を軽く超えていきました。双方の回答を合わせると今回は42％と、前回の20％の2倍に膨らんでいます。さらに「何もしない」との回答も今回は42％で、前回の61％から急低下していました。
貯金するとの回答も15％と前回の13％を超え、ドライブも11％と前回の10％を上回りました。
（出所：CNBC）
米株に投資するタイミングとしては「良い」との回答が39％と、2009年12月以来の高水準に並んだ2014年12月時点の41％から低下。リセッション入り前にあたる2007年10月時点の49％から、かい離を広げたままです。一方で、「悪い」との回答は34％と、前回の30％から上昇しました。2014年9月時点の40％を下回りつつ、警戒感がにじみ出ています。
2016年の米大統領選をめぐる重要な論点は、以下の通り。
1位 経済・失業 23％
2位 医療保険 17％
3位 外交、世界でのリーダーシップ、テロとの戦い 16％
4位 税制度・歳出 15％
5位 政治的こう着 7％
5位 環境・気候変動 7％
7位 移民改革 5％
8位 エネルギー・原油2％
その他 3％
ちなみに共和党側からテッド・クルーズ米上院議員（テキサス州）に続き、同じくティーパーティー寄りでロン・ポール元米下院議員（テキサス州）の息子であるランド・ポール米上院議員（ケンタッキー州）が出馬を表明しました。ティーパーティー寄りが次々正式に表明するなか、共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事と民主党の本命候補とされるヒラリー・クリントン陣営は泰然と動向を見守っているかのようです。
（カバー写真：T-Bone Sandwich/Flickr）
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